最強弁護人軍団
俺は各地を周り、弁護してくれる人を数名集めてきた。
「じゃあ、最初の弁護人です」
「あっ! タローだ! ジローも居るー! ヤッホー!」
「ナミちゃん、戻って戻って。ちょっとここに座って」
「はーい」
「急に連れて来られたけど、なんなんだ?」
はい。最初はナミちゃんです。従魔のポチも一緒です。
そして……。
「ちょっと! ハズキ君は王族じゃない! 反則よ!」
「いや、ナミちゃんを迎えに行ったらたまたま居たから」
「……それ、絶対に運が作用してるでしょ」
そんな気がするが、意図的に使った訳ではないので、俺からすれば“たまたま”です。
ちなみにポチだけど、正式にナミちゃんに譲渡しました。あの日は枕を濡らしたなぁ……。
さて、質問しようかな。
「ナミちゃんはポチと一緒で楽しい?」
「うん! 楽しいよ!」
「そうかそうか。ポチは?」
「楽しーい!」
「おっ、ポチ。言葉が上手くなったね」
ポチも成長して、今や立派な狼の姿になっている。
しかも俺とナミちゃんで共同従魔だったせいか、ただの狼ではなく「ハイウルフ」という種族になっている。
そのお陰か、人語を喋れるのだ。
「ポチはハイウルフだけど、人に怖がられて無いかい?」
「うん、怖がられてるよ! 特に初めてあった人には!」
「それってイヤ?」
「ううん。ナミに近づく変な人を追っ払えるからイヤじゃない!」
ううっ、立派に育って……。涙無くして語れませんな。
「どうです、トムさん。ポチはこのように話してますけど?」
「そ、それはナミちゃんがか弱いからでしょ! 福田くんはか弱く無いじゃないの!」
「いや、俺はレベルはソコソコだけど、集団相手だとヤバいぞ?」
「運でどうにでもなるでしょ!!」
「いや、そうかもしれないけどさ。そういう事じゃなくて……」
「福田さんは使徒。それの象徴として強大な従魔を従えている。
それを誇示している。だが従魔はそれが不満と。そういう事?」
「おっ、ハズキ君、よく判ったね」
「今そこでサキさんに聞きました」
ハズキ君も賢くなったなぁ。
ジジイの元から離して学校に通わせたのは正解だったね。
「力を示すのも大事な事じゃないのか?」
「このように、人類のトップの内の一人が言ってますけど?」
「そ、そりゃ競う相手が居ればそうでしょうよ! でも福田くんは相手なんか居ないでしょ!」
「ハズキ君、力を示すのは他の国相手だけ?」
「いや、国民にもだよ。武力で脅す訳じゃないけど、国が弱いと思われるのも問題だから」
「はい、と言う事は、俺も世界の人に使徒がなめられちゃいけないから、力を誇示しないといけないって事です」
「ぐぬぬ……」
うむ。正論だ。
いや、しかし正論で攻めても可哀相だ。
なんかで読んだ事があるけど「嫌われる人は正論しか言わない人」ってのがあった。
なので、最後は情に訴えよう。
「じゃあ最後の弁護人です」
「あっ、シロちゃん! ヤッホー!」
「やっほー」
「ナミちゃん、座って~。シロも座って~」
「「は~い」」
シロ登場です。
王族でもあり、従魔でもあります。
「シロ、タローやトムさんがね、従魔を呼ぶな使うなって言ってるんだ」
「えっ…………ダメなの?」
「うん、ダメなんだって……」
「えー、ヒドーい!」
「……シロ、会えなくなる?」
「このままだとそうなるなぁ」
あっ、シロが泣きそうだ。
ナミちゃんは怒りながら、シロを宥めてる。
「ちょ、ちょっと! 福田くん、それはズルい!!」
「いや、だって今までの話からすると、そうなるじゃん」
「シロは違うでしょ!」
「えっ? 各国の王からは恐れられてるよ? 『王城の守りとか意味ねぇ!』って言ってさ。
シロ、怖がられてるのはイヤ?」
「……皆が居ればそれだけでいい。…………でもダメなの?」
「どうなんだろうね? トムさん、タロー、どうなの? 答えてあげてよ」
「え、えっとね?」
「いや、あの、えっと……」
めっちゃ困ってるな。
「もう! 判った! 私達の負け! シロ、ウソだから! 呼んでもらっても問題無いから!!」
「……本当?」
「本当よ! ねっ、タロー?!」
「う、うむ! 本当だとも!」
「……良かった」
よしっ、解決!!
でも、傍から見ると、汚ねぇ!って感じがするな……。
少しは使うのを抑えてあげようかな。少し反省しよう。
今度、何か食べ物でも持って来るとするか。




