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人口の事

今回の話はコメディ要素が薄いです。

気になったので書いてみました。

今日はサミット。

そして相変わらず、俺の島で開催。


「……平和になったし、各国とも魔法で繋がったんだから、持ち回りでやれよ!」

「そんな些事はともかく、今回は真面目な話し合いなのだよ、福田君」

「些事なのかよ! そして今までは真面目じゃなかったのかよ!」

「そういう事ではない。深刻な問題なのだ」

「深刻?」

「それについて、俺が話そう」


そう言ったのはグランザムの皇帝。

いつになくマジな顔。あれっ? 本当にヤバい話?


「我が国、グランザムはどことも戦争をする事が無くなった。

 ダヒュテムもサイラスも、福田君のお蔭で安定し始めたからな」

「はあ。良い事じゃないですか」

「その事により問題が発生したのだ。いや、これから問題になると言うべきか」

「は? 何で問題?」

「人が減らない」

「……え~と、死なないって事だよね? 良いじゃないか」

「人が減らずに、尚且出産も増えている。そうなると将来どうなると思う?」

「人口が増える?」

「その通り」


当たり前じゃん。

何が悪いのか。


「人口が増えれば良い事ばかりでは無いぞ。

 まず食料が足りなくなる。未就業者が増える。土地が無くなる」

「俺は政治家じゃないので、理解出来ません。チョット待って!」


俺は慌ててヒヨを呼ぶ。

後、日本側代表(ラノベ知識要員とも言う)としてナグラさんも呼ぶ。


「もう一回、話して下さい」

「うむ。人口増加が問題になる。食料が足りなくなる。未就業者が増える。土地が無くなる」

「「なるほど(ニャ)」」

「もう理解した! すげぇ!」

「えっ? 分からないの?!」

「人口増加=問題、ってのが分からない」

「……えっとね。

 今までは戦争で人が定期的に減っていたの。それが無くなったから人が減らなくなった」

「うん」

「で、平和になったから、父親が居なくなる事も無くなったんで、子供も出来るようになった」

「うん。良い事ばかりじゃないか」

「そうすると人口が増えるよね。食料生産が100だとして、人口が110なら10足りなくなるでしょ」

「あっ、そうか!」

「で、今までは戦争する事で、相手からその10を取ってたの」

「うわっ、汚ねぇ!」

「いや、日本でも昔は同じ事だったからね?」


えっ? そうなの? 戦国時代? マジ?


「その10の不足が、今後人口が増える事で20になり100になる可能性があるって話」

「ヤバいじゃん」

「そうよ。ついでに言えば、今まで戦争に行ってた人は仕事が無くなる」

「そりゃそうか。でも何かの仕事を始めれば良いじゃん」

「素人が何の仕事しても上手くいかないでしょ。農家で力仕事くらいじゃない?」

「じゃあそれで」

「グランザムの領地が1000あるとして、現在農地が5だとしましょう。街や都市が5。

 990は開発出来るでしょう」

「良いじゃん、やれば」

「開発し終わったらどうするの?」

「へ?」

「人口は増え続ける、でも開発地は減っていくんだよ?」


むむっ! 確かに!


「戦争中なら開発地が無くなったら余所の土地を奪えるけど。

 それはダメなんでしょ? ほら、どうするの?」

「むむむ……」

「ちなみに土地の量は有限なので、大陸全てを奪ってもいつかは限界が来るわよ」

「なるほど! 大変だ!」


大問題じゃないか!


「ちなみにニャ。ある程度は解決出来るニャ」

「えっ?! ヒヨ、それは?!」

「冒険者ニャ」

「冒険者?」

「ダンジョンに食材を取りに行く、これで食料確保は出来るニャ。

 冒険者になる事で、それが仕事になるニャ。

 ダンジョンは基本的に地下になるので、土地問題も大丈夫ニャ。

 そして……失敗すれば死ぬので人口減らしにもなるニャ」

「なるほど! じゃあそれで!!」

「いやいや、限界があるニャ。強制で冒険者をさせる事も出来ないニャ」

「あぁ、そうか~。

 じゃあどうするんだよ」

「だから主人に相談なんだと思うニャ」

「俺?!」

「神ならどうにか出来るんじゃないのかニャ?」

「あ~、なるほど?」


そうか~、神様に相談案件か~。

…………めんどくせっ!


「ん~~~~。

 なにか具体例を出してくれない? そうじゃないと連絡しても話しようが無いんだよね。

 農地を増やせば良いの? それともダンジョンを作る?」

「それでも良いんニャけど、他にも問題は出てくるニャ」

「他の問題?」

「住む所、水、排水、ゴミ。人口が増える程こういう問題が出てくるニャ」


あ~、現代の日本もそうだよな。

中国は一人っ子政策とかしてたっけ。


「え~~~。じゃあどうするんだよ~」

「結局の所、人口増加を止めるしか無いニャ」

「それはちょっと……。ほら、子供が欲しい夫婦とか居ると思うしさぁ」

「じゃあ物理的に減らすかニャ?

 子供は7歳までは神の子だから神様に返して、年寄りは山に捨てて……」

「何時の時代だよっ! 最悪な未来じゃねぇか!」

「それがイヤならちゃんと考えるニャ」


マジかよ!

ん~、殺したり死なせたりするのはNG。

と言っても犯罪者は別。あれは殺しても良い。

日本じゃ刑罰が軽すぎる感じがあったからなぁ。

ある意味重い方が良いと思う。

自分が裁かれないからじゃないよ? 人を殺したら自分の命で償えって事。

殺人者にまで人権は必要無いと思ってる。殺人するような理性の無い者はモンスターと同じ。

おっと、こういうと従魔達が気分悪くするかな?

あぁ、勿論冤罪が無いようにしなきゃいけないけどね。

後、復讐って可能性もあるし。そういうのは配慮が必要。


おっと、考えがズレた。

人口問題ねぇ。

……はっきり言って、俺個人で解決する話じゃないな。

いや、だから神様に相談するんだけど。その為の草案作り……ってこれも個人でする事じゃないよな。

政治家って凄いな。こういうのを日夜考えてるんだろ?

ま、再選の事(もしくは金と権力)しか考えて無いのも沢山居そうだけど。


う~ん、やっぱり中国パターンで行こう。


「やっぱ、出産を制限するしか無いんじゃないかな?」

「どうするのだ?」

「出産したい人は、城に届け出る。許可が貰えたら、神社で神様に祈る。で産まれる」

「ふむ。娼館が喜びそうな仕組みだな」

「あっ、確かに!

 でもこれならレイプされても子供が出来ない」

「確かにそうだが、それも犯罪者が喜びそうだぞ」

「ん~、じゃあ双方の同意無くそういう事したら、男に神罰が下るってのは?」

「それでも良いが、美人局みたいなのは大丈夫か?」

「その時は同意してるようなものだから大丈夫じゃない?」

「ちょっと待って。脅されて同意した場合はどうするのよ?

 例えば同意しないと家族を殺すと言われたとか」

「そんなとこまで考えるの?!」

「アホな貴族なら言い出しそうでしょ」


さすがラノベに詳しいナグラさん。

ありそうなネタをブっこんでくるね。


「さすがにそこまでは分からないよ。その辺は各国の王様が考えて下さい」

「うむ。では処罰を発表しよう」

「発表ですか?」

「神罰の内容と、先程言ったような事をした時の処罰の発表だ」

「発表するとどうなります?」

「そういう事をしようと考えない程の処罰を発表する」

「あぁ。それをもって抑止力とするんですね?」

「そういう事だ。

 神罰は福田君が考えるとして、脅してやった場合はこちらで考えよう」

「死刑ですか?」

「いや、それでは優し過ぎる。ある意味死刑は楽なのだ。

 それよりも生きる事を後悔する程の責め苦の方が良い」

「例えば?」

「局部を切り落とした後、自殺出来ないようにして1ヶ月くらい見世物にするとか」


…………怖すぎです。残虐です。

ま、まぁ、国の決定だし、それに従おう。その方が犠牲者が出ないかもしれないし。


「犯罪の事ばかり考えても良いじゃろう」

「おっ、爺さん。何か?」

「福田君の言う方法だと、王族の後継問題が解決する」

「なるほど」

「えっ? どういう事?」

「結婚すれば子供が必ず出来る。と言う事は後継者が必ず出来る。

 ならば側室とか必要無くなる。好き者は困るじゃろうが。

 そうなれば、後継者を暗殺などと言う犯罪も減るじゃろ」

「男女まで決められるようにするのか? そこまでは出来るか分からないよ?」

「そこは大丈夫じゃ。男子が出来るまで続ければ良いだけじゃ」


そう言えばロッツギルは姫様しか見てないな。居ないのかな?

居ないとなると、やっぱりそういう問題があるのだろうか?


「ではそういう事でよろしいかな? よし。今日のサミットは終了じゃ」

「あ、終わりなのね」

「うむ。福田君は神様の説得をお願いしますぞ」

「……そうだった。え~と、誰か手伝ってくれないかな?」


一斉に目を逸らされた。

神に提案とか恐れ多いという事か。

いや、被害者は俺だけで良いとか考えてるんだろうな……。




ルシファーさんに相談した所、許可になったが。

ついでに「人口は調整されるよ」と言われた。

理由を聞いたら「病気で減る。医術が発達すれば駆逐されるけど、まだまだ時間がかかるし」との事。

確かに地球でもインフルエンザで戦争が終わる程の死者を出したなぁ。

その時はまた頼られそうだけど。

しかしそれよりも、最後に言われた「一つ貸しね~」ってのが怖い……。


今思ったが、俺には皆ムチャ振りしかしないのだろうか?

運が良いって何だろう?

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