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ヒヨの日常

誤字報告を頂きましたので、修正しました。

我輩はネコである。


名前はヒヨ………………



間違ったニャ! やり直すニャ!



我輩はクロヒョウである。


名前はヒヨ。



ふう、言えたニャ。


本来はダンジョンに生息するモンスターで、闇に姿を隠し突如襲いかかる凶暴な獣。

それが今では……神の眷属の神使。

簡単に言えば、福田さんの従魔ニャ。


今日は1日の過ごし方をレポートとして提出するようにナグラっちに言われたニャ。

爪で文字を書くのかと思ったら、カメラを渡されたのはビックリだったけど。

カメラの方が、爪で文字を書くよりも大変なんだけど……。

結果、しっぽで持つ事になって、こうやって撮影してるニャ。


さて、朝からちゃんと撮影しようかニャ。


まず朝。

福田さん所有の島にある家のベッドで目を覚ますニャ。

用が無い時は、こうやって島で過ごす事が多いニャ。


「おや、ヒヨ。起きたのかい。じゃあご飯を出そうかね」

「ありがとうニャ!」


下に降りると、こうやってすぐに管理人さんからご飯がもらえる。

料理の腕も良くて、毎日美味しいご飯が食べられる。

寝てるベッドも快適。まぁ、福田さんのベッドだけども。

とにかく良い環境なのです。


あ、でも、以前ナグラっちにもらった缶に入っているのは極上でした。

あれは滅多に食べられないんですよね~。


「今日もヒヨはかわいいね~」

「あ、ありがとうニャ……」


褒められているけど、これはあまり嬉しくないニャ。

だっていつまでも子供の姿なんだもん!

ヒヨはもう大人。元の姿になれば、体長は1m以上。立派なクロヒョウなのに!


原因はミミちゃん。

赤ん坊の時から一緒に居たんだけど、その時はまだヒヨも子供だった。

でも成長しちゃったんだけど、ミミちゃんに怖がられた。

それ以来「子猫の姿になってなさい!」と言われてる。

ミミちゃんに泣かれたくないので、それは良いんだけど。

クロヒョウですよ、クロヒョウ! ネコじゃないですよ!!


おっと、取り乱したニャ。

落ち着くニャ。


今日の予定は、午前中は島にあるダンジョンで食材収集。

ヒヨが元の姿になれる唯一の場所。

いざ、出発!!



そこにはカンダさんが来てました……。

大きくなれません。

いや! カンダさんなら問題無いはず!


「おっ、今日はヒヨが撮影の日か。頑張れよ~」

「はいニャ。ところで、大きくなっても良いですかニャ?」

「いや、俺は良いけどさぁ。撮影してるのに大きくなっても良いのか?」


はっ! 確かに!

しょうがないニャ。今日は食材収集は諦めます。


「カンダさんは何故ここに?」

「いや、ミミがな。果物が食べたいって言うからさぁ」


相変わらずの親バカですね。

貰ってる給料で好きなだけ買えるでしょうに。

自分で取ってきた物を食べさせたいんでしょうね。

でもそれだと冷えてませんけど。ま、それは言わないであげましょう。



さて、やる事がなくなりました。

予定には無いですが、地下に行きますか。


この家の地下にはスーパーコンピューターがあります。

さまざまな事を収集・分析したり制御している場所です。

一日に一度はここに行くようにしています。


何故って? 福田さんから軍師に任命されているからですよ。

本音は「運を使えば、軍師なんていらないでしょ!」なんですけど、言いません。

頼ってもらえないと、私の立場が“ミミちゃんのペット”になってしまいますから。


「こんちはニャ」

「おはようございます、ヒヨ様」

「どうですかニャ?」

「監視カメラの設置は98%完了しました。残り2%は沖合ですので、問題無いと思います」

「ふむふむ。各国の動向はどうなのかニャ?」

「ダヒュテムですが、未だに内乱が続いています」

「影響は?」

「特にはありません。各国の国境守備隊により抑えられています」

「サイラス国は?」

「ようやく纏まりだしていますね。女王が頑張っています。不穏分子もこないだの出撃で投降しました」

「こないだの出撃?」

「おや、ご存知ありませんでしたか。

 福田さんに女王から願い事が届きまして。一般人を守る為ならしょうがないと、出かけられました」

「乗り込まれたのですか?!」

「いえいえ。タロー殿を呼んで、王都の空を一周したようです。

 その時に大量に作ったビラをまかれました」


ふむ。第二次世界大戦の時のような事をしてますね。

きっとそれには不穏分子の事が書かれていたのでしょう。

「これらは犯罪者。見かけたら城に報告するように。

 隠蔽するようなら、ドラゴンの強さを知る事になるだろう」

みたいな事が書かれていたと推測します。


「しかし相変わらず、タローさんはよく使われていますね」

「分かりやすい恐怖の対象ですからね」


まぁドラゴンですからね。それだけで怖いでしょう。

誰もが畏怖の目で見る。と言っても私達従魔は哀れみの目で見ますけど(笑)


「では私はこれで。ニャ」

「はい。何かあれば、すぐに連絡いたします」


情報収集も終了。

さて、どうしようかな?


…………よし。昼寝しましょう。



って考えてたら、カンダさんに捕まりました。


「なんですかニャ?」

「果物を持って帰った時に、ヒヨも居ればミミも喜ぶだろうと思ってね」

「え~と、まだやる事が……」

「はははは、今、昼寝しようと言ってたじゃないか。

 うちでも昼寝は出来るぞ」


ちっ、声に出していましたか!

諦めてミミちゃんのお相手をしましょうか。




今日は大変でした。

ミミちゃんの相手をするのも大変でしたが、それ以上に邪魔者が来たので。

邪魔者とは福田さんの事じゃないですよ?

福田さんは神の使徒。カンダさんはその従者。ミミちゃんはその子供。

なので、ミミちゃんに近付き福田さんに取り入ろうとするアホがたまに居るのです。

なので護衛としていつもヒヨかガーかチョロが一緒に居るのです。

ヒヨの時に来なくても良いでしょうに!

子猫みたいだと侮ったのでしょうか? 従魔の事は知っているでしょうに。

アホには理解出来ないのでしょう。

そもそも福田さんに取り入る事が無理なんですけどね。


ええ、しっぽで引きずっていって、建物の陰でボコボコにしてやりましたよ。

ネコ爪は出さずに肉球パンチだったから優しいでしょ?(石のように固くしてあげましたけど)


……はっ! 自分でネコと言ってしまった!!



我輩はクロヒョウ!

名前はヒヨ!

クロヒョウですよ、クロヒョウ!!

読み切りのネタ募集中。

詳しくは活動報告をどうぞ。

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