定例会
「それでは定例会を始めますよ」
今日は四天王(福田クン命名)の定例会の日。
集まるのは私トム、タロー、ジロー、サキの4人。
この世界の死者と生まれてくる者の管理の話し合いなんだけど。
最近は管理の話が1割で、後はグチになるのよねぇ……。
「死者は年々減っていますね」
「俺の所もだ」
「私の所もね」
「逆に生まれてくる者は増えてるわね」
戦争が無くなったのが大きいわね。
これも全て、福田クンの力かな?
「やはり福田さんのお陰なのだろうか?」
「おや、タロー。不満なの?」
「うるさい、サキ! そこは不満じゃない!
不満と言うか不服なのは、福田さんのお陰って部分だ!」
「何が不服なのよ?」
「その福田さんの所業だ!」
そうなのよねぇ。
多分、一番福田クンの被害を受けてるのって、タローなのよねぇ。
「こないだなんか『飛べるようになったのか?』と突然言ってきたんだ。
勿論と言ったら、テストと称して、新大陸まで飛ぶハメになった!」
「飛べたんでしょ?」
「飛べたけど! 少し高度が下がったくらいで『もう疲れたの? 着水したら鱗取って海水塗るからね?』と脅されたんだ!」
「うわ~……」
「ジローだって何か言われただろ?!」
「ま、まあな」
あら、ジローも何かされたのかしら?
それにしてもタローとジローは仲良くなったわね。
やはり共通の敵(?)が出来ると、仲良くなるのかしらね?
「ミミちゃんが『牛に乗ってみたい!』と言い出したからとやってきて、俺をウエダさんの所に連れて行った」
「それくらいいいじゃないの」
「いやいや、四つん這いで牛のマネをさせられたのだぞ?! 屈辱だ!!」
「だって、見た目牛だし」
「そうだけど! だからって4時間もする事じゃないだろう!」
よ、4時間も……。それは苦痛だし屈辱だわ。
タロー以外の私達3人は牛と馬に似ているけど、一緒にされるのは屈辱なのよね。
人間を猿と同じと言うのと同じ。
「サキはどうなんだ?」
「私? 私はそんなに被害を受けてないわよ?」
「そうなのか? こないだ福田さんがユニコーンの話をしてたから何かあったと思ったのだが……」
「何その話?! 聞いてないわよ! 詳しく!」
「えっ?! そうなのか?!
え~と、確か『ユニコーンって乙女しか乗せないとか言われてるじゃん? 性癖悪いよね?』と。
これを各国の王に話していたぞ?」
「何それ?! 何それ?!」
うわ~~……。
性癖をバラされるとか最悪ね。
「ところで、それは本当なの?」
「トム! 失礼ね!! そんな事は無いわよ!!
だいたいなんでそんな話になったのよ?!」
「えっ? そもそも牛に乗る話の前は馬に乗りたいって話だったらしい。
でも馬は危ないからトムかサキが良いってなったみたいだぞ。
その時に福田さんが『トムは半分人間だからダメじゃね?』と言ったそうな。
じゃあサキに、ってなった時に『そう言えば……』と思い出して話したらしい。
それで『乙女厨』とか『ロリコン』とか『処女厨』とか言ったら、ウエダさんが『牛にしよう!』って……」
あっ、サキが悶だした。
怒りが頂点に達して声も出ないようね。
しかし、その流れで私もイジられるとは思ってなかったわ。
「トムはどうなのだ? 何か被害は受けてないのか?」
「被害を受けてる前提で話すのはどうかと思うけど……。
そうねぇ、最近は無いわね」
「そうなのか?」
「ええ」
「あっ、そう言えば……。いや、なんでもない」
「何よタロー? 気になるじゃない」
「……なんでもない」
「言いなさい!」
イヤな予感がするけど、聞かないのもモヤモヤするし。
「いや、乗せて飛んでる時にお前の話がちょこっと出てきたのを思い出しただけだ」
「ふ~ん、で、何を言ってたの?」
「……大した事じゃなかったよ?」
「なら話せるわね? 言・い・な・さ・い・!」
「……はい。
えっと、各国の王に『王子だからって調子こいた事してたら、トムさんのところに送るぞって脅しておいた』と。
『馬並のアレでアレされると思ったら悪い事しないだろ?』と。
俺が言ったんじゃないぞ?! 福田さんだからな?!」
人を罰ゲームみたいに!!
それに私にも好みがあるわよ!! 失礼な!!
「……本当にアレが神様の眷属で良いのかしら?」
「やりたい放題だしな……」
皆で一斉にため息をはいた。
その瞬間、悪寒が!!
「へ~、俺に不満なんだ?」
「ふ、福田さん?!」
「タローに用事があって来たんだけど、集まって俺の悪口大会とか」
「ち、違うんだ!!」
「いや、違わなくて良いよ。
ところで不満だったね。よし、解雇しよう! そうだ解雇してもらおうじゃないか!!
さあ皆、連名で嘆願書を書いて、閻魔様にでも送るんだ!!」
「無理ですって! そんな事!!」
「何でだよ! やってみないと分からないだろ?! 努力しろよ!
俺を解雇しろよ! お願いします!!」
……福田クンも色々抱えてるみたいね。
「解雇しろよ~~~~!!」




