ミッションコンプリート
本日5話目です。
「はい。能力が付いたでしょ? ステータス確認してみて」
二人は顔を見合わせ、それから慌ててステータスを確認した。
「3つも増えてます!」
「俺もだ……マジか…………」
えっ? マジか?
「え? 3つも? 1つって言ったはずなんだけど……? どうなってんの?
ちょっと内容を確認してみて!」
増えたのは、称号に『星が見守る男』、特殊能力に『調理(Lv.1)』、そして職種に『被害者』という3つだそうだ。
称号は星のせいだね。
職種は神の被害者だからだろう。
って事は、閻魔様が付けたのは『調理』か。
「納得したよ。多分今付けた能力は『調理(Lv.1)』だね。
他のは俺が保護した事で付いたんだろう。ビビったぜ。
詳細が出ないのは、多分だけど、この世界に今まで無かった物だからじゃないかな?
出るようにしてねって言っとくわ」
後で言っておこう。
あっ、城に行く手段を考えてなかった。
来る時はガーに乗ってたからねぇ。
どうしよう…………しょうがない。馬車ごと呼ぶか。
馬車に乗り換え(家から家に移動したような感覚だけど)、そのまま城に向かう。
その道中ではゲームをした。
楽しむとか暇つぶしでは無い。俺が『運』のチートを持ってる事を証明する為だ。
異世界なので『混沌』を使う。
そして『全勝したいな~』と願っておいた。
城に着くまでにトランプなど色々なゲームをしたが、全て圧勝。
いつものようにポーカーで、配られた時点でロイヤルストレートフラッシュとかも出しておいた。
さすがに信じてくれただろ。
城に到着すると、すぐに謁見。
と言ってもそんな偉そうなのじゃない。
客室で王様と宰相さんと会うだけ。
そこで身分の保証と保護を王様が約束した。
勿論口約束なんかではなく、ちゃんと書類になってた。
双方がサインして終了。
後はヒヨが担当している人達だけど……あっ、ヒヨが帰ってきた。
「どうだった?」
「納得してもらえましたにゃ。もうそこまで来てますにゃ」
「上手く話はまとまったか?」
「問題無いにゃ。知識チートの事も話しておいたにゃ」
「そうか。じゃあ、帰るか」
「うん? 福田殿。もう帰るのか?」
「ええ。用事は終わりましたので」
「そうか……また来てくれ」
「それは難しいですけど……まぁ異世界人も居るので来る事もあるかもしれません。
その時はまたよろしくお願いしますね」
「異世界の酒を持ってきてくれれば、な」
酒を飲むジェスチャーをする王様。
皆が呆れてますよ? 俺もするけど。
そしてお互いにニヤリとしてから帰還。
眼の前で転送だ。……これを見せれば信用されたんじゃね?!
帰還は予め受け取っていたボタンを押すだけ。
で、戻ってきたんだけど……目の前には閻魔様が。
「解決したか?」
「ええ。王様に身分の保証と保護を約束してもらいました。
後は本人達の自由です。それを蹴って王国を出るのも、保護状態で冒険者をするのも」
「そうだな。彼らの未来は彼らの物だ」
「あっ、そうそう。
今まで無かったステータスに表示されている物の詳細が出ないそうですよ。
直してあげてくださいね」
「うむ。了解した」
やれやれ、やっと長いミッションが終わったか。
迂闊に「暇だ」とか言うもんじゃないね。
運が作用して大変な事になる。
今度からは星も監視もあるんだもんな。自重しよう。
これって自重って言うのかな?
これで一応終了となります。
また何かのタイミングで始めるかもしれません。
ありがとうございました。




