拉致監禁
書けたので投稿します。
表計算ソフトを開く。
サイラス国のファイルを選んで展開。
上に掲載されてるのがサイラス国の全国民のようだ。
その数字には王族も含まれている。
その上、国に居ない人も含まれているらしい。
サイラス国に戸籍のある人は含まれているようだ。戸籍ってあるのか知らないけど。
えっと、この項目でマウスを右クリックした時のメニューを出したい。
……操作が判らない! マウスを下さい!!
本で調べると、どうやらShift+F10で出せるらしい。
良かった、出た出た。
おっ、期待通りの項目があるじゃないか!
良し。これを使って作戦を進めるとしよう。
「うん?! ここはどこだ?!」
「やっぱり解除すると早いなぁ」
「お前達は誰だ?!」
サイラス国の王は混乱している!
って、そりゃそうだろう。
表計算ソフトからコンテキストメニューを開いて「停止」を選んだんだから。
そしたら、全国民がストップした。
ストップと言っても死んだ訳じゃない。時間が止まった感じ。
これは姫様とメイドさんを使って実験したから間違い無い。
ストップさせてから台車に乗せて運び元に戻すと、瞬間移動したように感じたそうだ。
ちなみに、火を使ってたりしたら危ないよな~と思って、そっちも実験した。
メイドさんに火を起こしてもらい、それを監視してもらったのだ。
その途中でストップさせたら、火も止まった。関連している物は一緒に止まるらしい。
止まってる火って、手で触れるんだよね。折る事も出来た。面白いです。
つまり、国中の時間を止めて、その間にタローに手伝ってもらって王族だけ運んできたんだよ。
これならドラゴンの姿を見られる事も無いし、逃げられる事も無い。
こっちの城で話せるから、安全だし。あっ、武器とかは身体検査して没収してるよ。
「むっ! お前はグランザムの帝王! 貴様、何をした?!」
「なぁ、もう俺は帰っても良いだろ?」
「何者だ?! ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ!!」
タローが会話(?)に入ってきたから、見てビビってるじゃないか。
それにまだ帰って良い訳ないだろ? 送り返す仕事が残ってるんだから。
でも、ビビらすのは良いな。皆も呼ぼうか。
ついでだから、従魔を全員呼ぼうか。勢揃いってなかなか無いからね。
「な、何故ドラゴンが……」
「こっちにはミノタウロスも居るぞ?!」
「うわぁ! ユニコーンだーーーー!!」
「ファ、ファントム……」
「ア、アリが沢山……?! ここは地獄?!」
王だけじゃなく、王族全員が混乱してるねぇ。
子供は泣きまくってる。
さぁさぁ、グランザム王よ、説明してあげなさい。
「全員聞け! 今回、お前達のやっている事がとうとう神の目に触れた!
国ごと消滅する所を、こちらにおられる使徒様が止めてくださったのだ!
周りに居るモンスターは使徒様の従魔である! 使徒様に逆らえばすぐにでも襲い掛かってくるだろう!」
いや、サキよ。そういう目で俺を見るんじゃない。
そういう体だから。襲えって命令なんかしないから。
タローを見ろよ。落ち着いてるじゃないか……いや遠い目をしてるな。達観してるのか?
ええっと、俺の横に来たシロを見ろよ。落ち着いて……コラッ! 頷いてるんじゃない!
すぐにでも殺すとか物騒な事をつぶやくな!
「お前達は10日間ここで過ごしてもらう!
その間に使徒様の事や神様の事を勉強してもらう!
逆らう者には死だ。いや、死どころではない。存在自体が消滅する! 気をつけろ!」
そのままグランザムの兵によって、別々の部屋に軟禁されるサイラス王族。
これが今回のプランだ。
1.王族だけを攫ってくる。
2.神の恐怖を植え付ける。
何故10日間かと言うと、その間にあの姫様がサイラス国を収めるから。
王族の代わりにサイラス国に置いてきたんだよ。
頑張って収めてもらおう。
ちなみに、ここに居ないトムさんとレイは姫様の護衛。
多分軍部とか貴族とか暗殺者が襲ってくるだろうから。
10日後には軍部が壊滅とかになってない事を祈る。
貴族は壊滅しても良し。ラノベでは碌なモノじゃないから(偏見)。
3.10日後、新しい王が誕生する。
4.王族は返すが、裁きは姫様に任せる。
トップにはしてあげるから、後は自分で何とかしなさいって事。
その間はトムさんは帰れない。言ってないが正義感が強いトムさんだ。頑張って護衛するだろう。
……帰ってきたら怒られそうな気がする。その時はクリュー大陸にでも逃げよう。
サイラス国の王族にとって、地獄のような10日間は終了した。
朝から夕方まで、個別に神の凄さ怖さを永遠に聞かされるのだ。正に苦行。
部屋には従魔が必ず居るし。かなりの恐怖だろうね。
俺? 俺は島でゴロゴロしてたよ? ナグラさんが持ってたラノベ読んだりしてました。
ラノベに出てくる神様って、失敗して1人死んだだけで謝るんだぜ? 驚きだよな。
遊びに来てたルシファーさんが、プロローグ読んだだけで爆笑するくらい。
聞けば、
「これ、最初から利用するつもりで殺してるよ。失敗しないし、したとしても謝る訳ないじゃん」との事。
……怖い話だ。利用する為に殺してるのか。裏でほくそ笑みながら謝る。
その上、チートを与えて謝罪のフリ。で、異世界に送り出して利用する……。
ラノベが楽しく読めなくなるので、それ以上聞くのは止めた。
さ、送り返そうか。
次話は今週末か来週初めになる予定です。