疑いの電話
本日3話目です。ご注意ください。
「心配しなくても、王様とは一昼夜話しをしたから。
ちゃんと向こうも納得してるから。一応王都に行って顔見せだけはしておいてね。
偽物が身分証を持ってきても困るからさ」
「本当に大丈夫か?」
「ああ! 自信を持って言えるね!
なんなら、ドラゴンの鱗を賭けても良い! ウソだったら剥いで持ってくるから!」
「……判った。信用しよう」
「ふう。良かった。肩の荷が下りたよ」
「俺の問題は?!」
「おっと、そうだった。ははは、忘れてないよ?」
やだなぁ、冗談だって。
そんなジト目で見ないでくれよ。
「彼らはね、チートがあるから自由に生活出来る。
冒険するも良し、城に仕えるも良し、商売するも良し。
身分は国に保証されているし、貴族扱いだから無碍にされる事も無い。
ただ、君はねぇ……。能力は多いけど、どれもチートじゃ無いんだよなぁ……。
どうしよう? どうしたい?」
「いや、考えてくださいよ! じゃ、じゃあ、俺にもチートください」
「ゴメン。俺、能力を与える権限を持ってないわ」
「え~……。じゃあ…………お金を貰うかな?」
「それでも良いけどさ、チートも無いのに大金持ってたら狙われるぜ? 大丈夫?」
金持ちのザコなんか、狙われるに決まってるよ?
攻撃の当たりやすいメタルスラ○ムのようなものだ。
ウハウハだぜ!
「う~ん、う~ん…………じゃあ、今持ってる能力のレベルを上げてもらう事って出来ますか?」
「どうだろ? どれか一つくらいなら可能かもしれないけど、全部は無理だと思う」
「そうですか……」
「どうしたものかなぁ…………あっ、ちょっと待って。星から連絡が来た」
突然スマホが鳴るからボックリしたわ。
画面見れば『星』って書いてあるし。
名前書けよ! って登録した覚えは無いんだけど……。
「もしもし?」
『おおっ! 本当に繋がった!』
「あれ? 誰に聞きました?」
『ルシファー様に聞いた』
勝手に情報を流さないで欲しい。
後日俺から連絡しようと思ってたんだけどな。
『困っているようだね?』
「へ?」
『困ってるようだね?』
「……見てました?」
『見ていなくても判るのだよ』
「そうなんですか。まぁ、困ってますけど」
『私が助けよう』
「……えっ? マジで? それって良いのか?」
『あぁ。構わない。この世界、そして私を作った神の不手際だ。
私が手助けするのも当然だろう?』
「……そう言われればそうかな?」
『そうなのだ。決してヒマだから、とか、見守ってると面白そうだから、とか、会話相手が欲しい、とかではない』
「……判った、ありがとう。じゃ~ね」
ヒマなんだな……。
星って基本的にはヒマなのだろう。
前回で懲りたから、速攻で電話を切ったけど。
「何か驚いてましたけど、どうしました?」
「いや~、ビックリしたよ。星が見守ってあげるってさ」
「へ?」
不思議な顔をされた。
俺でも言ってる事は変だと思うよ?!
「まず、先に言っておく!
頭がおかしい訳じゃないからな! 残念な目に見ないように!!」
「はぁ……」
「頼むぞ、絶対だぞ! 泣くからな!」
「大丈夫ですから、話してください」
「よし。では話そう。
実はさ、動物と同じように、星も生きてるんだよ……はい! 何言ってんだっていうその目を止めろ!」
「だ、だって……」
「俺も最初はそう思ったさ! でも神様が言うんだもん! 信じるしかないでしょうよ!
しかも俺の携帯電話に電話してくるんだぜ! どうしようもないだろ!」
「わ、判りましたから、そんなに迫ってこないでください!」
「とにかく、星にも意識があると思ってくれ。
で、今居るこの星にも当然意識がある。それが今の電話の相手だ」
やっぱり納得出来ないって顔された。
くそぅ、本当に泣くかな。




