会議か、これ?
「何で俺んちで会議なんですか?」
「面倒が無いようにな」
「こっちは面倒なんですけど?! お茶を用意したり、部屋を準備したり!」
「そういう面倒ではない。ま、気にするな!」
「違う……? えっ? えっ?」
「とにかく! 会議を始める!」
流された!
こりゃ何か隠してる事があるな? 言質を取られないように注意しておこう。
「さて、福田君」
「いきなり何でしょう?」
「テストケースで面倒事が起きた。対処は君に任せる」
「うぉい! マジかよ! ここに居る全員、何やってたんだよ!!」
「「「油断していた!」」」
「断言しやがった! いっそ清々しいわ!」
「で、君に頼む」
「……待て待て。それはおかしいだろ。自分達でどうにかしろよ」
「神に騙されたと知ってる人間の前に出てくる神と普通の人間、どっちが信用出来る?」
「どっちも信用出来ない!」
「ウソだね! 人間の方が信用出来ると思ったね! 神を騙せると思うなよ!」
確かにそう思ったが、そんなの言う訳無いだろ!
そもそも、偉そうに喋んな。ミスしたくせに。
「じゃあ人間の方が信用出来るとしようか。
でも、初対面の人間も信用出来ないだろ。そこはどうするんだ?」
「ん? 細かい事は君に丸投げさ。どうにかしてくれ」
「無茶振りすぎる!」
「一応、大体の事は出来るようにするから。頼んだぞ。
じゃあ、会議を続けよう」
「コラコラ! 問題は解決したみたいに、話を進めるな!
詳細を教えろよ!」
「詳しくはコチラの資料を見るように。方向性が決まったら教えてくれ」
ヒデぇ話だ。
……もしかして、この先も俺は神のフォローをし続けるのだろうか?
何とか断る方法を模索しておこう。
とにかく資料を確認してみよう。
俺の脳だけでは解決しないだろうから、皆を呼ぶ。
と思ったら、ヒヨ以外は出掛けてた。
神が来ると判ったから避難したらしい。皆薄情だ……。
ヒヨだけが救いだよ~と思ったら、たまたまトイレに帰ってただけらしい。
ヒヨとしては運が悪いが、俺としては助かった。あっ、運が作用しただけか?
ヒヨと共に資料を確認。
えっと、掻い摘んで説明すると、
最初は了承を得て、ちゃんと送ってたらしい。
だが、送った人間は了承するくらいだから、異世界を謳歌したらしい。
つまりははっちゃけたって事だ。その結果、戦闘で死亡。
次の人も同じ。それを5回も繰り返したらしい。
それじゃダメだ、自分の能力を疑われると焦り、了承を得ずに送り込み始めた。
結果、死なないが姿が見えなくなる事が多発。
焦った神は考えた。最初からチートを与えるから逃げるんだ、と。
そして、条件をクリアすればチートが増えるようにして送り込んだ。
この後、少ししてから全ての事実が発覚。その神は逮捕。
聴取して、この報告書が完成。
ちなみにお互いに監視し合うようにと付いてた神は、彼女が出来て浮かれていて監視を怠ってたそうな。
……ダメな神しかいないのか?
アサイさんがまともに思えてくるな。
いや、あの人が同じ仕事してたらもっとヒドい事になってそうだ。
で、俺の仕事だけど。
どうやら、異世界に送り込まれた人達を助ける事らしい。
日本に送り返すのは魂の関係でNG。
その世界で生きてもらうしか無いようだ。
え? コレを解決? 無理じゃね?
「ヒヨ、どうしたら良いと思う?」
「う~ん、主がどこまでの権限を持ってるかによるかな。あっ、よるかにゃ」
「……語尾を言い直さなくて良いよ?」
「苦労して言わないように直したけど、無くなったら寂しくなったにゃ」
「……そんなものかね? で、権限だけど、何してもOKらしいよ」
「ならいくらでも方法はあるにゃ。簡単なのは、痛みも感じる間もなく同時に全員瞬殺する事にゃ」
「黒い! それは無し!」
「じゃあ、主と同じ方向で行けば良いんじゃないかにゃ?」
「俺と? どういう事?」
「住んでいる場所の最高権力者と仲良しになれば良いにゃ。それが簡単な安全策にゃ」
あ~、俺が世界最強になるには?と考えた時のか。
確かに王と仲良しなら、貴族に絡まれる事は無くなると考えたわ。
よし、そのプランで行こう。
「支持する権力者を増やせば、それだけ安全になるにゃ」
「王以外にか? 居るか、そんなの?」
「人間じゃなければ居るにゃ」
そう言って資料を見せてくれた。
そこにはその星の事が書かれていた。
ほう、魔法を使うには精霊の協力が必要なのか。
つまり、その精霊も味方にしてしまえ、と。
「ふむふむ。それで行こう」
「後は主が、その星に頼めば完璧にゃ」
あぁ、星ね。そう言えば話せたな……。
スフィアと話した時は、よほどヒマだったのか5時間位通話したけど。
……あれは苦行だった。
またやるのか……静かな星なら良いなぁ。
この話は『お願いですから、テンプレイベントを下さい!』と繋がってます。
そちらを読まなくても大丈夫ですが、読まれていると1.5倍は楽しめます(多分)。
良ければ御一読ください(CM)。




