表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/83

またまた閻魔様

貴族問題は終了した。

と言っても、どんな問題行動をしていたかよく知らないんだけど。

まぁ、コンピューターが問題アリとしたのだから、問題だったのだろう。

顛末はアンドロイドが国に報告するらしい。

俺が行くのが本当だと思うんだけど、そんな事よりも閻魔様の方が大事と言われた。

いや、個人的には閻魔様の方は後回しでも良いと思う。

だってさ、絶対にまた無理難題を言ってくるんだもん。

どうしよう、アサイさんを教育しろ!とかだったら。絶対に無理だ。


皆は王都の家へ、俺だけはトムさんの所に移動させられた。

ミミちゃんも来たがっていたが、多分難しい話だよと言ったら頑張ってねと言われた。

納得してくれたのは良いが、子供に心配されるってのは悲しい……。


「トムさーん、来ましたよー」

「いらっしゃい」

「で、何の話か知ってる?」

「いえ、全然。面倒なんだろうな~とは思うけど」

「やっぱり面倒なのか……。そんな話し合いにトムさんも参加とか、なんか申し訳ないな」

「まぁねぇ……あれっ? 私も参加するなんて聞いてないんですけど?!」

「一緒に頑張ろうな!」

「あっ! 参加させる気ね! 私は参加しないわよ!!」

「頑張ろう! エイエイオー!」

「参加しないったら!!」


トムさんと言い合いしてたら、閻魔様が直接トムさんの家に来た。

諦めろ、トムさん。まさかの本人登場だ。

ん? 閻魔様だけじゃないな。仏様と、他にも知らない神様が何人か。

うわ~、メチャクチャ嫌な予感がする。


「これより会議を始める」

「いやいやいやいや、閻魔様。会議って何ですか。

 俺、閻魔様が呼んでるって言われただけなんですよ?」

「聞かされていないのか?」

「ええ、何一つ」

「異世界人誘拐事案についての会議だ。

 福田君は既に2回も関わっているので、参考人として呼んだのだよ」


うわ~。

コンピューターめ、知ってて言わなかったな?

こんなのって聞いてたら参加しなかったよ。


そんなの神様だけで決めてくださいよ。

俺を巻き込まないで!!


「ついでに言えば、福田君には取り締まりもやってもらいたいんでな」

「はぁ?! 俺がですか?! 神様同士でやってくださいよ!!」

「世界に簡単に降りる訳にはいかないのだ」

「俺が簡単に異世界に行くのも問題でしょ!」

「「「神が行くよりマシ!」」」


神様が声を揃えて言う事ではない。


「つまり、神の事は神がするので、人間の事は人間がしろ、と?」

「そういう事だ」

「その世界の人に任せたら良いじゃないですか」

「君の言う『チート』も持っている人間を、その世界の人間が捕まえられるとでも?」


ぐっ、確かにラノベでは不可能かも。

でも、それでは俺はどうなのよ。


「俺なら捕まえられるんですか?」

「幸い、運が高いなんてチートを貰った者は今までに居なかった。

 大概が分かりやすい、全魔法使えるとか何かに特化してるとかだったな」

「運が特化してるってのは?」

「居なかった。やはり誰もがその時になると、自分の世界に無い物を使えるようになりたい感じだった。

 『全属性の魔法を使えるようになりたい』『武力・防御力に特化したい』『魅了が欲しい』、この4つが多かったな」


まぁ、魔法は憧れるよね。

ドラゴンでも倒せるような武力も魅力的だ。

逆に防御力が高ければ死なないので、チクチクと攻撃すればこちらもドラゴンが倒せるだろう。

で、魅了。好きになってもらえれば、喧嘩を売られる事も無いから安全と言えるけど……。

絶対にハーレムを作ろうとしてるな!

そんなのと出会ったら……フルボッコで捕獲してやる!


「まぁ、そんなにポンポンと誘拐なんぞ無いから安心したまえ。

 万が一の話だよ、万が一の、な」

「はぁ……判りましたよ。どうせ納得するまで終わらないんですよね?」

「承諾ありがとう」

「承諾と言うか、脅迫と言うか。まぁ、良いですよ。

 で、異世界人誘拐事案についての会議ってなんです? 今のを決めただけ?」

「違うぞ? これから会議を始めるのだ。

 おっとその前に、福田君には紹介したい者が居る。こいつだ」

「始めまして。フォルトゥーナと言います。よろしくね」


おっと女神様の登場だ。

今までの神とは違い、背中に羽を生やしている。


「彼女はな、運命の神なのだよ」

「えっ? でも後ろ髪ありますよ?」

「あ~、福田君もそれを言うか~」

「嫌ですよ! 女神ですよ?! ハゲで、なおかつ前髪だけあるなんて!

 考えたヤツは万死に値しますね! 不幸にしてやる!!」

「いや、もう死んでるし」

「未来永劫不幸になれ!!」


上手い事例えたな~と思ってたんだけど。

確かに女神だとするなら、嫌な話だ。

というか、男でも嫌だ。

しかし、運命の神に未来永劫呪われたぞ。輪廻にしても付いてくる呪いだろうなぁ。

可哀想だ。ナムナム。


「全く……。女なんですからそこをちゃんと考えてもらいたいです」


そう言いながら、フォルトゥーナ神は上着と共に背中の羽を脱いだ。

外行きの服装かよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ