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言い間違い

結果、弥七の俺は一人でクリュー大陸に行く。

よく考えれば、カンキジコンビって護衛だよな~。

俺一人で来るのは問題無いんだろうか、仕事的に。

ま、雇い主である俺が良いんだから良いんだけど。


移動方法はやはり『コネクト』。

各国の城に貼ってあるんだよね。

そこからは、一人なので馬で移動。

ジャンケンで勝ったショスコムに乗り込み、トップスピードで向かってもらった。

馬二頭がどうやってジャンケンをしたのかが、興味深い。


移動する事半日で、目的の領地に到着した。

新幹線並みの速度だったんじゃね?

人に被害を出さないように、森とか山とか走ってたけど、それでもこの速度。

お前ら、どんな改造されたんだよ。009か?


さて、貴族だか領主だかの不正を暴くんだったな。

やっぱりここは聞き込みか?

いや、弥七なら天井裏からこっそり盗み聞き?

そんな事を考えてたらコンピューターの声が。


『神社へ行ってください』

「指示出すのかよ!」

『繰り返します。神社へ行ってください。オーバー』

「無線かよ!」


行動まで指示するなら、さっさと解決でも良いじゃないか。

と思いつつも、神社へ行く。




……う~ん、何だろう。

この凄い違和感。

何がって、まず鳥居がピンク。

せめて朱色にして欲しかった。

そして左右の狛犬。これはちゃんと犬(?)なのだが……。


間違い探しなの?!

俺の神社は日本と同じで鳥居は朱色って言うか赤色なんだよ。

で、狛犬は何故かリーとチェン、つまりカエルなんだよね。

なんかちょこちょこと間違いがあるんだよな。

そう、外人が日本の神社を知ったかぶって話した内容みたいな。


ちなみに、神社の屋根の左右には鳥が付いてるが、本当はチョロなんですよ。

……よく考えたらこっちの神社の方が合ってないか?

俺の神社の方がパチモンっぽいわ。

ほ、仏様も何も言わないからセーフだよね?


しかし、何でこんな作りなんだろうか?

クリュー大陸にある他の神社は統一されてるのになぁ。


『領主が作らせた偽物だからですよ』

「うぉぃ! コンピューター! それ答え!」

『そうですよ?』

「それを調べるのが俺の仕事じゃないのかよ?!」

『調べても簡単には判明しないので、時間の都合で』

「時間て! 何の時間だよ!」

『放送時間の』

「放送?! 本当に1時間で解決させるつもりか?!」

『CMもありますので、正確には50分ですね』

「CM?!」

『冗談です。本当は閻魔様より連絡が来ております。

 こちらの方が重要なので、早く解決して戻って頂こうと思いまして』

「だったら冗談とか言ってないで、さっさと解決させろよ!」

『判っています。今、皆様をお送り致します』

「送る? お前、転移とか使えたっけ?」

『福田様の能力をお借りするだけですけど』


俺の能力で転移?

『コネクト』を使うのか?

じゃあ門のシールのある所まで移動しなきゃ。


町の外の林の中で待機してるショスコムの元に移動しようとしたが。


『何処へ?』

「いや、ショスコムの所にだけど?」

『その場に行きますよ?』

「はぁ? ここに門のシールは無いぞ?」

『……使われないから不思議に思っていたのですが、もしかして忘れていますか?』

「何を?」

『神様から転移の能力を貰った事です』


……………………………………………………は?

転移の能力?

そんなの貰った覚えは…………ある。


うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

俺の今までは一体!!

アホか! 俺、アホか! もう一度言おう、アホか!

AHOか!!

膝を付いて崩れ落ちた時に、皆が転移してやってきた。


「……何してるの?」

「……自分の愚かさに嘆いていた所だよ」

「……深くは聞かないわ。で、ヌルに移動させられたけど、どうするの?」

「今、俺は思考が止まっているから、直接聞いてくれ」

『皆を領主の館に転移させます。解決してください』

「えっ? もう情報収集したの?! 運を使った?」

『いえ、事案が発生したので、ここは早く解決してもらいたいので』

「これも事案だと思いますけど。まぁ、早く解決するのは悪い事ではありませんね」


そのまま落ち込んだ俺を含めて皆で領主の館へ。

いきなり領主の眼の前に出現。

これには俺たちも領主も驚いた。


「な、何者だ!」

『ミミ様、私の言う事をそのまま言ってください』

「いいよー!」

『私達は神様の眷属である福田様の使いである!』

「わたしはー、え~と、哲司お兄ちゃんの使いなの!」

『……ナグラ様、お願い出来ますか?』

「あ~、はいはい。

 つまり! 神様の眷属である福田様からの使命を帯びてやってきた!

 心当たりがあるだろう! 神妙に爆煮付け!」

『……キジマ様、お願い出来ますか?』

「間違っては無いと思いますが?」

『言っているニュアンスが違います。「爆煮付け」って何ですかって思われますので』

「判りました。おとなしく捕まりなさい!」

『(最初からキジマ様に頼めば良かったですね……)』


「さっきから、何を言ってるんだ、お前たちは!」

「貴方の悪行は、全て神様はお見通しなのですよ。

 魂ごと消滅されたくなければ、投降しなさい」


それを聞いた領主は青い顔になった。

そして「不法侵入だ! 誰か!」と暴れるパターンを選択した。


現れたのは、明らかにゴロツキって感じの護衛(私兵?)。

まぁ、カンキジコンビやコタニさんとナグラさんに勝てる訳もなく。

領主は諦めきれずにミミちゃんを狙う。

それはミミちゃんの後ろで、未だに嘆いている俺のフードの中に居たチョロに阻まれた。


最後に、コンピューターに指示されたミミちゃんが一言言って終了。


「うむー! 一端落着!」


一端じゃダメだと思うよ。

変換ミスではありません。

×『爆煮付け』 ○『縛につけ』

×『一端落着』 ○『一件落着』

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