豪華すぎる
善は急げ(?)って事で、早速全員集合!
「やっぱりミミちゃんも来るのね……」
「はい! 行くよ~!」
「福田さん、やっぱり留守番させましょうか?」
「いや、良いよキジマさん。ミミちゃんの分もあるしさ」
「そうですか?」
まあしょうがないさ。
一人留守番させるより良いだろ。
と言っても、ヒタキさんとかメイドさんが居るけどさ。
全員で変身ベルトを装着する。
変身ベルトって言うと、仮面のライダーを想像してしまうな。
あんなに大きくなく、普通の革ベルトにしか見えないけど。
バックル部分に魔力を流すと、全員が変装した。
ん? 変身したか? 同じに見えるけど。
「福田さん、福田さん。これ、同じ物を装備している人は誤魔化せないって書いてあるよ」
「あ~、だから同じに見えるのか。
まぁ、変わられると、とっさの時に判別出来ないかもしれないからありがたいのかも」
「でもどうなってるか見たいよね?」
「確かに」
って事で、ナグラさんはベルトを外した。
「カンダさんは髪と目の色が変わってる。で、ちょっと太めになってるわ。
キジマさんはそのまま若くした感じかな? 15歳くらいに見えるわ。
コタニさんは逆に年をとった感じ。40代かなぁ。
ミミちゃんは……男の子になってる!」
「へ~、そういう風に変わるんだ。
で、俺は?」
「福田さんはね……プププ……金髪になってる!」
「笑うなよ!」
「だって……年取ってからヤンキーに目覚めたみたいで……ププ…………」
顔が日本人なんだから、金髪にしたらそういう風になるのはしょうがないだろ!
くそぅ、変身が選べないのが悲しい。
俺がガッカリしてる間に、今度はコタニさんが外してナグラさんを見てた。
「ナグラさんも金髪になってるっスよ」
「えっ?! マジで?!」
「マジっス」
マジ?! 見よ見よ。
本当だ! 金髪で青い目になってる!
「人の事言えないじゃないか。
金髪のロンゲで、カラコン入れてるケバいねーちゃんにしか見えないぞ?」
「うっさい! 誰がケバいねーちゃんだ!」
「これ、日本人は同じになる仕様なのかな?」
「だとしたら欠陥品よ!」
「でもお二人とも、分かりにくくなってるっスよ?
少なくとも関わり合いの少ない人なら気づかないと思うっス」
そうなのか。ならOKか?
他の日本人に会う事は無いしな。諦めよう。
「じゃあまずはウエダさんの所に行こうか」
「ナミちゃん、居るかな~?」
「どうだろうね?」
ミミちゃんが一番懐いてるのがナミちゃんだからなぁ。会いたいんだろう。
「こんちは~」
「いらっしゃい! って師匠かよ」
「何ですぐに判るんだよ! 姿が違うだろ!」
「いや、声は変わってねぇし」
「あっ、なるほど。声ね」
それは盲点だった。知り合いなら気づいても不思議じゃないな。
「そもそもさ、門を使って来るのって師匠しかいねぇし」
確かに!
「多分、サガワさんとかヒタキさんとかタルーンさんは、すぐに気づくと思うぜ?」
「ま、関わりも深いしね。一般人にバレなきゃ良しとするわ」
「あ~、確かにそれなら気づかないだろうな」
「ところで、今、何してんの?」
「新商品が入荷したんでチェックしてんのさ」
「新商品?」
「あっ! 私の所のヤツね」
「えっ? ナグラさんの所の? 何コレ?」
「ホウズキさんと共同開発した魔法道具よ!」
そんな事してたのか。
BL本なんか出さずに、コッチに専念した方が良いんじゃないの?
「どんな魔法道具っスか?」
「アニメよ」
アニメ?!
「原作はオルガ連邦のメイスさんが! 絵コンテは私の会社が!
魔法はホウズキさんとノートルダム王が! 魔法道具はコルラド国のモリタ君の部下!」
「何その無駄に豪華なメンバーは!」
オルガ連邦の主席、ノートルダムの王、コルラド国の王子?!
それだけのメンバーを集めればそりゃ作れるだろうな。
だが、技術の無駄遣い感が相当だぞ。
「まぁ、パラパラマンガの延長なんだけどね」
見せてもらったが、ディスクに絵が書いてありそれが回る事で動いているように見える、という物。
しかし凝った作りになっていて、音声まで入っている。
こちらはレコードのようになっているらしい。
それにしても、聞いた事のある声だな。
「そうそう、声優はハズキ君とヒムカ君なのよ」
ニーベル国の王の孫とギラアンス島の第二王子だと?!
無駄だ。非常に無駄な豪華さだ。
「これを3000円で売るの。ディスクは1枚1000円ね」
「安っ!!」
「薄利多売よ! 革命を起こすのよ! これで勝てる!」
何に勝つつもりなんでしょうか?




