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武闘会?

とうとう戦争という名の武闘会の日になった。

こちらのメンバーは準備万端だ。

というか、やる気に満ち溢れている。

えっと、馬で言ったら「イレ込み」状態?

落ち着け、おまえら!


「はい、皆さん。移動しますよ~」

「アサイさんが案内するのね?」

「そうですよ。今日は休みなのにね!」

「そう言う割には準備万端に見えるけど? 旗まで持ってさ。

 ツアーコンダクターか!ってツッコミたくなるくらいにさ。いや、ツッコまないけどね」

「そこはツッコミでしょう! スルーはダメです!」

「どこから転移するの?」

「完全スルー?! ……えっと、貴方の島からです」

「じゃあ、ここじゃないか。ではよろしく」

「冷静なツッコミ! そしてスルー! ヒドい!

 判りましたよ。送りますよ。だから笑顔で近づいて来ないでください。怖いです」


どうやら、地面に書いてある円の中に居ると転移するようだ。

しかし、こういう場合だと魔法陣じゃないのか?

この円も近くに落ちてた木の棒で書いてたし。手抜きだな。


「はい、皆さん、注目!

 これから転移します。会場の物置に着くので、静かにお願いしますね」

「何で物置?」

「そこしかバレない場所が無かったので」


なるほど。納得な理由だ。

どう見ても武闘会だけど、国からすれば戦争だ。乱入する事がバレたら大問題だもんね。



到着した物置は、ホコリが凄かった。

外からは凄い歓声が聞こえてくるのだが、それが振動となってホコリを舞わせるし。

始まるまで待機する予定だったけど、我慢出来ないわ。


俺達は、さっさと会場に向かった。

途中でどちらかの国の兵士に出会ったが、団長と国王が無力化しながら進んでいく。

なんだろう、凄~く俺達が悪人に見える。

あっ、不法侵入だから悪人か。間違ってなかったわ。


そのまま走り続け武闘会会場に到着すると、10人の兵士?が待っていた。


「不法侵入者共、待っていたぞ」

「肩慣らしには丁度良いかな?」

「さっさと捕まえて、戦争を始めるぞ」


各々がなんか言ってるけど、同時に喋るから聞きづらいんだよな。

内容からすると、この人達が武闘会出場者っぽい。あっ、勇者発見。やっぱりそうか。

やる気マンマンだなぁ。


さてどうしようかと考えてたら、団長が一歩前に出た。


「この程度の者達なら私一人で十分です。福田さん達は下がっていて下さい」

「おいおい、ムカイ君よ。一人で楽しむのはズルいぞ。私も参加しようじゃないか」

「そうですのぉ、ワシもそろそろ実験、いや実践したいしのぉ」


国王は相変わらず戦闘バカだなぁ。

そしてホウズキさん、実験は止めて下さい。可哀想です。


姫も行きたそうにしてる。

ホウズキさんに聞いてみたら、相手側に女性が2人居るのでアレの相手をさせれば良いって。

それ、大丈夫ですか? あっ、こら、まだ会話中だ! 行くなよ!


あ~あ、始まっちゃったよ。

どうすんだよ、予定が狂ったじゃないか。

皆、判ってる? 今戦ってるのは武闘会で戦う相手ですよ?

ここで倒したらそれで終了ですよ? 後から強い人なんか出てきませんよ?


俺は止めに行きたいけど、それが出来ない。

何故か? 戦闘が始まった時点で逃げようとしてたアサイさんを捕まえてるから。

あっ、こら! 全員行くなよ!



え~と、これから対戦するであろう相手が全滅した……。

死んだりしてないけど、そこそこの怪我をしてる。


「さ、邪魔者はいなくなった。武闘会を始めようじゃないか。

 それで、福田君。対戦相手はどこかな?」

「あんた達が倒した相手が対戦相手だよ!」

「は? あの程度の訳無いだろう?」

「そうだ。まだ剣も抜いてないのだぞ?」

「ワシもまだ初級の魔法しか使っておらん。実験の相手を早く」

「だからあれが相手だっつーの! 見ろよ、心が折れてるじゃねーか!

 それとホウズキさん、言葉がストレートになってます! お前ら自重しろ!」


どうするんだよ、これ。

戦ってる所に乱入して神様の気を惹く作戦だったのに、乱入が早すぎる。

そして、勇者達よ、弱すぎだろ! 異世界人に自重しろと言わせるな!



計画失敗かと思ってたら、アサイさんに反応があった。


「福田さん、来ます!」

「何、その小説みたいな言い方は?」

「どうでも良いでしょ、そこは! 2人が姿を表しますよ!」

「マジで? どこに? 空?」

「いえ、この場に顕現するみたいです」


おおっ、神降臨!

って、突然現れるなよ。ほら、光が集まって~とか、黒いモヤの中から~とか、あるだろ?

あ、それでもこの世界の人には神様って判るのね。全員が頭を下げてる。ひれ伏してる人も居るなぁ。


「お前達、何者だ」

「神の力を感じる。閻魔の使いか?」

「いや、俺達の親の使いじゃないか?」

「俺達の親の使いなら俺達の邪魔をする事は無いだろ。お金を持ってきて終わりだ」


お前ら……いまだに親にタカってるのか?

一応働いてるんだろ? 逆に仕送りしてやれよ。


よし、とりあえず殴ろう。話はそれからだな。

次話は今日の16時に投稿予定です。

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