4.光side
「ただいま」
家に帰ると、いつも笑顔で出迎えてくれるはずの日向がででこない。
まだ帰ってないのかなと思いながらリビングにいくと、リビングのソファーで日向が本やら紙やらを散らかしたまま寝ていた。
「こんなに散らかして、日向は」
落ちている雑誌を片付けようとして思わず手を止める。
「っ…!!」
開かれたままの雑誌には、こう書いてあった。
『クリスマス特集~好きな人の心をつかむプレゼントの選び方!~』
よく見ると他の本は編み物の本。
落ちている紙にはマフラーのデザインがいくつか書かれていて、どれも丁寧で、日向が相手をとても大切に思っているのが、そして日向の本気さが伝わってきた。
「うそ……」
私は目の前が真っ暗になった気がした。
佐々木が言ったことは、本当だったんだ…
ほんとうに日向に好きな人ができてしまったんだ…
ばさっ
手に持っていた雑誌を落としてしまった。
「う~ん…お姉ちゃん?」
日向が起きる。
私は走って自分の部屋に逃げていた。
後ろで日向が自分を呼んだ気がしたけど、振り返らずドアを閉めた。
「っ~~~…!!」
ドアを閉めたとたん、涙が溢れてきた。
その場に崩れ落ちるようにして泣く。
日向に聞こえないように声を殺して。