2.日向side
「いってきまーす!」
「いってきます」
私とお姉ちゃんは並んで学校へ向かう。
私達は同じ高校に通っているので、いつも一緒に登校しているのだ。
実を言うと、同じ学校に通いたいがために、私はそうとう無理してやっとこさこの高校に入ったんだけど…
私がこんなにもお姉ちゃんのこと大好きで、振り向いてほしくていつも頑張ってるんだって、そんなことお姉ちゃんは知るはずもなくて。
一緒に登校していてもなんだか素っ気ない。
「あ、息が白くなる。はやく雪降らないかな」
「そうね」
「……。」
話しかけても、すぐに会話終了されちゃうし…
ちらり。バレないようにお姉ちゃんの横顔を盗み見る。
黒くて艶やかなロングヘアーが白い肌を強調して、とっても綺麗。
整った眉も、切れ長な目も、形の良い薄い唇も、なにもかも完璧で、見る人を惹き付ける。
はぁ、こんなの好きにならないほうが無理だよぉ~。
お姉ちゃんはあんまり自分のこと話してくれないからわかんないけど、モテてるんだろうなぁ…
幸い今はまだお姉ちゃんに恋人ができたとかそういった話は聞かないから、フリーなんだろうけど、安心なんかしていられない。
美人なお姉ちゃんには、これからも素敵な男性がたくさん言い寄ってくるんだろうし、もたもたしてたら誰かにとられちゃう!
こんなに近くにいるのに、遠いなぁ…
あたりまえだけどお姉ちゃんは私を妹ととしか見てないだろうし…どうやったら私を意識してくれるんだろう…?
そんなことをぼんやり考えながら歩いていたら、つまづいて転びそうになる。
「あっ…!」
目の前にコンクリートの地面が迫ってきて、次の瞬間にくる痛みに備えて目をつぶった
「っ…!!!」
あれ?
ゆっくり目を開けると、お姉ちゃんが私の体を支えてくれていた。
「っもう…!気をつけて歩きなさいよ!」
「ご、ごめん…」
怖い顔で怒られてビクビクしながら謝る。
はぁ~、これじゃ意識してもらえるわけないよね…
ダメダメじゃん、私…。
自分が情けなくて、ひとり苦笑するしかなかった。




