表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
片想い  作者:
片想い
15/30

8.日向side

「日向、日向起きない。学校遅れるわよ」

「うぅ~ん、まだ眠い…」


朝、お姉ちゃんが私を優しくゆさぶって起こしてくれる。


「って、お姉ちゃん!?」

「ちょっと、いきなり大声ださないで。びっくりするでしょう?」


お姉ちゃんは迷惑そうに整った眉をひそめる。


いや、なんでそんな普通に…

お姉ちゃんって朝弱くなかったっけ?…


「って今何時!?」

「だから大声ださないでって!」

「す、すいません」


だってびっくりするでしょ。

いつも私が起こしてあげてたのに。

時計を見たら寝坊ってわけでもなさそうだけど、いつもよりはちょっと遅い起床だった。


ふと机の上を見ると、編みかけのマフラーが目にはいった。

そっか、昨日はこれを作るのに夢中でつい夜更かししちゃったんだった。

だからいつもの時間に起きれなかったんだ。


「はやく支度しちゃいなさい。いつもより時間おしてるから。」


それだけ言うとお姉ちゃんは部屋を出ていった。

私は言われた通り、てきぱきと支度をすませ、お姉ちゃんの後を追った。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「じゃ、また後でね」


学校に着き、いつも通り昇降口でお姉ちゃんと別れる。


「ひぃ~なたぁ~♪」

「わっ!」


まだお姉ちゃんに手を降っているところだったのに、とつぜん後ろから飛びかかられて転びそうになる。

もう毎度のことなので、飛びかかってきた犯人はわかっているけれど…


「はぁ…葵、その登場の仕方びっくりするからやめてよね」

「え~、だって日向の姿が見えたから、我慢できなくて♪」

「どんな理由だ」


なんか今日の葵はいつにもましてスキンシップが過剰な気がする。

さっきから手を握って離してくれないし…


「あ、光先輩、おはようごさいまーす」

「え?」


振り返ると、とっくに教室に行ったと思っていたお姉ちゃんが、まだそこに立って、唖然として私と葵を見ていた。


「え、えぇおはよう、葵ちゃん。

日向も、またね。」


それだけ言うとお姉ちゃんは早足で今度こそ教室へと向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ