6.光side
朝、いつものように日向が起こしにきた。
「ん…おはよ、日向」
いつも通りにできたと思う。
昨日は色々とまどったけれど、日向はなにも悪くないのだ。変に心配かけたくない。
いままで通り、私の気持ちは押し込めていればいいのだ。
「おはよう、お姉ちゃん」
ほら、私がいつも通りにしていれば、日向は私から離れていくことはない。
このままで充分幸せじゃないか。
大好きな人とこんなに近い距離でいられる。
私はとても幸せ者だ。
…ズキッ
この胸の痛みも、時間が経てば消えるだろう。
それまで、今は辛くても耐えればいい。
あと、何十年かかるか分からないけれど…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なんだぁ~?辛気くさい顔して」
「佐々木…」
私はよく表情が読めないと言われるが、どうやら佐々木にはわかってしまうらしい。
「なんかあった?相談のるぜ?
って、俺じゃあ頼りないかっ!」
一人で突っ込んで笑う佐々木の無邪気な顔をみて、不思議と気分が明るくなった。
「ううん、佐々木の顔見るだけで癒されたから。」
心配してくれてありがとねと言うと、佐々木はなぜかポカンとして私を見ていた。
「…佐々木?」
不思議に思って声をかけると、佐々木ははっとして、それから急に顔を赤くして
「お、おうよ。またなんかあったら言えよ。」
と、俯いてゴニョゴニョ言っていた。
その様子がおかしくて、私は笑いながらありがとうと伝えた。




