level 54 ボクっ子姫と危機一髪
ボク達はカツヤード城の南西にあるドームの谷で待って別行動でマルチちゃんに城にいるある人を連れてきてもらい落ち合う手筈だった。
だけど・・・
盗賊団に捕まってしまった。
この谷は盗賊団のアジトがあってそれを知らずに訪れたら紐で括られる破目になっちゃった・・・
「で?なんであんたらはここに来たんだい?盗賊団の縄張りって知らなかったのか?」
「はあ・・・知りませんでした。ここで人と待ち合わせしてて・・・」
今喋ってるのは盗賊団の頭目のミランダさん、赤毛で頬には十字のキズが付いていて男っぽそうな人だ。ボクとアリアちゃん、エールは盗賊達に囲まれていた。
「待ち合わせ?こんな場所でかい?あたしが言うのもなんだけどここは相当危険な場所だよ?」
「人目を避けなきゃいけないので・・・」
「何か訳有りかい?よけりゃ聞くけど・・・」
ボクはミランダさんにカツヤード城で会ったことを話した、ドラグーン城の姫って事は内緒にして。
「成る程、戦争ねえ・・・ここんとこ街が騒がしいと思ったらそういう事だったのかい。」
「はい・・・それでこの国と光の精霊様に詳しい人を仲間に連れてきて貰おうと思ってこの谷に・・・」
「光の精霊だって?」
ミランダさんはその名前に眉を潜め反応をする。
「あ、はい・・・知ってるんですか?」
「ああ、ブルードラゴンと共にする精霊だろ?この国の昔話にもなってる。すぐそこの山にいるらしいが誰も見たことがないんだとか・・・」
「ええ!?じゃあドラグーンに戻れないって事!?」
「どうしよう、翼・・・このままだとカツヤードがドラグーンに攻めてくるまでに間に合わないわよ!?」
「まーま?」
「ミランダさん、どうにかなりませんか?ボクに出来ることなら何でもしますから・・・」
困るボクら、ミランダさんはある提案を出した。
「じゃああたしがお前らをドラグーン城に連れてってやる、ただし・・・その伝説の山にある宝を取ってこい、お前一人でな。その間他の二人は預かる、まあ人質だな。あたしらも盗賊だからな、ただでやるわけにゃいかないからね、どうする?」
ボクに選択の余地はなかった、一人で宝を探さないと・・・




