level 52 ボクっ子姫と波乱
ドラグーン城、王の執務室。とは言ってもここの王、アーキラ・パパイヤ・ドラグーンは滅多にここにはいない。大概謁見室か遊びに行っているかのどちらかだった。
しかし今は珍しく難しい顔をしながら机の前に座っていた。
先程カツヤードから戻ったミンミと姫の親衛隊隊長クルセウスはその前に伏していてカツヤードが戦争を仕掛けてくるとの報告を受けその決断を待っていた。
横には最近戻って来たと認知された王妃、パルテナ・チイサナ・ドラグーンが座っている。
「カツヤードが我が国に戦争を・・・これまで同盟を結んで来たのにか・・・」
「あなた・・いえ、ドラグーン王。どうされますか?このままではカツヤードが我が国に攻めこんで来ます・・・」
「わかっている、まずは防戦する。クルセウスは軍隊長に伝令を、ミンミはカツヤードの内情調査を頼む」
「 「 はっ!!」」
同時に事を返し同時に出ていくミンミとクルセウス。
大事と言えど足音を発てず瞬時に居なくなる。
二人だけになりアーキラはパルテナに少し言いにくそうに伝えた。
「パルテナ、姫を・・ツバサの護衛をあれに任せる。知らせておいてくれ・・・」
「あの方は既に動かれていますわ、でもあなたはいいのかしら?渋ってらしたのに?」
「・・・致し方ないだろう、場所が場所だけにな。私個人的な意見をいってる場合でもないしな。親として出来ることをするまでだ。」
「・・・失礼しました。」
両方の意味を込め部屋を退室するパルテナ、出るとメルヴィルの後を継ぎ魔法師長になったソナタが待っていた。
「ソナタ、もう一人ツバサに護衛を付けます。クリアンを出して頂戴。」
「クリアンですかぁ~?まあ腕は確かですけどぉ~性格に難がありますからねぇ~」
パルテナは少し苦笑いをする、仕方ないとは思っていたが言わずにいられなかった。
「貴女は口調は相変わらずね、臨戦態勢なのに。」
「はい~、私は私ですからぁ~ あ、でもちょっと話し方変わったんですよぉ~」
その問いかけには答えずパルテナは窓の外を見る。
「ツバサ・・・」
外は今にも雷雲立ち込めそうな天気だっだ・・・




