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ボクっ子姫と竜の国  作者: あさたろ
第3章 ボクっ子姫とゲーム世界の大冒険
50/67

番外編 ゴリラと姫さま

50話記念!番外編、ツバサとアリアの付き合うまでのお話です。通常の1話分より長くなってしまいました・・・





「好きです、付き合ってくださいっ!!」


「ご、ごめんなさい・・・」



また見ちゃった、告白されてるの・・・


あたしの幼馴染み、笠原翼はすごくモテる。本人は気がついてるのかついてないのか知らないけど・・・


少なくともうちのクラスの女子のほとんどが好きなはず。

女の子みたいな容姿でイケメンってより可愛いっていう方が似合ってる。

だからあだ名が姫さまって呼ばれてる、翼は気に入らないみたい。

この間は男子にまで告られてた。

それでいて勉強は一年生のトップだ。

これでモテない訳がない!



まあ運動は全然ダメなんだけどね・・・



それに比べてあたし、志水アリアはハーフで金髪、可愛いのは可愛いけど全然モテない。

性格が短気なせいか男の子には嫌われてるみたい、最近の男は意気地がない。

翼と逆で運動は出来るけど勉強は全然ダメ、陰で男子からはゴリラ女って呼ばれてる。知ってるからね!!





「翼、終わった?委員会。」


「あ、うん・・・終わったよ。ごめんね、待たせちゃって。」


本当は委員会じゃなくて告白されてた(見てたからね)

でも翼はあたしにも告白してくれた子にも気を使って何も言わない。


でもそれが胸の奥をキュッと締め付ける、あたしも翼の事が・・・



いつも通りに翼の家に寄る、でも電気がついてなくて真っ暗だ。


「あれ?今日誰もいないんだ?珍しいね?」


「うん、パパは仕事でお母さんは出掛けて和花のどかは部活だって。」


「え?のどか部活始めたんだ、聞いてない・・・」


「そう?吹奏楽部っていってたけど、トロンボーンやるんだって」


のどかは翼の義理の妹、といってもあたし達と同じ年だ。

まだ翼が小さい頃にお父さんが再婚して新しいお母さんの連れ子で翼はすごくのどかを可愛がってる。

でものどかは兄としてじゃなく一人の男の子として翼を見てる、まあ翼は気がついてない。

なので恋のライバルで昔は仲良かったけど中学に入ってからは全然話してない、学校は別だしね。


のどかや他の子達に翼を取られる前に奪っちゃおうって思ってるんだけど・・・



勇気が出ない。



どうしよう・・・



そうだ!今度の体育祭でカッコいいとこ見せてその勢いで告白しよう!!




特訓だあっ!!




それからのあたしは頑張った、すごく頑張った、今までにないくらいだ、たぶん受験の時もこんなに頑張らなかったろう。



「アリアちゃん、まだいるの?」


「あっ、ゴメン翼、先に帰ってて!」


「・・・うん・・・」



でもあたしはバカだった、この時の翼の気持ちをわからなかった・・・




いよいよ体育祭当日、目指すは選手MVP!!


玉入れ、綱引き、借り物競争、全部一位だった。

このままならイケる!!



お昼休み、翼とご飯しようと思って探してたらのどかと一緒にいた・・・

体育祭を見に来てたみたい、二人でいるのは普通なんだけど・・・あの中に入れない・・・

あたしは声をかけられずその場を立ち去った・・・




昼からの種目は惨敗、とてもやる気が出なかった・・

MVPも他の子に持っていかれた。



「おしかったね、アリアちゃん。でも今度頑張ればいいよ、秋にもあるんだし?」


帰り道、落ち込んでるあたしを翼が慰めてくれてる、でも秋までは待てないよ・・・


「ゴメン、先に帰るね・・・」


「え?アリアちゃん?どうしたの?」



翼を置いて走りだした・・・最低だ、あたし・・・





家に帰りソファで寝転がってる・・・何かする気力もない・・・


「あ、アリア。ちょっと店手伝ってよ、バイトの子が休んじゃって人手が足らないの。」


「はぁい・・・」


気力はないけど体力はありあまってる、丈夫な体を時々恨む。

あたしの家はママが花屋をやっている、パパは何をしてるか知らないけど。

だから昔から花に囲まれた生活だった、花言葉も一杯覚えたなあ・・・

あれ?そういえば昔、何かあったような・・・

なんだっけ・・・



あっ!思い出した!!





次の日、翼を待つ。翼は友達の小林君といつも学校に行く。

ドラッグストアの前で待ってると翼が来た。


「翼、ちょっと話があるの・・・」


「あ、うん・・・ごめん、小林。先行ってて?」


「ああ、わかった。」


「ゴメンね、小林君。」


「うん、頑張れよ。」


「!?」


小林君はあたしが今から何をするか解ってる?


まあ朝から待ち伏せてなんてよくあるからねえ・・・




「翼、ゴメンね、昨日は先帰っちゃって。」


「・・・うん、大丈夫。」


「ちょっと色々考えたの、翼が他の誰かに取られるんじゃないかって・・・」


「え?」


「でね、店の手伝いしてたら子供の頃の事思い出しちゃった、覚えてる?花言葉で遊んだ時の事・・・」


「うん、覚えてるよ。」


「あの時花言葉なんて知らなくて適当に作っててさ、翼が黄色のバラをくれて『結婚しよう!』って言ってくれてうれしかったよ♪」


「あ、うん・・・ボクもちゃんと覚えてるよ。」


「だけどね、黄色のバラの花言葉は嫉妬とか気まぐれな愛なの、真逆だよね。」


「えっ!?そうなの?知らなかった、ごめんね。」


「ううん、それはいいの。でもさ、幼馴染みなのになんだか翼がどんどん遠くに行っちゃいそうで・・嫌なの。この花、アイリスを持ってきたの、これがあたしの今の気持ちです・・だから・・・」


「・・・」


うっ、翼が真剣な顔してこっち見てる、すっごいドキドキする、翼に告白した子達もこんなにドキドキしてたんだ・・・

たぶんのどかも翼と話してる時ドキドキしてるのかな・・・?



でも、でも・・・あたしが一番翼を好きなんだから!!




「好きです、付き合ってくださいっ!!」


「ごめんなさい!!」



えええっ!?







呆然と立ち尽くすあたし・・・


燃えた、燃えつきちまったぜ、真っ白な灰によう・・



「あ!アリアちゃん!ごめん、今のウソ!!」


「はぁ!?ウソおっ!?」


あたしがこの告白のためにどれだけ努力したと思ってんの!?


翼の頭におもいきりグリグリとゲンコツを入れる!


「いたたたたっ!!ごめん!ごめんってば!」


ゲンコツ入れた頭を押さえながら翼が言った。


「だってさ、最近アリアちゃん冷たかったし、運動ばっかりしてたし。寂しかったからちょっとはからかってみようかなあって思ってさ、」


あたしはパンチを構えた!


「待って待って!!でもボクは嬉しかった、アリアちゃんもボクのことずっと好きでいてくれて・・・」


え?アリアちゃんも?


「でもボクからも告白したかったんだ、だから女の子の告白断ったんだから・・アリアちゃん、好きだよ?ボクと付き合ってくださいっ!」


「え?あ、は、はいっ!」






「あ、そういえばこの花の花言葉って何?」


できたてアツアツカップルが学校に行く。


「あ、それはね・・・翼、ちょっと耳貸して・・」


「?」


耳をさしだされたけどあたしは翼のほっぺにキスをした。





『あなたを大切にします』





アリア「あ~!恥ずかしい」


翼「そう?」


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