level36 ボクっ子姫と旅立てるか?
「トンカツ王子が行方不明って?」
「は、はい。討伐隊は今日未明に大魔王の城にたどり着いたようなのですが四天王の一人、ベリアルによってほぼ全滅状態です。トーン王子は懸命に戦っておられたのですがその後消息が判りません。命辛々魔法隊の一名が伝令で帰って参りました・・・」
「そんな・・・小林が?」
「翼・・・トーン王子と小林君は別の人だからね?あたしは王子見たことないけどさ。」
「ともかく捜索隊を出しましょう、カツヤードにも伝令を。」
メルヴィルさまが衛兵に指示してソナタさんも部屋を出ていく、残されたボク達はボクの部屋に行くことにした。
「どうしようか、これから?」
ボクがみんなに聞く、大魔王を倒しにいかなきゃいけないことはわかってるんだけど・・・やっぱり怖いし踏ん切りがつかない。
「そりゃあ、早く倒して元の世界に帰らないとダメでしょ?学校だってあるし。行きたくないけどさ・・・やっぱり止めよか♪」
「よく判りませんが現実逃避のような気がしますよ、お二人とも・・・」
うん、マルチちゃん正解。
「ま~ま、どっかおでかけ~?」
「ううん、出かけないし行くとしてもエールと一緒だよ。心配しないで?」
「うん、わかった~、はやくおでかけしよ?」
「姫さま、ウチも大魔王討伐に行った方がいいと思います。勿論ウチも一緒です。」
あれ?ミンミ女史緊張してない?
結局一番行きたくないのはボクだけかあ、そうだよね・・・やっぱり行かなきゃ、大魔王を倒しに!
「よっし!お前らの気持ちはよーくわかった!!その前に恒例の!」
「「「王様チェック!!」」」
と、言うわけで王様。パパの許可を取りにきた訳だけど・・・うんっていうかなあ?
「ダメです!」
うん、やっぱりね。
「そこをなんとかならないかなあ?パパ?」
「可愛く言ってもダメなものはダメだ!とにかく大魔王討伐隊は続けて出すからな。」
「ん~、でもボク一人って訳じゃないんだよ?アリアちゃんやマルチちゃん、エールとミンミ女史も一緒だから!安心できるでしょ!?」
「全員女の子じゃないか!危険すぎるでしょ?」
「で、で、でもウチ、い、いえ、ワタクシは男は素よりモンスターにだってひけはとりません!お任せ下さひっ!」
ミンミ女史、肝心な所で噛んじゃった・・・
「あたしだって戦士の端くれです!翼は必ず守ってみせます!!」
アリアちゃん・・・
「わたしも・・・闇魔法で敵をグチャグチャのメチャメチャにしてやります・・・」
マルチちゃん・・・ちょっと怖い。
「じ~じ、えーるもいくの!」
エール・・・
パパは少し考えて答えを出した。
「わかった、ではテストをしよう。」
テスト・・・?
パパの言うテストは城から南にある塔、ノッポサンの上にある宝箱の中の物を取ってきたら冒険に出てもいいってことだった。
「それって確か・・・箱を開けたら空っぽで中身は勇気が詰まってるって・・・ベタなネタなのでは・・・」
「ギクゥ!?」
当たってる!?そんなベタなの?
「ば、ば、ばかだなあ、そんなことあるわけないぢゃないかはっ?」
パパ、ミンミ女史貼りに上がってる!
「中身はちゃんとあるから行ってきなさい!早く、いや、ゆっくり行ってきなさい!」
かなり焦ってるけど・・・テストに合格して大魔王を倒しに行ってみせる!




