level2 ボクっ子姫とおじさん
意識がとんで気がつくと目の前には・・・
ブタがいた。
なんでブタ?って言うかココどこ!?
と、とにかく落ちつかなくちゃね。
えーと・・・ブタさんがいっぱいいる、養豚場なのかな?
天井は高く窓からは森が見える、その向こうには日本には無さそうな大きな山。
日本じゃない?なんで?さっきまで自分の部屋にいたはずなのに・・・
ブタさんの群れを掻き分け外に出るとそこには広大な平野が広がっていた。やっぱり日本じゃない!
「アリアちゃ~ん・・・」
とりあえず歩きながらここに来たかもしれないアリアちゃんを探すことにしたんだけど、養豚場から結構歩いても誰一人として出会わなかった。
そろそろ日が暮れてきた、森の中に入ったけど狼とかが出てきたらどうしよう・・・
しばらく歩いてたら木で出来た丸太小屋を見つけた、よかった ここで夜が過ごせそうだ。
近づくと外国人の太ったおじさんが薪割りをしている。
「あの、こんばんは。」
「ん?どうした?こんなとこに人なんて珍しいな。」
あ、日本語通じるみたい。
「道に迷ったみたいで、今晩泊めてほしいんですけど・・・」
「ああ、いいよ。あんたみたいな娘さんが一人じゃ大変だろ。」
ん?娘さん?まあ、いつものことだし別にいっか。泊めてくれるんだしスルーしちゃえ・・・
おじさんに暖かいスープをご馳走になりながら聞いてみる。
「そういえばさっき養豚場があったんですけどおじさんのなんですか?」
「ああ、あれはおらの食糧庫だ」
食糧庫?
「ここは何県なんですか?北海道みたいな感じですけど・・・」
「剣?ホッカイドウ?何言ってる?」
違うのかな?
「えーと、場所?ここはどの辺りなんですか?」
「ここ?ここはティラナの森だが?お前さんどっから来たんだ?」
ティラナの森?ってどこ?
「うーんと、日本ってわかります?そこから来たんですけど・・・」
「ニホン?いや、知らないが・・・」
かなり田舎なのかな?街とかに行けばわかるかも。
「えっと、近くに街ってあります?」
「あるにはあるけど、歩いて二日くらいかかるぞ?」
えー!?そんなにかかるの?
「馬車でも1日かかるがここには馬車がないからなあ、娘さんの脚なら3日ぐらいはかかるな。」
「あ、あの・・・ボク実は男なんです。」
「なに?バカなこと言うな、間違いなく人間の雌の臭いだ。」
おじさんは鼻をくんくんさせている。
人間?メス?この人なに言ってるの?
「夜中に寝たところを襲うつもりだったが・・・晩飯にするか。」
え!?意味わかんないです、ボク美味しくないですよ!!
おじさんは立ち上がり着ていた服を手で破いた、からだがどんどん大きくなる!
ゲームに出てくるオークみたい・・・
ううん、たぶん本物。
グアアア!!
おじさん、じゃなくなったオークは暴れ出してこっちに向かってくる。
あわててボクは逃げ出した!
しかし回りこまれてしまった!!
ど、どうしよう・・・
オークに捕まえられる、もうダメだ!
「見つけました~!!」