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幻夢の桜に恋をした。  作者: 壊拿
第二項:日常
10/17

夕方の一角

全ては、その言葉から始まった、かもしれない。


「今日の軍議は、楽だった気がする…」


明るい声が響く、蕎麦屋の、隅の席。冷たい手ぬぐいを頬に宛てて、机に突っ伏している男が一人。華倉である。そして、彼と向かい合うように座る、黒髪を結い上げる青年。三枝 海は、彼の言葉に反応して、身を乗り出してきた。


「ん、なになに?良い事でもあったのけ?」

「いや、今日の軍議はなかなか早く進行してね。今日の議長が、早く帰りたい人だったらしくてね、決めるべき事も決定して、軍議が予定終了時刻の30分前に終わったよ」

「ほーぉ?」


海は楽しそうに、冷ましたお茶を喉に流し込んだ。そして、零仁が落ち着いた空気を漂わせて、注文したものを持って来た。そこに出て来たのは、…うどん。何故うどんを頼んだ。華倉は、いつもの様にざるそばを頼んでいた。そして、すでに食べ始めている。

華倉は、黙って蕎麦を胃の中に納める。そんな彼を見ていた海も、うどんを黙々と食べすすめる。そして気付けば、彼の分は無くなっていた。そして足りないのか、おかわりを追加した。


「…そう言えば」

「んー?」

「いや、…ちょっとこの前、不思議な光景を目にしてさ」

「ほー!ひひはいー!」

「聞きたいんだね?…取り敢えずそのうどんを片付けようか海ちゃん」

「んー」


もきゅもきゅ、と食べる海を、華倉は面白そうに見つめていた。そして、追加の蕎麦がやって来た。彼は麺つゆをぶっかけて、それからつゆをなじませるために混ぜて、其れから食べ始める。

すると、日陽がやってきた。どうやら、華倉の手元に置かれた手拭いを取りに来たらしい。冷やしてきますね、と言って、直ぐに下がっていた。そんな日陽を見て、海が一言。


「日陽は癒しだなー…v攫いたい」

「それ修哉に伝えておこうか、海ちゃん拷問部屋でたっくさん哀されると思うよ!」

「マジ冗談ですごめんなさい伝えないで下さい」


修哉の妹愛は、海をも土下座させるほどであった。


そして、何を考えたか。海は、まるで悪巧みを思い付いた餓鬼大将の様に。意地悪そうな微笑を浮かべて、華倉にある提案をした。


「オミー、今晩空いてる?」

「?あ、うん…まぁ」




「ヘタレな将校閣下、この街にあるくるわの世界に、御興味はおありかな?」





「…廓…」


恭しく手を差し出す、海。

華倉は、少し呆然としたが。少しだけ微笑んだ。


「雰囲気無いな」

「が、頑張ったんだぞ!?」


決戦は、今夜。

これから、海と華倉がいよいよ姫(笑)の元に向かいます。

因みにこの時、陽久は帰宅中、修哉は夕飯の買い物中(

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