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第20話 高校1年生 ~新しいクラス~

四月。


高校で新しいクラスが始まる。


由奈の高校の制服は、おとなしめだ。

紺のブレザーに同じ色のボックスプリーツスカート、赤のネクタイ。


公立高校でも、もっとかわいい制服はある。

この制服は多くの女子には不評だが、由奈は悪くないと思っていた。

かわいい制服は、自分には似合わないだろうし。


由奈は、新しいクラスの居心地を、悪くないと感じていた。


中学校に入った時も、違う小学校から来た友達を新鮮に感じたが、高校では、また別の中学校から集まった生徒たちと人間関係を作っていくことになる。


当たり前のことだけれど、やはり新鮮で、その分、緊張や気遣いも伴う。


真面目な子だとか、大人しい子だと思われて、警戒されたりしないだろうか。

由奈が少し気にしているのは、そんなことだった。


中学校の頃にも、一方的にそう思われて、打ち解けてくれない子たちがいた気がする。


それだけで、ろくに会話もしないうちに線を引かれ、いつのまにか警戒されてしまう。


周りからは、誰とでも仲良くできてすごいと言われることもあったが、由奈自身は、必ずしもそうではないと思っていた。


きっと、誰もが多かれ少なかれ、同じようなことをしているのだろうけれど。


小学校の頃も、自分の立ち位置や言動が気に入らなかった子たちに、いつのまにか追いやられていた。


中学校までに、自分がどう見られがちなのかは、ある程度、分析したつもりだった。

本来は人見知りしない性格だが、人間関係を作る最初の段階では、どうしても慎重になってしまう。


そして、高校でも、太田と同じクラスになった。

タイミングが合えば、今でも一緒に帰っている。


けれど、本当は、もう一緒に帰る理由はないはずだ。

強いて言うなら、太田が避けていた女子が待ち伏せしている可能性はあるかもしれないが、学校も違うのだから、多分、もう現れない。


(まあ、いいんだけど)


そんなふうに思いながら太田と帰ることもあるが、今は、新しいクラスメイトと話したり、桂花と待ち合わせたりしたい気持ちもある。


断るのが苦手な由奈は、太田に声をかけられると、つい一緒に帰ってしまう。


けれど、新しいクラスメイトに誤解されても困るな、と感じるようになってきていた。


まだ始まったばかりの高校生活だ。


誤解は、お互いにとって良くない。


日数は浅いものの、由奈は、高校に入ってから、価値観の合う同級生が増えたと感じていた。


中学校よりも、大人びた考え方の子が多い気がする。


真面目そうだという理由だけで警戒され、話しかけてもらえない、ということもない。

もっと真面目そうな子でも、クラスの中で浮くことはなかった。


少しずつ、クラスの中で目立つ子、かっこいい子、かわいい子、という見方も始まっている。


同じ中学出身の子たちとは自然と集まって話すけれど、そこに桂花がいないことを実感すると、少し寂しく、不安になる。


由奈が学校の居心地の悪さに悩んでいた時、支えてくれたのは桂花だった。

中学では一度も同じクラスにならなかったから、いつも一緒にいられたわけではない。


それでも、桂花がいるだけで、安心できていたのだと実感する。


だから、桂花がいないことを、こんなにも不安に感じるとは、自分でも意外だった。


(今度のゴールデンウィークには、桂花に会いたいな)


由奈は、それを小さな目標にしながら、新しい四月を過ごしていた。

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