第三話 聞こえるように。
皆さん第三話まで見に来てくれてありがとうございます!!白煙影です。学校で織り成されるストーリーもそろそろ終盤!!どうぞ楽しんでください!!
和服姿の女は確かに「異世界はあるよ。」と言った。だが今の俺は霊体。普通の人には見えるはずない。「…思い違いか。」と思い少し肩を落とした。だが和服姿の女は「意外と思い違いじゃないかもな?」とはっきり言ったのである…
四時間目も終わりを迎え、フワフワと飛びながら一度、諏訪部と関野の様子を伺いに行く。どうやら少しは気持ちの整理が着いたようだ。諏訪部は息を整えながら事実をゆっくり飲み込んでいる。関野は…もういないか。あいつ泣いてなかったからな~…なんか少し悲しい気もするが感性なんて人それぞれである。だから別に良いのである。そう。別に良いのである。別に呪ったりするわけでもない。そう。気にしないのである。
「まぁそろそろ行きますか。」
そう思い霊体の手で触れるはずのない諏訪部の背中を落ち着かれるように撫でる。…やっぱり透けるな。心が痛む。自分が死んだせいで友が悲しみ泣いてくれているのになにも出来ない自分の無力さに苛立ちさえ覚える。
「今までありがとう。じゃあ元気でな。」
そう小さく呟いた。そのまま学校の正門へ向かう。だが学校をあと一歩ででれる時にふと思う。
「いや…まだやりたいことあるな…」
最後に一発大きなことをしたい。どうせ高校にはもう行かないんだし、退学になるようなことも今ならできる。何をする?学校でド派手に出来ることを必死に考える。
「あ。」
思いついた。これだったらあいつらにも最後の挨拶ができるかもしれない。その案を思いついた瞬間体を180°回転させ飛び始めていた。だんだんこの体にも慣れてきている。速度の出し方。方向転換のやり方。何より体の特性。それがわかってきたのが大きい。
「今はお昼の時間。てことは…」
学校内を飛んで行く。風を切りながら一応人を避けて。
「着いた!!」
「放送室」重厚な扉に白いボードでそう書いてある。そうこの学校ではお昼の放送がある。要は「お昼のラジオ」的なものである。放送室には入ったこともないし入ろうとしたこともない。放送委員になろうなんてもっての他だ。
「失礼しま~す…」
一応小声でそう言い入ってみる。良くわからない機械がたくさんあるがマイクはすぐわかった。何故なら今放送委員が話しているからである。そろそろ何がしたいかおわかりだろう。要は放送をジャックし俺の声を学校中に流すことだ。一応これはWin-winの関係ではある。俺はみんなに言いたいことを言える。そして放送委員は今後同じことが起きると皆思い放送をしっかり聞くようになることだ。…まぁこれはただの承認欲求なのかもしれないがどうせ最後だ。派手にやってる。お昼のラジオも終盤に差し掛かっているとっととやってしまおう。
「諏訪部、関野、今でありがとう。みんな元気でな!!」
そうマイクの近くで叫んだ。
第三話どうでしたでしょうか?謎の和服姿の人正体は誰なのか、響の声は諏訪部と関野に届くのでしょうか!!次の第四話をお楽しみに!!以上白煙影でした。