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その85 I am happy, but I am the one who annoys him. 恋人と、娘の境界線。

毎日が忙しいのは嬉しい。僕は、雑念を持って何かをすると、ずっと不安で怖がってしまう。でも、忙しさが雑念を忘れさせてくれるのは、非常にありがたい。

実際、ゆとりある生活もいいんだけど、忙しい生活も、それはそれで好き。


「ねえ、もしかして、まだカレーが余ってる?」

奥様が夕飯の時にそんなことを言った。余ってるというより、3人分だとカレーは割に合わないので、結局10杯分ぐらいは作る。

「冷凍しても、解凍するときには味が落ちるから、食べられるうちは食べようかなって。」

「それで、あなただけカレーなのね。言ってくれれば、私もカレーで大丈夫なのに。」

「そうは言っても、毎日カレーを夕飯に出されて、面白くないのは事実じゃない?」

「う~ん。やっぱり、一度私が拒否したことを覚えてた?」

「それもそうだけど、夕飯ぐらい、毎日別のものを食べたいでしょ。僕はその辺、気にしないからさ。」

「嬉しいけど、あなたが面倒になるなら、一緒でいいよ。」

「カレーは温めるだけだからいいんだよ。それに、料理作ることで、ある程度ストレスは発散出来るから。」

「それなら、甘えちゃう。わざわざありがとうね。」

まあ、そうは言われるけど、僕はお皿に載せ替えるだけ。作るとしても、今日みたいにお味噌汁だけ。それを知ってて、この人は言うんだよなぁ。


「そういえば、最近一緒に夕飯買いに行かなくなったよね。」

「言われてみると。でも、あなたの帰りが早いから、任せっきりになっちゃうのよね。」

「あの娘は拗ねるかもしれないけど、前みたいに一緒に買いに行ったほうが、食べたいものが食べられるんじゃない?」

「それはそうなんだけど、ほら、あなたもあの娘も、毎日同じもので別に文句を言わないじゃない。だから、私が合わせるほうがいいのかなって。」

「あなたは稼いでるんだから、好きなものを食べる権利はあるよ。なんなら、自分一人だけ夕飯買ってきても、文句は言えないよ。」

「う~ん、それじゃ、本格的に一緒に暮らしてるだけになっちゃうよね。家族なんだから、一緒に同じものを食べたいじゃない。」

「そういうものなのかな。それなら、僕はあなたに従うだけ。ごめん、あんまり食にこだわりなくて。」

「偏食か、こだわりなしか、ウチの家族は、好きなものを食べる人しかいない。あなたはちょっといいものを食べてもいいと思うのよね。」

「贅沢することもないし、食べたいと思ったら、自分で買ってくるしね。そんなもんだよ。」

「にしても、よね。好みがあるとはいえ、そこまで切り詰める必要もないのに。」

「貧乏性なんだよ。食べたいと思って、カレーを食べるってだけ。だから、しょうがないのかなって思うけど。」

「ああ、そうか。あなたはカレーがそもそもに好きだものね。あの娘も毎日とんかつを食べられるのは、好きだからってことか。」

それは思ってなかった。そうか。僕はカレー好きだから、毎日カレーを食べてても、何も思わないんだな。

「いやあ、自分で全然思ってなかった。確かにカレー好きだし、毎日食べても飽きないけど、好きで食べられるって思ってなかった。」

「なによ、それ。自分の好きなものなんだから、それぐらい考えてもいいんじゃない。」

「好きだから、全然考えなかったのかも。言われないとわからないものだね。」

「まったく。あなたらしいけど、そんなに無頓着にいられるものなのかな。」


奥様が食器を洗ってると、娘が帰ってきた。

「ただいま~。」

「おかえり。今日はバイトだった?」

「今日はちょっと勉強してた。色々調べたいことがあって。」

「熱心だね。思う存分、調べたらいいよ。」

「それよりアンタ、ご飯はどうする?」

「うん、食べるよ。あれ、もしかして用意してない?」

「大丈夫。ちゃんとあるわよ。」

「ん、あれ、カレーじゃない?」

「あら、アンタもカレーで良かったほうの人なのね。この人が気を利かせて、別のものを買ってきてくれたのよ。」

「ごめんね、オトーサン。嬉しいけど、無理しないでいいからね。」

「無理はしてないから大丈夫だよ。でも、君もカレーで良かったの?」

「だって、カレーの日の次の日も、たいていカレーじゃない。なんでかなって思っただけ。」

「意識的にカレーを出してるとは思ってなかったけど、僕って結構重症?」

「自分で分かってないのか。疑問に思わなかった私もおかしいのかな?」

「アンタ達さぁ、どうしてそんなに無頓着なわけ?」

「なのかな?でも、別にこれと言って考えたこともなかった。」

奥様が深い溜め息をつく。

「ハァ~。どうして、そういうところが似ちゃうのかしらね。」

「あなたと違って、僕らはそこそこ一緒に暮らしてたから、今更疑問に思わないんだよ。」

「あ、そうやって、味方に付けたと思ってるんでしょ?まったく。」

と、娘が難しい顔をしてる。

「どうしたの?なんか、変なことを言った?」

「なんか、私ってそんなにオトーサンと同じことなのかなって?」

「変なところは似てる気がする。でも、二人で暮らしてたときに、疑問に思わなかったことだからさ。」

「ということは、私は変?」

「別にそうは思わないんだけど、思ってる人が一人いるんだよね。」

「そっか、おねえちゃんはおかしいって思うんだね。」

「当たり前じゃないの。それを律儀に考えないで従ってたアンタもアンタって。」

「だってさ。僕は別にいいと思うんだけど。まあ、僕がちょっとおかしいから、そういうところはなおしてもいいんじゃない。」

「オトーサンが治すなら治すけど、私はオトーサンをベースにしてるんだから、オトーサンが治すならね。」

「仲良しね。でも、とりあえずは、食べるものはあんまり気にしなくていいから。あなたにも負担掛けちゃうしね。あ、だけど、流石に3日ともカレーみたいなことは止めてよね。せめて次の日まで。わかった?」

「うん、分かった。じゃあ、明日はカレーだね。」

「どうしてそうなるのかしら。もう自分で好きなものを食べていいわよ。」

「僕がちゃんとその辺考えるから、君は心配しなくていいよ。でも、おかしいと思ったら言って欲しいな。」

「う~ん、そこはオトーサンが放棄しちゃいけないと思うけど。」

とにかく、僕がもう少し食べるものに気を使わないとダメだな。困った。



「お風呂あいたよ。おねえちゃん。」

「ありがとう。それじゃ、先に入ろうかしら。あなた、お先に。」

「うん、ゆっくりしてね。」

と、相変わらずリビングで適当にノートPCをいじりながら、娘と二人きりになった。いつものことだけどね。

少し変化があった。最近は、僕に寄りかかって来なくなった。かれこれ5年近くそうしてたから、今更ながらちょっと気になった。

「最近、寄りかからなくなったよね。心境の変化?」

「あ、うん。なんとなく。私って重いんじゃないかって。」

「そうかな。気にしてないよ。でも、君がそう思うんじゃ、僕はなんとも言えない。」

「ごめん、ちょっとウソついた。本当は、なんとなく恥ずかしくなっちゃったんだよ。いつまでも寄りかかってるの、どうなのかなって。」

「君らしくないような気もするけど、それだけ君も大人になったんだよ。」

「そうなのかな。あんまり自信ない。」

「自信はあとから付いてくるよ。焦ってもしょうがないし、まだゆっくりしてもいい年齢。」

「そういうオトーサンは、大人の自覚あるの?」

「僕はずっと子供だよ。大人になったって覚えがない。でも、ちゃんと君達と暮らせてる。無理して大人になる必要はないのかなって。」

「私からみたら、ずっと大人だと思ってたのに。そう言われちゃうと、なんか複雑。」

「あんまり話したことないけど、僕はこと流れ主義でさ、あまり自分から能動的に動くことをしないんだ。おそらく、周りの人は、僕のことをずるい人間だったり、責任感の欠けた人間だと思っているはず。でもね、僕が責任感を持ってやることを、君が与えてくれた。それだけで、僕は色々背負うより、君との生活に責任を持とうと思った。これから先はわからないけど、今は、君が大きくなっていくことを見守るのが、僕の責任なのかな。」

「大事にしてくれてるのは嬉しいけど、そこまで私に責任を持ってくれなくても、私は一人で大丈夫だよ。」

「君がそう言っても、僕は親の立場だから、自分で色々切り開いて生きてるとはいえ、心配なんだ。一種の片思い。それに、まだ甘えていい時期だ。人間は無理しても、良い結果にはならない。君だって、僕みたいな人間にはなりたくないだろう?」

「そこまで否定しなくてもいいと思うよ。オトーサンがが少し無理してくれてるから、私はここまで自由に色々させてもらえる。成り行きだったけど、私は君の娘になれたこと、嫌じゃなかった。まあ、昔は、ずっと恋人になって欲しいって思ってたけど、今は親になってくれて良かったと思えるようになった。」

「それで、ちょっと恥ずかしくなってきた?」

「それもそうだけど、私もようやく、年頃の娘になれたのかな。私が子供だったから、自分で気付かないだけで、恥ずかしいことしてたのかな。」

「一度意識しちゃうと、無邪気な娘には戻れないか。不思議なものだけど、こういうことで、さみしく感じるんだね。」

「え、もしかして、ちょっと傷つけちゃった?」

「慣れちゃってることをしてくれない、それだけで寂しさを感じるとは思ってなかったんだよ。なんだかんだで、君は僕の生活の一部になってるから、自分で物足りなさを感じてるのかもしれない。親離れっていうのは、こういう感じなのかもね。」

「そっか。私、親離れしようとしてるんだね。」

「一人暮らしがしたいって言ったときに気づくべきだったよ。一緒にいるのが当たり前過ぎて、離れて生活するって想像が出来なくて。」

「私もそこそこ一緒にいるけど、いつ追い出されるか、心配してたんだよ。」

「ごめん、心配させて。出来れば、もうしばらく3人で暮らしていきたいとは思ってる。付き合ってくれる?」

「もちろんだよ。じゃあ、私も、また寄りかかっていい?」

「最初に言った通り、僕は気にしないよ。好きなときに寄りかかって,,,さすがに好きなときは言い過ぎかな。」

「分かってるよ。そういうところ、本当に真面目だよね。」



「お風呂空いたわよ。あれ、アンタ、今日はどうしたの?」

ちょっと前の頃みたいに、また寄りかかってる娘に、驚いたみたい。

「オトーサンがいいって言うから、寄りかかってる。」

「それは分かるんだけど、心境の変化?」

「私が勝手に遠慮がちになってたのが分かったの。」

「ふ~ん、だから、そんなに心配することじゃないって言ったでしょ?」

「そうだね。私が一人で勝手に思ってただけだった。」

「...知ってたの?」

「相変わらず鈍いわよね。ちょっとは乙女の気持ちを理解しなさいって。まあ、あなたが理解しても、気持ち悪いけど。」

「ひどい言いよう。でも、僕はその辺疎いから、しょうがないかも。」

「そうよね。逆に敏感なあなたは、ハラハラして見てられないかも。」

なんか、二人で笑ってしまった。

「結構ひどいこと言われてるのに、どうして笑ってるの?」

「いや、僕のこと、よく知ってるなって。」

「お見通しよ。隠してることも多いけど、素直に生きてるから、分かっちゃうのよ。私も長く生きてないわ。さ、お風呂入って。」

「うん、そうする。」

そうして、右側により掛かる娘に、

「ごめんね。ちょっと待ってて。すぐ入ってくるから。」

「気にしなくていいよ。今日は、もう終わりでいい。」

「そっか、分かった。じゃ、お風呂入ってくる。」



おねえちゃんはよくわからないけど、本当に私達のことをよく分かってる。

「ね、そこまで心配することもなかったでしょ?」

「よく考えたらそのとおりだよね。なんで、そんなこと思ってたんだろう。」

「あなたはまだまだ若い。それに、あの人もあなたには甘い。構える必要はないのよ。娘なんでしょ?」

「娘って、そんなに自由にしてていいのかな?」

「そうねぇ、あなたは少し大人になる速度が、ここまで速かったからね。たまには止まるってことも必要よ。あなたのことは信頼してるし、思ったより自由に動かないしね。」

「えっ、そうなの?」

「似てるのよね。あの人も慎重になりすぎてるけど、不思議と、そんな姿勢が移ってるというか。本当にに私なのかって思うのよ。」

「そう言われるのは嬉しいけど、人としてはどう思う?」

「どうって言われてもね。あなたがここ数年で色々経験したから、そういう姿勢になったんだと思う。でも、あえて色々教える必要はないと思ったのよ。感じ取ったものを、そのまま身につけて行くだけで、私と同じような生き方にはならないと思ってる。子育てってあの人は言うけど、私は子育てしてるとは思ってない。あくまで同性として、共感出来ることは教えるけど、違うことも多いハズよ。」

難しいことを言うんだよね。正直、おねえちゃんが甘くないのは、この感じだからだと思う。私には十分甘いと思うけどね。

「ま、敵に塩を送るというか、私もあなたに負けてられないかな。あなたは娘の立場で、私は妻の立場で...っと、娘じゃなくて恋人なんだっけ?」

「もう娘でいいかもしれない。心境の変化って言われちゃうのも分かるけど、私が恋人の立場って考えたことがなかったのかも。最初は一緒にいてドキドキしてたけど、そこそこ長く一緒にいると、安心出来る存在になっちゃった。子供っぽいかな。」

「いいと思う。今更、恥ずかしいこともないでしょ?隅から隅まで知られてるし。」

「それがなんか恥ずかしい。私、とんだ恥知らずだった。」

「わかればいいんじゃない。ある程度、恥じらいも覚えるほうが、より相手を知れる。恥じらいだけじゃなくて、すべての感情が、相手を知って、理解出来るようになる。私もそれが分かったのは最近かな。あの人、見栄を張ることをしないから、私も言葉を選ばないようにしたの。物言いがキツくなってるけど、笑って返してくれるし、正解だったかな。」

「それはオトーサンがなんにも考えてないからだと思う。半分聞いてないようなものだし。」

「そうなのかしら。やっぱり、不安になるわね。でも、素直だから、反射的に言いたいことが言えるのかもね。ウソもないし。」

「何にも考えてないから、反射的にジゴロ発言できるんだよ。重い人間なのに、あんなに軽快な言葉が出るんだもん。」

「本心か。あの人を知っている人は、そう解釈してるわよね。そんなに詳しい人はいないけど、分かってるならそれでいいのかもね。」

「ねぇ、私はまだ娘なのかな?」

「あの人にとって、あなたはずっと娘になってるんじゃないかな。あなたもそれで納得してるなら、それが幸せなのよ。だけど、気持ちの整理が出来ないんでしょ?」

「そうだよね。私が自分でどう思ってるのか、わからないから、オトーサンを困らせてるんだよね。恋人ごっこに付き合ってくれるのも、オトーサンの親心だよね。」

「いや、多分それは、あなたがずっと好きって言い続けてるからじゃない。あの人も無理して付き合ってるんじゃなくて、ドギマギしながら色々考えてるんだと思う。」

「優しさに甘えてるのかな?私がオトーサンを悩ませてるのかな?」

「娘だったら、そんなこと考える必要はないと思うわ。でも、同時にあなたは彼の恋人とも自分で言ってる。案外、それで考えるんじゃないかな。」

「おねえちゃんはそれでいいの?」

「あなたが私の娘だったら、多分許してないのよ。あなたは私だから、あの人を悩ませる権利もある。もちろん、寵愛を受けることも許される。だから嫌じゃないのよ。だけど、私も女なんだよね。いつも言ってるけど、一番に来る人間になりたいのよ。彼は、私と時を進むことを選んでくれた。私も、彼も、私達の時代しか生きられない。そこに、あなたが責任を感じたり、遠慮がちになってほしくないの。でも、知っていて欲しい。時間を埋めることは出来ても、歳を重ねることは早送り出来ない。今のあなたは、あなたの時代を生きる人間であってほしい。」

「私の時代...それが今なんだよね。」

「そうね、今は私達と一緒に生活している。でも、あなたが一人暮らしをしたいって言った時から、あなたは別の時間で生きていくことを考え始めたのかなって思ったのよ。私達は、あなたの帰る場所を用意して待ってるけど、やがてあなたも一人、そして伴侶と共に生きていくはず。ま、でも、別に彼と一緒に生きてもいいとは思ってる。」

「でも、それはオトーサンの娘としてずっと生きていくってことだよね。」

「出来るとは思えないのよね。だって、あなたは私以上に、彼のことを愛してるもの。それに、娘が父親と性関係を持ってることが、ややこしくなってるのよ。彼が娘と言いながら、一人の女性として見ているのは、そういうところなのよね。彼が変態ってことでごまかせるけど、普通の親子の関係じゃなくて、恋人の関係よ。」

「やっぱり、私はオトーサンじゃなくて、あの人が好き...なんだと思う。変だよね。前なら好きって軽く言えたのにね。」

「自分の気持ちが大人になっていくって、真剣に考えないと答えが出ないことも多くなる。幸い、あなたはまだ若い。思うように立場を変えていっていいわよ。別に、今日は恋人でも、明日は父親だっていいじゃない。でもねぇ、あの人はその辺が一辺倒だからなぁ。」

「私は私として、色々考えながら生活する。オトーサンが気づくぐらい、仲良く生きていきたい。」

「それは私も一緒。毎日、何かしらであの人が変化を感じてくれれば、それで十分じゃない。」

「お互い、頑張っていこう。あれ、頑張らなくてもいいのかな?」

「気を使う必要ないでしょ。家族なんだしね。」



「お風呂上がったよ。」

「あ、戻ってきた。ねぇねぇ、また寄りかかっていい?」

「いいよ。寝るまでだからね。」

一旦出来るようになると分かれば、また元の鞘なんだな。でも、慣れてるから特に不思議に思わないのも、どうなんだろうなぁ。もう22歳だしね。

「えへへっ、なんか、嬉しいな。」

「そんなに喜ぶこと?君が嬉しいなら、それでいいよ。」

「この娘にとっては、ものすごく大きな一歩だったのよ。元に戻るのも、勇気がいることだったのよ。」

「そうだったんだ。うん、頑張ったね。」

そういえば、久々に頭を撫でてる。大人になってるのに、頭を撫でられるのは嬉しいのかな?

「で、明日の夕飯だけど、久々に外食でもしましょう?」

「えっ、おねえちゃん、とうとう家で夕飯食べるの、いやになった?」

「角が立たないようにね。そうじゃないと、またカレーを食べる人がいる。」

「僕のこと?さすがに残りは冷凍保存したよ。」

「たまにはいいでしょ。どうせ、スーパーで夕飯買ってきても、同じぐらいだし。」

「へいへい。その代わり、お酒の量はしっかり守ってね。それは、君の役目だよ。」

「そういえばそうだった。最近はあんまり監視してなかったね。」


こんな感じで、今日も夜更けになっていく。この日を境に、夏の終わりからギクシャクしてた関係も、なんとなく元に戻った。

結局、原因はなんだったのだろうか。僕ら3人の心境の変化だったのか。でも、今が仲良く暮らせていれば、少し先は大丈夫だろう。そう、思っていた。



今日はこの辺で。

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