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Append Life 71 Hobbies save lives. 持つべきものは趣味を共有する人 その6

「お互い歳を取ったってことでしょ。もう現役じゃ戦えないんだよ。」

「そうだよなぁ。まさか、夜ふかしってのがこれだけ堪えるようになるとは思ってなかったんだよ。」

「だからこそのサブスク、ストリーミングじゃない。うまく使えばいいのにね。」

「20数年もやってたことを、いきなり変えるって、やっぱり難しい。結局そういうことなんだよね。」



今も定期的に連絡を取っている、中学の友人がいる。

それは、女性の友人だからだ。キッカケはパプワくんのサントラを貸してあげたこと。

僕も忙しくてあんまり連絡取れなかったから、三ヶ月ごとに喋ってるというわけ。



「3ヶ月前にガンダムSEEDの話してたけど、まさかサブスクに入るとはね。」

「鉄は熱いうちに打てというし、ガンダムは普遍的な人気と、一過性の人気が作品で分かれる。SEED当時は、キラとアスランで盛り上がっただろ?」

「そうだったのかな。まあ、アニメ誌もそうだったし、同人界隈はどうだったんだろう?」

「見てて思ったけど、あれだよ。同窓会。なんかそんな気分になった。あの頃は毎週アニメ見て、それに一喜一憂してたんだなって。」

「シン・エヴァ見た時もそんなこと言ってたよね。卒業式の立会だっけか。」

「そそ、三つ子の魂とよく言うけど、25年もエヴァを見てきた。僕の人生の2/3はエヴァと一緒だった。卒業式って言うとアレだけど、完走したっていうのは良かったと思ってる。」

「で、今度は同窓会ね。どうだった?その同窓会。」

「変わらないなって思った。それでこそって感じ。小難しいことは無視して、それなりに面白いんだから、良く出来てるんだよ。」

「私は死種で脱落しちゃってるから、ちょっと遠慮してるんだよね。でも、今更見直す必要があるのかなって思うとね。」

「あ~、うん、今は総集編だかがあるから、アレを全部見とけば、それで十分面白いんじゃないかな。続けて見ると、少し違和感はあるかもしれないね。」


「で、今季は何を見てたの?」

「相変わらずゆるいのが多かったかな。金曜日がピークで、お兄様見て、アノス様見て、ガルクラ見て、シャニマス見て。それと日曜日に無職転生とじいさんばあさん若返るを見てた。あと、ワンルーム、日当たり良好、天使つきか。」

「結構見てたじゃん。やっぱり、受動型は時間が合うと見る感じなんだね。」

「とか言うけど、今更にひげひろをプライムビデオで見たりとかもしてた。しぶりんもそうだけど、僕はああいう女子校生には弱いんだろうな。」

「あれ、娘さんも、最初は女子校生だったんでしょ?だから、一緒に暮らしてた?」

「家出少女というか、親に捨てられてしまった娘だったからね。ちょっと事情が違う。ま、詳しくは話せないけど。」

「詳しく聞く気もないよ。私達は趣味友だから、それでいいんだよ。それに、興味があったら、君の奥さんの話だって聞くでしょ?」

「まあ、そりゃそうだ。」

「しかし、見事に続編ものか。あ、ガルクラってどうだった?」

「どう...う~ん、いや、別にそういうものだと思って見れば面白かったと思えるけど、右肩上がりなのが良かったんじゃない。今季は、それを痛感したね。」

「あれ、ということは、逆もあったって?」

「シャニマス。あれ、真面目に何をしたかったのかわからなかった。アニメ作ったって実績作りにも思えたもの。」

「名誉の戦死って言えばいいのかな。名誉にもなってない?」

「同じ予算をゲームの拡充に当てろって思うよ。ま、そこまでする必要性はないのか。だから、今更アニメ作ったのかもな。」

「個人的に気になったけど、じいさんばあさん若返るってチョイスは?」

「あれは完全にキャストの演技興味で見たら、死ぬほど面白かった。ゆるさも良かったし、ちょいちょいヤマを作って、しっかりまとめる。ほぼオムニバスみたいなものだし。あれが究極的な幸せの形なんだろうなぁって思ったりしたよ。ただ、ラストは涙腺崩壊しちゃって、やっぱり凹んだよ。人生には、幸せな終わり方も必要なんだなって。」

「言うね。ちょっと興味出てきたんですけど。」

「歳を取るたびに思うんだよ。僕はしっかり年老いているのかって。ほら、ずっとアニメの話を君としてるとは思ってなかったからさ。」

「ピーターパン症候群ってやつね。でも、アニメを見てるのと、小説を読んでるのと、ゲームやってるのと、どれも趣味だよ。昔と違って、死ぬまで趣味を楽しめる。家族愛が幸せなら、趣味愛も幸せだと思うよ。」

「君のところは、旦那さんが理解を示して、君の趣味に寄り添ってくれるからいいよ。僕は、やっぱり奇妙な目で見られるからね。」

「いやいや、君は多趣味過ぎるんだよ。そして無駄も多いんだよ。でも、それを許容してくれる家族がいる。だから、奇妙な目で見られても、そこはしょうがないと思う。」

「ま、そりゃそうだな。それに、普通は家庭を持ってる人間が、キャラストラップなんか付けてたら、それだけで怒られるもんね。」

「え、それはちょっと引く。さすがにもういいんじゃないの。あ、それと、ワンルームなんちゃらは?」

「見てて、何なる萌豚だった。久々にハーレムで純粋に萌豚アニメって見たような気がする。最近は五つ子みたいなのが多いしね。ヒロインも全員特殊技能みたいなのを持ってたし、単なるラブコメだけど、うまいこと作ったんだなって思ったよ。」



「また遠征とかは行ってるの?」

「どうだろ。最近は、2.5次元系も最近はコンテンツ認知があるから、CSとかに入れば、ある程度は見られるのかもしれないけどね。」

「配信公演か。それも時代か。」

「それに、今は物価高もあるし、観光地には外国人も多い。オーバーツーリズムと言われてるけど、地方にインバウンド需要を受け入れるキャパはないのに、目先のお金欲しさが上回ってるから、どこも強気だよ。それでも大都市圏の公演なんかには、まだ行きやすいかな。」

「じゃあ、遠征と称した旅行はやめたの?」

「旅行は、まあワンクール1回ぐらいかな。うちの旦那が、最近日本酒に凝り始めてね。酒造めぐりとかやってる。だから、インバウンドとかち合うんだよね。」

「アニメも日本の文化と言うけど、日本酒も立派な伝統文化だよ。案外、僕らは日本の伝統文化に触れずに生きていけるから、そのこだわりは重要だと思うよ。」

「だけどさぁ、私はお酒が弱いのよ。もう40過ぎたおばさんが、旦那に背負ってもらってホテルを移動してるって、なんか恥ずかしいじゃん。」

「それは...まあ、僕もお酒は弱いしね。介抱するほうだし、それはそれで頼るのがいいんじゃない。」

「旦那が楽しんでくれるならそれでいいって?でも、迷惑掛けちゃってるのはね。」

「そこは、君がアニメなり、舞台なりを見てるのと同じだよ。あんまり気にすることじゃない...らしいよ。娘が言ってた。」

「ま、お互い、理解のある家族で良かったよね。」

「そうだなぁ。そこは共感するね。」


「じゃ、また3ヶ月後かな。何かしらは見てると思いたいね。」

「何かしらは見てると思うよ。また話そう。それじゃ。」



「ねえ、オトーサン。なんで3ヶ月に1回なの?」

「ああ、それは、アニメのクールが3ヶ月ごとだからだよ。ドラマもそうだけど、日本のテレビ番組は、継続放送を、基本的に3ヶ月に定めてる。だから、3ヶ月の間は、毎週話しても多分何も話すことがないんだよ。」

「ふ~ん、私達とは、毎日話すことがあるのに?」

「生活してるからね。日々の変化を話す。それだけのことが、幸せに思えてくるんだよ。歳を取りたくないよね。」

「いやいや、そういうことがわかるの、ちょっとうらやましいよ。おねえちゃんは、やっぱり私寄りの考え方だし、見た目も40代じゃないしね。」

「別にボーッと生きてても、僕はいいと思う。でも、話すことが、幸せになることなら、それをしたほうがいい。君も、毎日色々話してて、楽しいだろ?」

「なんか、二人で暮らしてた時って、もっと緊張感あったような気がするけど。」

「そりゃあ、君を傷物にするわけにもいかないけど、それ以上に、君に僕のことをあまり知られたくなかったんだよ。今と違ってね。」

「カッコつけてたんだ。」

「そりゃ、現実離れした出来事が起きて、自分が好きだった娘が、おじさんになった自分の目の前にいるとなると、やっぱりちゃんとした大人を演じる必要があったんだよ。」

「でも、私は今のオトーサンも好きだぞ。まあ、カッコよくはないけど、頼れる父親。それよりも、私の彼氏なんだからね。子供扱いするんだから。」




今日はこの辺で

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