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Life 59 I hope you find your girlfriend attractive. 恋人モード その2

日曜日、おそらく昼頃

「......て、もうお昼だよ。」

よく聞く声が聞こえる。あ、そう言えば、娘と二人きりだったっけか。

「...おはよう。」

布団から顔を出してみた。娘は布団から出ていた。

娘は相変わらず...あ、裸だから破廉恥とは言わないのかな?どうなんだろう。

そんなことを考えてると、

「どうせ、私のこと見て、エッチなこと考えてたんでしょ?」

ふむ、う~ん、胸もしっかりあるし、腰もくびれが出来て、お尻もなかなか。自分の娘という認識だと、こんなにエッチな娘に育てた覚えはないんだけどなあ。

「なに、もしかして弁解もないとか?」

「うん、弁解も何も、エッチな体つきになったなって感心してただけ。」

「...なんか、複雑だね。親に見られてると思うと恥ずかしいんだけど、恋人に見られてると嬉しい感じがする。」

「あれ、まだ恋人の時間じゃないの?あの人は帰ってきてないよ?」

「あ、そうか。じゃあ、堂々と...いや、君もお昼だから少しは自重しなよ。」

「残念。自重出来そうにないかな。どうせまたシャワー浴びるんだから、1回ぐらいいいでしょ。」

「なんか積極的。じゃ、お風呂でしちゃおうか。」


箱があったら入りたいとはまさにこのこと。自分の歳を考えろよ。僕。


そうして、娘の髪を乾かす僕。娘はなぜか上機嫌であぐらを書いてる。当然、破廉恥なカッコだ。

「なにかいい事でもあったの?」

「恋人に髪を乾かしてもらってる。いつもはオトーサンだけど、それだけで気分が違うんだなって。」

「やってることは同じだけど、気分が違うってこと?」

「そういうことになるのかな。一応さ、オトーサンじゃなくて君って呼んでるけど、別にいいでしょ。」

「いいも何も、前はオトーサンじゃなかったじゃん。ずっと君って呼んでたよね。」

「そうだったっけ?」

「そうそう。あの人が現れてからじゃない、積極的にオトーサンって言ってるの。」

「そっか。おねえちゃんに対しての、オトーサンだったんだ。」

「別に僕もオトーサンと呼ばれるのに、嫌なわけでもないしね。」

そういえば、髪の毛も長くなってきたなぁ。なるべく枝毛にならないようにしないといけないよね。

「髪の毛、どこまで伸ばすつもり?」

「う~ん、今のところは胸のあたりかな。十分長いと思うんだけど。」

「それ以上長いと、今度は君を立たせて乾かすとかになっちゃうもんね。」

「椅子に座ってやってもらうって方法もあるけど、この家ってそういえば椅子ってないよね。」

「...ああ、言われてみると、椅子ないね。」

「どうしようか?」

「別に、そこまで伸ばさなければいい話だよ。要は、またエッチな言葉だけど髪ブラ出来るぐらいの長さがあればいいんじゃない。」

「君は、そっちのほうが喜ぶ?」

「うん、君は君らしく個性があったほうがいいよ。しかし、魅力的な体でエッチな表情も出来る、親としては、これほど心配なことはないんだけどな。」

「知っての通り、私は君だけが恋人だから、安心して。もちろん、君の望むままにしてあげるよ。」

「じゃあ、早速なんですが、よろしいでしょうか?」

「うん、なにか?」

「今あぐらを書いているショーツから、はみ出している毛をどうにか処理してもらえないでしょうかね。正直、そこまで堂々とされると、僕もどうしていいか。」

娘の顔が一気に真っ赤になった。そして、立ち上がると、無言でまたお風呂場に行ってしまった。


数十分後

ドタドタドタと、娘がリビングに出てきた。

「こんな感じでどうかな?」

思わず手で目を覆ってしまう。そんなにまんまを出されても困るんだよね。

「あのさ、どうかなと言われても、僕もさすがに女性器を堂々と見る趣味はないって。」

「きれいになったでしょ。パイパンってやつなんだっけ。おねえちゃんもしてるよね。」

「キレイになったから、とりあえずショーツ履いて。ね。」

僕の立場はどういうところなんだろうか、はっきり言ってよく分からない。あの人に見せるならともかく、恋人には手入れ後の姿なぞ見せないだろうに。


「そういうところがまだまだ子供なんだよな。君の場合。」

「そうなのかな?だって、君に見せるのに、恥ずかしいことなんてある?」

「う~ん、親しき仲にも礼儀ありとは言うし、一応、男女の仲だから、恥じらいみたいなものは持ってたほうがいいと思うよ。」

「そっか。ごめん。なんか私がはしゃぎすぎたよね。」

「そうだなぁ。今15時ぐらいだっけ。少し、落ち着きに、ファミレスでも行こうか。」

「お昼ごはん食べていい?」

「ま、大丈夫じゃないかな。」


とりあえず外に出られるように着替える。彼女はいつもの帽子を強奪する。多分、この娘は長髪で帽子を被ってる娘の認識に変わってきてるだろうな。

「ん?」

いつものように左手を出してきたので、

「うん」

右手で繋いであげた。恋人繋ぎ、あれって、暑くなると、相手に汗がついてそうで、なんかイヤなんだよなあ。


いつものファミレス。日曜とあって、さすがに満席...と思いきや、カウンターがたまたま2席並んで空いていた。

そこでいいでしょ?となだめて、彼女と席に着き、注文する。

思った以上に猫型配膳ロボットがウロウロしていて、ドリンクバーも経路を考えちゃうね。


なにか、つまらなそうにしている娘がいた。

「どうかした?」

「うん、対面席がよかったなあって。」

「そう?僕は、君の横顔を見るのも好きだけどね。」

「そういうとこだぞ。その気にさせちゃうセリフ。」

「いや、本当に君の横顔を見るのは好きなんだよ。毎回、成長が見て取れる。だんだん大人になってる。けど、あどけなさがなくなっていくのが寂しかったりね。」

「君は、やっぱり私を娘として見てる方が自然なんだろうね。恋人として見るよりも、そっちのほうが違いが分かるんじゃない?」

「それは君に失礼だよ。君の横顔を見るのが好きなのは、どんな立場だろうと本当。なら、それでいいんじゃないかな?」

「上手くごまかされてる気分なんですけど。」

「うまい励まし方ができないな。その、うん。ごめん。」

「知ってるよ。君が不器用で、こういうときに気の利く言葉が出てくるとは思ってないもん。」

「そっか。」

「でもね、私の横顔を見るのが好きって言ってくれるのは、嬉しいよ。」

「そうだね。僕はすごく不思議な立場で君を見てるから。親としても見なきゃいけないし、恋人としても見なきゃいけない。でも、いつも言う通り、親目線になっちゃうんだよね。」

「エッチしてるときも?」

「さすがにその時は恋人だと思ってる。でも、どこかで親としての背徳感もあるんだよ。」

「そうだよね。自分の娘を恋人だと見てくださいなんて、普通の家庭じゃないもんね。」

「でも、僕はそのおかげで、君の成長のすべてが見られるってわけだね。精神的にも、肉体的にも、こんなに魅力的な女性をほっとく世の中がおかしい気もするけどね。」

「そこは、君だけが好きの対象だからね。だれも、君には勝てないよ。」

しかし、これが近い将来、どこかで覆さないと、娘が自立出来ないのではないかと思ってしまう。

「どうしたの?」

一瞬の間を彼女が見逃さなかったみたい。

「いや、いつまでこうして一緒に遊んでくれるかなって。」

「ずっと遊ぶに決まってるじゃん。私は一生、君が好きなままだぞ。」

苦笑いしながら。

「一生か。まだまだ長いね。でも、ロールモデルがあるから、君のほうがいい目に合うかもね。」

「おねえちゃんのこと?でも、私は私だよ。」

「そうだね。君は君だった。僕も、もっと魅力的な君と遊べるの、楽しみにしようかな。」

ちょうど、脇には猫型配膳ロボットがやってきた。

「料理が来た...って、君、こういうところでもとんかつ食べるのね。」

「好きなものがあったら、それを注文するのが私の生き方なの。」

「君らしいね。元気をもらえるな。君の生き方は。」

そう、考える必要はなかった。彼女は常に元気に、最高の生き方をしている。僕は、それに乗っかるだけでいいんだな。



ガチャ

「ただいま~。はぁ、やっぱり家が一番かな。」

「おかえり。向こうは楽しかった?」

「活気があるわよね。やっぱり、都会暮らしにはない潤いがあるわよね。」

「そか。気持ち、あなたも若く見えるし。」

「気持ちじゃなくて、美味しいもの食べてきたから、実際若くなってきたかもよ。」

「そうだね。それならよかった。」


「ただいま~。」

「あ、おねえちゃん、おかえり。」

「楽しかった?私からのプレゼント?」

「うん、楽しかったよ。ね。オトーサン。」

「意外とこの娘、大人でびっくりしたよ。本当に大人になっちゃったんだなあって。」

「でも、二人で夜中までゲームやったもんね。」

「久々で、体力がついていかなかった。まあ、さっきファミレスで補給してきた。」

「二人が楽しかったなら、それで十分かな。まったく、元気がありあまってるんだから。」



定例会

「しかし、あなたが3日空けることなんてなかったと思ってたけど、意外となんとかなったよ。」

「あの娘もしっかり成長してるのよね。」

「あ、いや、家の中のことはほとんどやってないよ。洗濯とお風呂掃除ぐらい。」

「私達が甘いのかしらね。でも、出来ないことをやらせるのも無理だしね。」


「ねぇ、僕と一生遊ぶって言ってるんだよね。」

「あの娘にいい人がいればいいんだけど、合コンにでも期待してみようって感じなのかしらね。」

「僕らが元気なうちはいい。でもさすがにもっと老け込んで来たおじさんと、適齢期の女の子がデートしてるってのは、やっぱり現実的じゃないかなって。」

「そうねぇ。あの娘、やっぱりあなたなのよね。」

「多分、なつくことはするんだよ。でも、本気で好きになって行くことは、やっぱりないのかなって。」

「こればかりは私達がどうすることも出来ない。あの娘の気持ちが動く人がいればいいんだけどね。」

そう。あの娘はあの娘の時代に生きるべきだと僕らは思っている。だから、僕よりふさわしい人がいるはずなんだと思う。今は、暫定的に僕なだけ。でも、そう思っても、あの娘の気持ちはどんどん強くなっていくだろう。どうしたものだろうかな。



今日はこの辺で

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