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Append Life 63 Hobbies save lives. 持つべきものは趣味を共有する人 その2

「で、継続視聴が5本とか、どうしちゃったの?」

「どうしちゃったの?じゃないよ。なんか見る時間がなくてさ。」

「そういうものなの?ATX加入者なのに?」

「大体、アニメ女子部で今ご近所物語やってるんだぞ。あんなん、1年以上続くんじゃね。」

「いいなあ、スカパー見られるような環境が欲しいよ。ウチの旦那はその辺許してくれないんだよ。」

「子供いないんでしょ?だったら、もうちょっと余裕を持って生活してもいいんじゃない?」

「いや、多分、遠征とかで家にいない時があるのが良くないのかもね。でも、推し事だからしょうがないじゃん。



今も定期的に連絡を取っている、中学の友人がいる。

それは、彼女と呼ぶように、女性の友人だからだ。

僕も忙しくてあんまり連絡取れなかったから、久々に喋ってるというわけ。



「しかし、なんだろう。以前ほどアニメを見る情熱が本当になくてさ。」

「とうとう卒業って感じなのかな?趣味を続けるって、意外と辛いこともあるもんね。」

「いや、ほら、僕も結婚する前は、年中ATXを付けてる感じだったけどさ。」

「家族を持つと、その辺は仕方ないんじゃない。でも、テレビの主導権はやっぱり譲れないと言うか。」

「娘ちゃんがPS5買ったんでしょ?だったら、モニターでも一つ買ってあげればいいじゃん。」

「まぁ、話は出たんだけど、彼女が延々と夜更かししてまでゲームやってても、それは嫌だしね。」

「で、結局妥協点として、ラブコメだけ見るようになったんだ。トニカクカワイイとか、女神のカフェテラスとか。政宗くんのリベンジRとか。」

「あとは声優バラエディを、二人がいない時に見てる。こっちのがメインだよね。」

「やっぱり、私は君と一緒に暮らしてたら、一番幸せだったかな。」

「なんでそうなる?僕の稼ぎだと、君の推し事も出来ないし、なにしろ、二馬力だから、君も大変になっちゃうよ。」

「冗談だよ。そういうところは真面目なんだよね。でも、心配してくれてありがとう。今の旦那様には私の趣味を理解してもらえてるから、感謝だよ。」


「あれ、そう言えば子供いるんだっけ?」

「うちは結婚が早かったからね。その分、子供へのプレッシャーは常にあったよ。でも、全部はねのけた。」

「それって、もちろん二人で話し合ったんだろうけど。」

「シンプルだったよ。私は私の生活を崩したくない。旦那の親がやっかみを言ってきたりしてたけど、旦那様が守ってくれた。あくまで、ウチの家庭の問題だからってね。」

「いい旦那さんだよね。」

「そう、ウチの旦那様は、私にとっての救世主。おかげで、今じゃ遠征も旅行と行って、一緒に観光地めぐりしたりしてるよ。」

「忙しそうだな。トラベルライターにでもなれるんじゃないか。」

「お、いいね。副業として考えておこうかな。」

「でも、僕みたいに40過ぎて結婚するならともかく、子供を育てようとは思わなかったの?」

「私は、子供より自分の趣味を取ったんだよ。ある意味、罪深い女だと思ってる。でも、旦那様は、君の思うままに生きてほしいから、それでいいよって。」

「そこまでに至った理由を教えて欲しいよね。でも、ウチも子供を育てることからは、やっぱり二人で相談した結果だから、いいかなって思ってる。」

「今は多種多様な時代。少子化よりも、自分の幸せを求めたっていいと思うよ。君たちも、そうでしょ?」

「そうだね。ま、ウチは連れ子がいるから、その点ではまだまだ手がかかりそうだけどね。」

「いいと思うよ。君が楽しんで生きていられるなら、これ以上面白いことはないよね。」


「でさ、結局はツルネを見なかったんだよね。」

「無論。僕も面白さが良く分からないんだよ。アレだよ、競走馬学校のやつと一緒。うたプリぐらいはっちゃけてるとみたいかなと思うんだけどね。」

「ま、いいよ。それにしたって、5本というのは、緊急事態な気がするよ。」

「マイスターとしては、もっと紹介したいアニメがあるって?」

「そうだね。私の幸せな結婚とか、案外君に合うアニメでしょ。」

「可愛い子がめがねを忘れたも合わせて、一応録画してる。いや、面白いけどね。」

「あ、そう言えばバディゴルだっけか。アレは面白かったよ。なんか、スカッとするね。」

「前半と後半で結構テイストが変わるけど、まとめてみてみたらすごく面白かったよね。こういうアニメ、年1ぐらいであると嬉しいんだけどな。」

「アレ、スパイとか見てないんだっけ?」

「スパイと言ったら、スパイ教室になっちゃうな。アレも面白いけど、イマイチ世間の評判が良くないというか。」

「自分が面白いと思ったら、それでいいんだよ。アニメが20本しか放送されてないならともかく、40本は軽々と1クールにある時代だから、いちいち世間の評価に左右されますかってね。」

「ま、確かにそうかな。」


「いつも落ち込んだときに、聞く曲があるのね。」

「へぇ~。どんな曲?」

「Wonderful Lifeって酒井ミキオさんの曲。」

「酒井ミキオって久々に聞いたけど、確かプラネテスのEDだった曲だよね。」

「アレ、「素晴らしい人生だから、自分を愛する勇気を持とう」っていう歌詞があってさ。」

「自分を愛する勇気か。」

「自分が好きな人はいると思うけど、自分を愛してる人はあまりいなそうじゃない。そこに勇気を持つのはいいよね。」

「いいことを聞いたかもしれない。僕もちょっと迷ってたからさ。」

「そ、自分の人生は誰も体感することじゃない。そうやって生活を送ってる自分を愛すること、それに勇気を持つことはいい事だよ。だから、推し事ね。」

「僕も、家族と楽しく生きていられることに不安を感じてたけど、僕の人生だから、幸せに生きていいのかもね。」

「そうそう。君を理解する奥様と、娘ちゃんがいる。君は、君のまま誇って生きてていいんだよ。」

「なんか、ごめんね。気を使わせちゃって。」

「私にも言ってるんだよ。ついつい、忘れちゃうからね。ありのままの自分を愛してあげる。それを誇りに持つ。大切なことだよね。」


「じゃ、今日はこの辺で。」

「また、落ち着いてアニメが見られる環境に戻るといいね。家族と仲良く相談しなよ。」

「ははは、ありがとう。また、3か月後にね。」




「素晴らしい人生だから、自分を愛する勇気を持とう、か。」

「大切なことかもね。僕も、あなたも、お互いばかりを思ってたからさ。」

「私は私。そして私の人生、今は幸せだもんね。そんな自分を愛してあげる、なんか、しみるわね。」

「そうだね。僕も、自信をなくしがちだけど、それを聞いて、僕もいいのかな?って思って。」

「あなたに足りないのは、自信なのかもしれないけど、同時に甘さもあなたのいいところだからね。そういうあなたを、あなたは愛してる?」

「今まで考えたことがなかったもん。それに、自己弁護みたいな考え方にも思えるじゃん。」

「解釈違いか。でも、あなたはもうひとりじゃないし、あなた自信も愛する勇気を持つには、いい環境だよ。」

「一つ、お願いしていいかな。」

「なに?出来ることならやる。」

「定期的に、僕自身が、自分を愛する勇気を持てるように、背中を押してくれる?」

「当たり前じゃない。私の自慢の旦那様。あなたが自信をなくしたときには、私が思い出させてあげようかな。」

「...ありがとう。たまに弱音を吐くけど、これからもよろしくね。」



そう、僕の人生は素晴らしかった。これからも素晴らしいはずだ。だから、君達が僕を押してくれる。そのおかげで、自分を愛することにしようと思った。

共依存してるけど、三人とも、お互いだけじゃなく、自分も愛して行こう。そして幸せに生きていけるといいな。




今日はこの辺で

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