Append Life 52 The world I dreamed of is also my world もう、離婚だよ!!
夢の中の「離婚」騒動
休日の朝、娘の寝言で目が覚めました。
「もう、離婚だよ!!」
僕が驚いて尋ねると、彼女は楽しそうに笑いながら、夢の中での出来事を話し始めます。
夢の中では、僕たちが結婚していて、3人の子供がいる設定でした。しかし、僕が突然仕事を辞めて「趣味人」になると言い出し、娘は「離婚」を突きつけたというのです。
ダメ人間だけど、大好きなオトーサン
僕と彼女は、娘が見た夢について話し合います。
僕は、夢の中の自分が「ダメ人間」として描かれていることに複雑な気持ちを抱きつつも、娘の「好きになってしまったから、離れられない」という言葉に、深い愛情を感じます。
彼女もまた、夢の中の僕が「趣味人」になるという突拍子もない行動に驚きつつも、「それを愛想を尽かさないあたり、あなたのこの人への思いが感じられる」と娘の気持ちを代弁します。
夢と現実の境界線
僕は、夢の中の自分と現実の自分とのギャップに戸惑いつつも、「君が見た夢の中の僕だって、君なんだから。そういう夢は好きに見ていいよ」と娘に優しく語りかけます。
娘は、夢の中の僕が「冷静な判断ができる」という、僕のいい部分を受け継いでいることを知り、嬉しそうに微笑みます。
結局、僕たちは休日の朝から不毛な議論を繰り広げた後、一緒に二度寝をすることにしました。夢の中ではどうであれ、現実では3人で幸せに暮らしている、その事実を噛みしめるように。
「もう、離婚だよ!!」
「え、誰と?」
今日が休日で良かった。
「いや、最初、寝起きに本当に離婚の話かと思って、どうすればいいか分からなかった。」
「あはははは...。ごめんなさい。」
「その割に楽しそう。顔が緩んでる。なにかいい事あったの?」
「ふうん、僕が、そんなにダメ人間に。」
「ちがうちがう、オトーサンはダメ人間じゃないけど。」
「いいじゃない。世間的にはダメ人間だと思うぞ。」
「だけど、君も突拍子もないよね。まさか僕と結婚したなんて。」
「いいじゃん、勝手に見てる夢なんだから。許してよ。」
「ある意味理想の家庭?あ、でもおねえちゃんは寂しいなあ。」
「え、3人。この少子化に3人目?」
「オトーサンが働かないから、私が家族を支えるの。」
「そういう時の大黒柱でしょ。もっとしゃきっとしなさいよ。」
「...そうか、僕は無職になっちゃうのか。」
「だから離婚。でもオトーサンのこと、見放せないよ。」
「優しいのよね。だけど、稼ぎ頭にならなきゃ。」
「「「う~ん」」」
「やっぱり、僕ってそんなにダメな感じなのかな?」
「そういうわけじゃないよ。でもね、私の夢の中では、オトーサンは完全にダメな人。だけど好きになってしまったから、離れられないの。」
「そうよねぇ。いくらギャンブルはやらないにしても、突然降って湧いたように趣味人になります宣言なんて、ちょっとおかしいわよね。」
「でもさ、趣味人ってのもカッコいいと思わない?そこを突かれた感じだよね。」
「甘いわよ。趣味人ってのは穀潰し。まして、子供が3人もいるのよ。それでも愛想を尽かさないあたり、あなたのこの人への思いが感じられるかな。」
「...この話、いつまで続けるんですか?」
「そりゃあ、私の夢の中のオトーサンが復縁を申し込んでくれるんだったら、めでたしめでたしだけどさ。」
「君の夢の中の僕に、流石に声は届かないだろうからなあ。」
「しかし、この娘の夢。ディティールがやっぱり高いのよね。今頃、子供が3人いるとか、日本の少子化対策に貢献してるわ。」
「絶対可愛いよ。オトーサンと私の子だよ。」
「まあ、大きくなった時に、性格に難のある子供に育ちそうだわ。我が娘を見て、なんとなくそう思うかな。」
「私は性格に難ありなの?そんなぁ。」
「違う違う。素直な性格だけど、この人の妙なところだけそっくりになってるのが、気になってるだけよ。」
「僕の妙なところ?」
「得体の知れない何かよ。普段のあなたじゃ出てこないけど、その時が来たら、異様に落ち着く感じよ。それをこの娘がしっかりと引き継いでる。」
「妙なのかな。でも、いい事だと思ってるよ。何をするにも冷静さは欠けたら、物事の良し悪しがわからなくなって、判断が利かなくなるからね。」
「私がそれを引き継いでるってこと?またまた、そんなぁ~。」
「いや、本当だよ。今の僕があるのは、その冷静な判断が出来る、君の存在も大きいよ。」
「えへへへ、ありがとうオトーサン。」
「で、その3人の子供を育ててる時に、急に会社をやめて趣味人になると。」
「さすがのオトーサンにも、これは離婚をだと思ったの。そして、可愛い子供たちは私が頑張って育てて行くの。」
「養育費の案件だね。あなた。」
「いきなり、僕の預かり知るところでない場所で、僕と離婚した上、養育費を取られるとか、やっぱりにわかに信じがたいんだよなあ。夢だともっとダメ人間なのってどうなのよ。」
「確かにそうね。夢だったら都合の良い展開になってもおかしくないものね。でも、この人が現実以上にもっとダメ人間になるって、相当な気がするわ。」
「なんでだろうね。私のオトーサンへの愛が歪んでるのかな?」
「いや、痛いほど愛されてるって感じる。幸せ半分、重圧半分。」
「まあ、なんでもいいわ。休日の朝に、自宅でこんなに不毛な論議をするとは思わなかった。」
「本当にごめんなさい。私の寝言が大きかったせいで。」
「別にいいよ。君が見た夢の中の僕だって、君なんだから。そういう夢は好きに見ていいよ。」
「でも、本音を言うと、寝言は驚くから勘弁して欲しいかな。まったく。
「しかし、まだ7時半なのか。目が覚めちゃった感じするけど、僕は二度寝をしようかな。」
「私も。バイトは午後からだし、一緒に寝たい。」
「賛成ね。休みの日ぐらい、もう少しは寝させて欲しいかな。」
「それじゃ、ベッドで快適にダラダラしましょうか。」
夢は、いつも突拍子がない。だからこそ、僕は娘と結婚してることになってたらしい。僕は夜に夢を見たら、発作が起こってしまうけど、それはすごく悲しくて、辛いことだ。。
まあ、興味がないと言えば嘘になるけど、夢の中で、僕らがどういう立場であっても、幸せでいて欲しいな。
今日はこの辺で