Append Life 66 Hobbies save lives. 持つべきものは趣味を共有する人 その3
「見てない。」
「はあ?どうかしてるんじゃない?」
「う~ん、録画したりとかはしてるんだけどね。」
「それを見てないと。う~ん、君は、本当にアニメオタクだったの?」
今も定期的に連絡を取っている、中学の友人がいる。
それは、彼女と呼ぶように、女性の友人だからだ。
僕も忙しくてあんまり連絡取れなかったから、久々に喋ってるというわけ。
「そうだねぇ。う~ん、今期は、なんかそれほど頑張ってみようとも思ったりできるアニメがなかったというか。そもそもに何をやってたのかがわからないんだよね。」
「重症というか、なんかそれ、よほど私生活で事件でもあった?」
「まあ、奥様と話す時間も多かったし、あんまり見ててもなんか集中出来なかったというか。」
「「好きな子がめがねを忘れた」とか、「私の幸せな結婚」とか。あ、「スパイ教室」も2期目やってたね。それを一つも見てないってのは、なかなかできることじゃないよ。」
「なんかぶっ込んで来てる感じがするけど。どうしたもんかね。僕もATXを解約しようか迷ってるレベルだもんね。」
「そこは、自分のお小遣いで維持しましょうよ。君だけなんだもん、私に付いてこれるオタクって。」
「いやいや、それほどついていくほうではないと思うよ。」
「でもFree!は最後まで見たんでしょ。普通は、2期ぐらいで挫折して、大学生の辺りはスルーするよ。」
「人が多いからな。あの辺は誰が誰だかよくわからん感じはある。」
「まあ、でもしょうがないよね。それが、君の生活になってきてるってことだもんね。」
「やっぱり、結婚すると変わるもの?」
「君が今更それを聞くの?変わるも何も、それまで生活したことない人と、40過ぎになって暮らすって、やっぱり変化するよね。」
「案外、アニメを見る人間としては後悔してる?」
「う~ん、0時更新のガチャゲーのログインがむすかしくなってるぐらいかな。みんなで布団に入って寝るスタイルだから。」
「仲がいいんだね。」
「それは、そっちもそうじゃないの?」
「うん、まあ、仲はいいと思うし、私の趣味で聖地巡礼の小旅行に連れて行ったりすることも多いけど、嫌な顔をすることがないから、ちょっと気になってるんだよね。」
「なんか、うちの奥様いわく、好きな人の生態系を見てるだけで面白いってよく言われるけど、君の旦那さんも、そんなところじゃないかな。」
「言うよね。でも、それが本当に正しいのかって話。彼はね、咎めることをしたことがないの。私が常識の範疇で動いてることもあるとは思うけど、そんな旦那っているのかな?」
「僕は立場があまり強くないし、下手すれば娘にすら上手に出られないから、そういう意味では、ほとんど咎めることはしないかな。」
「それならそれでいいんだけどね。なんか、そういうところが不思議に思えてくるんだよね。たまには、怒られたいのかな。」
「ほら、あんまりミスするような人じゃない...まあ、趣味に関してはともかくとして、それはあるけど、別にコスプレしたり、世間の人に迷惑を掛けたりはしないでしょ?わざわざ怒るようなことをするわけじゃないんだろうね。」
「そんなもんなのかな。」
「それに、もし束縛がきついようなら、僕との長電話も許してもらえないと思う。君の旦那さんは、君を理解した上で、口を出さないようにしてるんだよ。ま、君が恐妻だったら、逆なのかも知れないけどね。僕にはよくわからない。」
「で、その点、仲良し家族は?」
「うちは、そこまで意地をはるとか、そういう人がいないし、ある意味主体的に動くのが、娘だからね。僕らは完全にあの娘の保護者。だけど、娘にも欠点はあるけど、ガミガミは言わない。理解できる言葉で、論理的にダメな理由をちゃんと説明すれば、あの娘は理解してくれるんだよ。」
「奥様には?」
「あの人に言える立場じゃないよ。僕のほうが子供だ。やっぱり、娘とノリで動いちゃうと、怒ってくれるから、それだけで嬉しいものよ。この歳になるとね。」
「君と喋ってると、時々面白いなって思うよね。今までは人と話してないんだなって感じの話し方だけど、今はそんな感じがしない。それだけでも、違いがあるんだなって思う。言葉が柔らかいというか、馴染んでるというか。」
「自分じゃ自覚はないけど、やっぱりひとりごとに対して、会話が生まれると、人はしっかりと話を伝えようとして、頑張ってみるんだなって思う。言っていいかどうかわからないことでも、家族になら、話していいかなって思うときも多いしね。」
「なるほど。多分、アニメを見なくても、会話が楽しめるから、そっちが面白くなってきたという感じだね。」
「案外的を得た答えかもしれないね。でも、見たいって思える作品がなかったのも事実ではあるしね。特に、前期はU149とバディゴルがあったからさ。」
「ああ、まあ、君はそこで萌え尽きた感じなのかもね。これと言って本命なもなかったしね。」
「あれだ、魔法学院の不適合者の続きは最後までみたな。」
「半年で1話を4回やったんだっけ。なんか、スケジュール調整とかもうあってないものな感じするよね。
「だなぁ。アニメ業界も厳しいのかもね。見られるだけで、ありがたいのかな。」
「ねぇ、今期はさすがになにか見る?SPY×FAMILYとか?ヒプマイとか?」
「う~ん、「16bitセンセーション」かな。あと「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。」とか。」
「コメディばっかりだけど、まあ、それはそれでいいのかもね。一貫性があるよ。」
「盾の勇者とかゴブスレ2とかもやってるから、これはこれで興味はあるけどね。あ、ヒプマイはいいです。」
「やっぱり秋アニメって、なんかヒットしそうなアニメが多いよね。前期がなんとなく不作だったり、再放送だったりがおおかったからね。」
「う~ん、やっぱり時間が足りないな。リアルタイム視聴させようかな。ATXの金曜日とか真面目にそういう感じだわ。」
「ほら、娘ちゃんはゲーム好きなんでしょ?そこからこちらの道にズブズブとね。」
「ならないよ。あの娘はやたらゲームやるけど、今はFF6のピクセルリマスターとかやってるからね。見てて面白いよ。なんか昔の僕みたいだよ。」
「う~む、せめて奥様は腐女子属性ない?」
「僕と同じでアニメに突っ込むほうの人だから、もうどうにもならないでしょ。しかもアニメ見てる僕を見てるのが好きだって言ってるぐらいだし。」
「いやぁ、愛されてるね。うちの旦那も...いや、そんなもんなのかもね。見守るのも楽しいっていうのは、なんかわかる気がする。」
「そうだなぁ、娘のゲームプレイを見て、僕も考えることがあるから、まあ、そういうものなんだろう。無償の愛ってやつ?」
「無償の愛か。いいねぇ。やっぱり君はどんなアニメでも好きになる素質がありそうだけどね。」
「まあ、そろそろ地上波だけでもいいかなって気もするけど、とりあえずしばらくはATXも続けて行くよ。」
「あんまりボルテージあげてアニメ見すぎててもダメだぞ。しっかり生活しろよ。」
「ああ、また3か月後に。」
「オトーサンってさ、割とラフに恥ずかしいこと言ってたりするよね。」
「心配はしてないけど、あなたが寡黙なのもなんかおかしいし。」
「それより私のFF6見てて面白いんだ。やっぱり懐かしい?」
「僕はやってたのは中1だったからさ。大人になると、色々敵のこととかも考えちゃうよねって。」
でも、今期は楽しみなアニメも多い。きっと見られるものも多いだろう。
今日はこの辺で、