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しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


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ベスとの距離感

 俺のおかげでアルバトロスの街が活性化しているというのはどういう事だろうか?


「レオン様、俺がアルバトロスの街となんの関係が?」

「エドが発明したものや、ドラゴンとメガロケロスを連れてきたことで、人の動きが活性化しているのだ。今は危険があると街の動きが一時的に止まってしまったが、脅威が無くなったのですぐに人の動きは戻るだろう」


 ルーシー様を治療するために冒険者や騎士を動かした事や、ルーシー様が滞在していることでの忙しさもあるが、俺が関係して動かしている人数の方が実は多いようだと、レオン様が教えてくれた。


「ベスに凶悪犯を任せたのも、人と物の流れが滞ったことで予想以上に問題が起きたからだな。森の問題はあるが、王太子妃殿下の治療が終わったので余裕はあるだろうと油断していた」

「レオン様、なんかすいません」

「エド、謝ることはないぞ。むしろ辺境伯としては、アルバトロスの街が活性化しているのだから嬉しいのだ。貧民街で人が足りなくなれば、近くの集落まで仕事が回るようになるだろう。そうすればアルバトロスだけではなく、私が治める地域全体が活性化することになる」


 更には手伝いをお願いした貴族にも配った結果、すでにアルバトロスの外に俺が作り出した製品は運ばれているらしく、今後は海から他国にも輸出することを考えていると話してくれた。


「かなりの税収が期待できそうなのだ。だから貧民街で家を無くした者に家を用意するのは問題が無さそうだ。森の近くに住んでも問題なさそうな貧民街の者がいるなら、移住してもらうのも手だな」

「森の近くにそんなに人を住まわせるんですか?」

「井戸で生活するのは限界があったので想定を小さくしていたが、川ができたことで想定以上に人が住む事が可能になったようだ。将来的にアルバトロスは、森の近くまで大きくなるかもしれん」

「近いと言っても多少距離はありますけど、そんなに大きくなるんですか?」


 森は近いと言っても歩いて移動するとなると、アルバトロスから一時間はかかるような距離だ。アルバトロスが倍以上の大きさの街になるんじゃ?


「今すぐに大きくなる訳ではない、将来的な都市計画ができるというだけだ。街が大きくなるのなら、港の機能も拡張が必要になってくるから、私の世代ではなく随分と先の話になるだろう」

「そういうことですか」


 レオン様のいう通り、アルバトロスの立地はとても良いので、街が大きくなるのなら港は大きくしないと大変なことになりそうだ。そうなると都市計画としては先に港を大きくすることになりそうだが、港を大きくするのなら膨大な予算が必要そうだ。


「エドはやはり貴族の当主として向いているな」

「どういうことですか?」

「今の説明で理解をできているのだ。実際に領地を統治したとしても問題なく治めるだろう。トリスから貴族の知識を教え込んだとは聞いたが、エドの理解力は転生者なこともあって高いな」


 貴族としての常識はまだ怪しい気はするが、どのように統治するかなどの知識は随分とついた気がする。


「エドの勉強を見ているステュアートからは勉強の進行速度が速いので、統治方法や地理については騎士の領域以上に教えていると聞いていますね」

「え? トリス様、そうだったんですか?」

「はい。礼儀作法も騎士であれば十分な知識を教え終わったとのことで、興味がありそうな知識を教えていると聞いています」

「知りませんでした。確かに教えて貰っている知識は面白かったですけど」

「ステュアートも教えるのが面白いと、気づいたら騎士の範囲を超えていたようです。結果的には丁度良かったですね」


 ベスとの結婚を考えて、計画的に騎士の範囲を超えていたのかと思ったら、俺の興味がある部分を、ステュアートさんが教えてくれていただけなのか。実際に教わっている事は、面白いと思っているので当たっている。


「今後は騎士以上を目標に教えるよう伝えておきます」

「分かりました」


 最近はダンジョンに行っている事が多いので勉強の回数が減っていたが、また増やして教わりに来ないとダメなようだ。


「エド、すまないな。転生者であれば多少のことは許されると思うが、ベスと結婚を考えるなら覚えることは増えるだろう」

「いえ、そこまで大変ではないので問題ないです」

「大変ではないか。流石転生者だな」

「どういうことですか?」

「転生者は優秀な者が多いのだ。身体能力だけではなく、記憶能力だったり判断能力だったり色々とな。エドのように大変じゃないと言えるほどの貴族は少ないぞ。騎士の範囲だけでも必死になって覚える者が多いのだ」


 レオン様に言われて気づくが、転生前の記憶では今の自分ほど記憶能力が高くなかった気がする。転生された際に、随分と能力を強化されているのか。


「エドの分からないことはまた聞く事にしよう。今は貧民街の空いた土地をどうするかだな」

「家を建て直すのではないんですか?」

「貧民街は元々は街の外で住宅地として想定していなかった部分なのだ。この際何かを作ってしまいたいのだ」


 アルバトロスの街は城壁がある部分と無い部分があり、貧民街の周辺は城壁の無い部分で、しかも川が近すぎるので住宅地にする予定はなかったが、勝手に住み始めた結果家が増え続けたと話してくれる。


「川の治水工事をしたので洪水になる確率が減った。なので活用したかったのだが、貧民街が別の場所に移動してしまうのも問題だったのだ。住宅地は別に計画したものがあるので、森の近くに住めない者は住宅地になるな」

「住宅地の方が大変な事になりませんか?」

「その可能性もあるが、貧民街をどうにかするのに比べたら楽なものだ」


 住宅地全部が貧民街の住人になる事はないし、問題はないだろうとのことだ。むしろ水場に近い土地を利用できる方が都市としては良いことで、何かの工場でも作れれば嬉しいとレオン様は言う。

 どちらにせよ片付けが終わらない限りは作業ができないと、兵士を派遣するのと、冒険者に瓦礫の片付けを依頼するらしい。


「そんなところか。後はエドたちの報酬だが協会から渡されることになるだろう。だがアンが問題だな」

「私ですか?」

「魔法使いではないからな。私から渡しても良いが、アンの功績も溜まっているしアンも爵位が欲しかったりしないか?」

「いえ。私は特にそういうものは…」

「やはりそうか。急に言われても困るだろうし、家とか金品でも良いので、何か考えておくといい」

「はい」


 アンまで叙爵するのかと思ったら、そうではないようだ。アンも爵位は想定外だったのだろう、断れたことで安堵した様子だ。


「フレッドとドリーも同じように功績があるので、考えておくように。フレッドに関しては、ツヴィ王国との関係上、リング王国の爵位は渡せない可能性がある」

「了解致した」

「ドリーに関してはゆっくり考えればいいぞ。大きくなってから決めても良いのでな」

「うん!」


 それとフレッドがダンジョンを踏破した場合は、ツヴィ王国所属の貴族として踏破した事になるだろうと、レオン様は説明してくれた。フレッドも理解していたのか、レオン様に同意した。


「それでは今日の話は以上としよう。また呼ぶ事になるやもしれないが、その時は頼みたい。皆、今日はベスを補助してくれ助かった」


 レオン様に、いつ呼んでもらっても問題ないと答えた後に、俺たちは屋敷から出て協会へと戻る事にする。帰りの道中に俺はアンに質問する。


「アンはベスが俺を好きだったことを知っていたの?」

「知っていましたし、ベスから聞いていましたよ」

「そうだったんだ」

「エドはドリーとの距離が近いので違和感がなかったのかもしれませんが、貴族以外の市民でも普通はもう少し距離を取りますよ。ベスとエドの距離は近すぎです」


 そう言われるとベスは一緒にいる時は大体隣にいる気がする。俺が気づいてなかっただけなのか。


「フレッドは気づいていたの?」

「拙者も気づいていましたな。アン殿が言ったように普通の距離ではありませんでしたからな。エド殿が気づいていないようでしたし、身分差もあるので言う気にはなりませんでしたがな」

「フレッドも知っていたのか。ちなみに俺が転生者であることは分かってた?」

「拙者もエド殿が転生者であるとは思っていませんでしたな。転生者は普通、双子ですからな」

「ツヴィ王国でも双子なんだ」

「どの国で生まれたとしても双子だと思いますな。エド殿はかなり特殊だと思いますぞ」


 記憶の事といい、やはり俺は普通の転生者ではないのか。


「ドリーも、ベスがにーちゃを好きだったの知ってたよ?」

「え?」

「にーちゃが、服を作るって言った時くらいからかな?」

「ドリーの方が具体的に覚えているのか…」

「エマ師匠と話したから、エマ師匠も知っているよ?」

「エマ師匠まで知ってるのか…」


 ドリーはさらに詳しくベスが喜んでいた時などを教えてくれた。ドリーの方がベスをよく見ているな…


「気づいてなかったのは俺だけだったのか」

「私としては気づかないのが不思議でしたよ」


 アンに追い討ちをかけられ若干俺は凹む。協会に戻ってエマ師匠とエレンさんを誘ってジョーの元に行く。


「ジョー戻ったよ」

「おお! 皆無事で良かったんじゃ」

「騎士で怪我した人も居たけど治療で良くなったようだし、こちら側に死者は居なかったよ」

「それはワシも聞いたんじゃ」

「凶悪犯が転生者だったって言うのも聞いた?」

「それは聞いてないんじゃ」


 ジョーに凶悪犯が転生者で合ったことや、どのように戦ったかを伝えた。そして俺も転生者であることをジョーに言った。


「エドが転生者じゃと?」

「そうなんだ」


 やはりジョーも俺が転生者だとは思わなかったようで、双子でないのかなど皆と同じ質問をしてくる。エレンさんや皆が、俺と凶悪犯が分からない言語で話していたと証言したことで、ジョーも俺が転生者だと納得した。


「そうなると、エドが作り出そうとする物は実際に作れる可能性が高いんじゃな?」

「記憶にあるものを作り出してるから、ずるい気もするんだけど、作れるとは思うよ」

「今はエドにしか作れないんじゃし、ずるいなんぞ気にしなくて良いと思うんじゃ。それより何ができるか楽しみなんじゃ」


 ジョーは何か作れる物がないかと質問してくるが、俺は記憶の中にある物しか作れないし、材料など詳しく覚えているかという問題もあり、必要な物が思いついたら相談する事になった。


「ならまずは合金じゃな。急かしておくんじゃ」


 それから俺はベスと婚約する可能性が高いと、ジョー、エマ師匠、エレンさんに伝えると、エマ師匠とエレンさんが驚いた様子もなく、納得した様子だ。


「あのエマ師匠とエレンさんは知ってたんですか?」

「多少は聞いていましたね。ですが叙爵ができるかどうかは国王陛下に尋ねると聞いたので、返事がまだ返ってきていないのでは?」


 俺はどのように今回の話が出たかを話すと、ジョー、エマ師匠、エレンさんは驚いた様子だ。エマ師匠はダンジョンを踏破すると、貴族になるとは知らなかったようで、そちらにも驚いていた。


「それで、俺以外の皆がベスが俺に好意を持っていたのを知っていたんですが、エマ師匠やエレンさんも知ってたんですか?」

「知っていましたよ」「はい」


 当然のように返された。ジョーにも尋ねてみると、ベスと会った回数が少ないので流石に知らなかったようだ。


「エドはそれで良いのですね?」

「はい。エマ師匠」

「そうですか」


 そう言った後エマ師匠は少し悲しそうな顔をしている気がする。


「エマ師匠は反対ですか?」

「いえ。ベスの相手はエドにしか務まらないと思いますよ」

「ならエマ師匠は何故悲しそうなんですか?」

「悲しそうに見えますか? 自分では乗り越えたと思ったんですが、違ったのかもしれませんね。私は昔失恋したのです。それを少し思い出しただけです」


 エレンさんも知らなかったのか、エマ師匠に話を聞こうとエレンさんは話しかけているが、エマ師匠は詳しい話を話そうとしないで誤魔化し続けた。


「エマ、少しくらい話してくれても良いではないですか」

「私の秘密なのです。話す気はありません」


 エマ師匠はエレンさんから逃げるように部屋を出て行ってしまった。


「ジョーは何か知っていたりしないのですか?」

「ワシも知らんぞ。エマの失恋なんぞ初めて聞いたんじゃ」

「やはりそうですか。色々な貴族や豪商からエマは結婚の話が来ていますが、断り続けている理由が分かりましたね」

「そうじゃな」

「エドとエリザベス様の話で思い出すとなると、エマの失恋の相手はかなり高位の貴族かもしれませんね」

エドが実は超鈍感でした。

小説としてはもう少し気づかせるというか、ベスの行動を入れれば良かったかなと思っています。


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エドにはベス、フレッドにはアン、ドリーにはリオ、カップリング作るために無理矢理生えてきたリオがなぁ 正直キャラ付けも薄いしダンジョンでも飛んでるだけで描写ないしポッと出のリオとドリーくっついたらだい…
[気になる点] >「はい。礼儀作法も騎士であれば十分な知識を教え終わったとのことで、  ◇ ◇ ◇  礼儀作法の教育を終えた割に、未だに目上との会話での一人称が『俺』のまま。  現代日本でも、電話…
[一言] 十分好き好きアピール出してたから気付いていた読者は多かったのでは?
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