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しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


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双子の転生者

 辺境伯の屋敷に着くと、レオン様とトリス様の前に出るには埃ぽかったのか、俺たちはメイドさんに風呂に入ってくるよう言われる。確かに壊れた家の片付けをして汚れていたので、風呂に入る事にした。


「レオン様、あの…」

「エド、聞いている。皆が揃ってからやろう」


 話をレオン様の執務室で行うようで、皆を待つように言われたので、大人しく待っている。皆が揃うと、レオン様がトリス様を呼び話を始めるようだ。


「まずは皆が無事だったことを喜ぼうじゃないか」

「お父様、皆の協力もあって、作戦は成功しましたわ」

「うむ。ベス、よくやった」


 ベスが、凶悪犯がどのように行動したかをレオン様とトリス様に報告していった。


「さて、エドは転生者であったのか?」

「はい」

「そうか。だとしたら双子の兄弟はどうしたのだ?」

「双子ですか?」


 俺はレオン様が双子と言った意味が分からない。凶悪犯は双子がどうこうと言っていたが…


「その反応。エドはもしかして双子ではないのか?」

「俺の知る限りは兄弟は兄とドリーだけで、俺は双子ではありません」

「死んだ長男が双子であった可能性は?」

「兄とは一歳ほど離れていたので、ないと思います。俺が生まれた時に双子だったのかは、ターブ村から移住してきたオジジか、ケネスおじさんなら知ってそうです」

「後で確認してみよう」


 兄との幼少期の体の大きさを考えたら双子ではあり得なく、ドリーは年齢差から確実に双子ではないし、そうなると俺の知らない兄弟がいるかだが、幼少期の記憶を多少覚えてはいるが、俺に双子の兄弟なんて居なかったはずだ。


「レオン様、転生者が双子と何か関係があるんですか?」

「転生者は双子として生まれ、双子と共にダンジョンの奥を目指すのだ」

「ダンジョンの奥を?」

「エドがダンジョンを目指しているのは転生者だからではないのか?」

「転生者だからと言えばそうかもしれませんが、どちらかといえば楽しそうだからですかね? 自分でもよく分からないのですが」


 確かに何故俺はダンジョンに行っているのだろうか? 魔法使いとして生きていけるだけの技量は手に入れたし、お金に関してもエリザベス商会から十分以上な金額を渡されている。


「エドは転生する前に何か言われてダンジョンに行っているわけではないのか?」

「転生前ですか。俺は転生前の記憶が曖昧なんです」

「曖昧とはどういうことだ?」


 神とあった記憶が全ては無いことや、記憶が記録としてある事、記憶を途切れ途切れに思い出したことで転生したという印象が薄い。などのことをレオン様に説明した。


「聞いた限り、エドはかなり特殊な転生者だな。私も転生者に会ったことは無かったが、転生者について話を聞いてはいる。だが、エドのような転生者については聞いたことがない」

「そうなんですか?」

「うむ。トリス、王家は何か聞いてはいないか?」


 レオン様から聞かれたトリス様は何かを思い出すかのように少し間を空けて、俺に話しかけてきた。


「エド、転生時の記憶が全ては無いとのことですが、どの程度覚えていますか?」

「魔法を覚えられるようにだとか、才能をつけてくれるとか、知識をくれるって言ってました。それと後は、名前を聞きました」

「名前は何と名乗りましたか?」

「確か、ショッツと名乗っていました」

「ショッツ、そうですか…」


 トリス様は俺たちに他言しないようにと注意をした後に説明をしてくれる。


「ダンジョンの奥に辿り着いた場合には役割としての名を貰います。いくつかあるのですが、その中の一つがショッツです」


 神ぽいものと言っていた理由が分かった。神ではなく人だったのだ。人だったとしたら、転生させられるなんて凄いが。


「ということは俺を転生させたのはダンジョンの奥に辿り着いた人なんですか?」

「そうです」

「もしかして魔獣が溢れた混乱を収めたのも転生者なんですか?」

「いえ。転生者と呼ばれる者たちが現れ始めたのは、数百年ほど前からだとは伝わっています。魔獣が溢れたのはもっと昔の話ですね」


 転生してきた人が魔獣が溢れる混乱を収めたのかと思ったら、トリス様に否定された。結構な年数が違うような言い方なので、はっきり分かっている事なのだろう。


「先ほどのレオンとの会話を聞いた限りは、エドは転生者がダンジョンに行く理由を知らないのですね?」

「はい」

「ダンジョンの奥に辿り着いた者たちは、転生者と双子の兄弟を、ダンジョンの奥に辿り着かせるために転生させているのです。」

「転生者と双子の兄弟をですか?」

「エドも転生時に魔法を使えるようにして貰ったようですが、転生者の双子の兄弟も同じように魔法を使えるようにしたり、身体能力を上げられます。」


 ダンジョンに泊まることを考えると、一人でダンジョンを踏破するのは到底無理だ。それが二人に増えたところで踏破は難しそうだ。


「二人でダンジョンって難しくは無いですか?」

「エドのように、仲間を増やしてダンジョンに行くのが普通ですね」

「流石に二人では無理ですよね。でも何でダンジョンの奥に辿り着いた人たちは、転生者にダンジョンに行って欲しいんですか?」

「転生者に行って欲しいわけではなく、双子の兄弟の方に行って欲しいのです。ダンジョンの奥に辿り着いた者たちは、ダンジョンの管理をしていますが、交代するための人が欲しいのです」


 そうか。ダンジョンが溢れた事もあるのだし、ダンジョンの奥に人が居ない状態は何かあった時に不味い。そうなるとダンジョンを管理するのに人が欲しいが、辿り着けた人が少ないと交代すらできないのか。


「何となく事情は分かりましたけど、転生者じゃなくて双子の兄弟なんですか?」

「転生者は自由に生きたい人が多いので、ダンジョンに留まる人が少ないのです。なので双子にして、どちらか残ってくれれば良いと考え、双子にしたと伝えられています」

「どちらかだと、どちらも残らない可能性もあるんじゃ?」

「ありますね。なので残ってくれる可能性を上げているため、転生者は意外と数が居ます」


 ダンジョンの奥まで辿り着けるかも分からないし、更にはダンジョンの奥で、ダンジョンの管理をしてくれるかも分からないから転生者は数がいるのか。


「あれ? レオン様は会ったことがないって言っていましたが、結構な人数いるんですか?」

「人数が居ると言っても、リング王国だけで考えるとそこまで居ません。それに転生者はダンジョンに行くことを優先するのもあって、貴族と関わりを持たない場合が多いのです。貴族として転生する場合もありますが、数から言うとそう多くはないですね」

「なるほど」

「それに転生者は死んでしまう場合が多いのです」

「え? 死んでしまうのですか?」

「魔法を暴走させて死んでしまった者を調べたら、双子だったということが多いのです。転生者である確証はありませんが、魔法を暴走させた者が転生者である可能性は高いでしょう」


 今回の凶悪犯と同じか。凶悪犯は魔法を使って生き残れたが、普通だったら即死してしまうのだろう。そう考えたら凶悪犯は運が良かったし、トリス様の話を聞いた限りは双子の兄弟が死んだとしても、生きることや、ダンジョンに行くことを諦めないでも良かったはずだ。

 俺は自分もちゃんと転生していれば凶悪犯のようになっていた可能性がある、なので思うところもあって、トリス様に凶悪犯がどうしてあのような事をしたか話した。


「説明をしてくれる人が居れば良かったですが、残念ながら居なかったようですね」

「はい。凶悪犯は他人だけど、他人に俺は思えなくて。俺も転生がうまく行っていたら魔法を使っていたかもしれないって思ってしまって」

「エドはエドですよ」


 俺は初めて自分以外の転生者に会って死に別れた事で、感傷的になっている自覚はある。そんな俺を気にしたのかベスが話しかけてくる。


「そうですわ。エドはエドですわ。私のために自分の魔法を覚えるのが遅れても一緒に魔法を覚えてくれましたわ。私の鍛錬にも付き合ってくれましたわ。それに私に合う服も選んでくれますわ」

「ベス、でも転生者はダンジョンの奥を目指すんだ、ベスと一緒にダンジョンに行くのはダメなんじゃ?」

「何を言っているのですの? リング王国の貴族が目指しているのはダンジョンの奥ですわ」

「あ、そうだった…」


 転生者とリング王国の貴族が目指している場所は同じなのか。ベスがさらにリング王国の貴族として説明をしてくれる。


「リング王国の貴族と転生者は同じ目的で動いている事もあって、貴族は転生者を見つけたら支援をしますわ」

「そうなんだ。転生者は違う知識があるし、支援なんて無しに動き続けているのかと思ったよ」

「エドのように物を作る人は珍しいですわ。居なくはないと聞きますが、基本的にはダンジョンに行き続けますわ」


 ちょっと意外だ。物を作ってお金を稼ぐ人が居ても良さそうだが。もしかしたら転生させる人を選んで、ダンジョンを踏破するような性格の人を転生させているのかもしれない。


「転生者が使うような言葉がダンジョンに多いのは、ダンジョンを優先しているから残っているのか」

「そうだと思いますわ」

「でもダンジョンに行き続ける転生者をどうやって見つけるの?」

「転生者は魔法使いなので協会に所属しますわ。なので見つける事自体は簡単ですわ」

「転生者って皆魔法使いになるのか」

「そうだと聞いていますが、違いますの?」


 俺は元々魔法使いでは無かった事を伝え、後から魔法使いになっているので、転生者の中には魔法使いでない人が居そうだと伝える。


「そうなんですの。お母様はエドの考えは当たっていますの?」

「ベス、ダンジョンを管理するには魔法が必要だと教えたと思います」

「そういえばそうでしたわ」

「なので転生者は魔法を使えるようにされています。ですから、以前のベスと同じように、魔法を使いたくないから使わない転生者は居るとは思います」


 ダンジョンを管理するには魔力が必要だったのか。俺と話していた時に魔法を使い続けていたのは、ダンジョンを管理しながら会話をしていたのかもしれない。

 というか、転生する時に魔法を使えるようにしたと、勿体ぶったように話された気がするが、実は相手側の都合だったのか。


「エドも転生者ですから支援の対象になりますが、エドはお金も持っていますから支援と言っても難しいですね」

「お金ですか?」

「はい。転生者はお金が不足することが多いのでお金の支援が多いですね」

「魔法使いでダンジョンに行っているならお金は余りそうですけど?」

「普通ならそうですが、転生者は装備に全てお金を注ぎ込んだり、よく分からない使い方をして足りなくなったりしていますね」


 魔道具を買うとなると高いし。今回、自分で鉄の矢を注文したら矢の高さに驚いた。オークに鉄の矢を大量にダメにした事もあって、他の転生者が魔獣相手に。お金を無駄にするのは少し分かったりする。しかも矢は鋳造だから安いが鍛造だったらもっとすると言われたし、お金を稼いでいて良かったと、注文した時に思ったくらいには高かった。


「お金は確かに俺は持ってますね」

「エドは今も色々と物を作っていますから、お金は増え続けそうですし」


 そういえば地球の知識を使って色々と作っているが、問題ないのだろうか?


「トリス様、転生する前の知識から物を作るのは良いんですか?」

「問題ありません。レオンが弓の販売を止めたように、危険すぎる物に関しては販売を諦めてもらう可能性もありますが、シャンプーやトリートメントのような物であれば、好きなように作り出して貰って構いません」

「分かりました。武器など危険がありそうな物は先に見せにきます」


 俺の言葉にレオン様が反応した。


「助かる。エドの作った武器は見てみたいしな。今は何か作っていないのか?」

「武器ではなく合金を協会で作ってみたいと、作っていますが良いですかね?」

「合金? 魔道具ではなくか?」

「オークを弓で倒していたんですが、鉄の矢が一回でダメになってしまうので、矢を使いまわせるように、もっと強度のある合金が欲しいと思ったんです」

「オークを弓で倒せるとはな。確かにあの弓なら可能か。だが矢の方が強度が足りていないのか」


 レオン様にどのように合金を作っているか詳しく聞かれて、俺は協会で金属を研究している会合にお願いして試作して貰っていると答え、どのような材料で合金を作るかまで話した。


「できたら見せに来るように」

「分かりました」


 弓以外は武器を作ってはいないので、問題はないだろう。シャンプーやトリートメント以外だと服とか豚骨ラーメンしか作っていないし。

説明上手くできているかという不安と、そろそろ矛盾が多くなってそうで怖いです。

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[一言] 転生者は双子で魔法が使える素養があるって分かってるのになんで双子が産まれたら国に報告させて保護するなり監視するなりの政策を取らないんだ?
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