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しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


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新たな仲間?

 ベスがツヴィ王国の魔法を使えるよう訓練をするが、フレッドが覚えられない可能性もあると説明してくれる。


「エド殿が使えるかもしれないと言いましたが、普通の人は両方使えないので使えないのが普通ですな」

「分かりましたわ。二人にちゃんと名乗っていなかった気がしますわ。私はエリザベス・フォン・リング・メガロケロスですわ。ベスと呼んで欲しいですわ」

「拙者はフレデリックと申す。フレッドと呼んで欲しいですな」

「アンです。よろしくお願いします」

「フレッドにアン、これからよろしくお願いしますわ」


 俺が、エマ師匠から聞いたツヴィ王国の魔法の覚え方をベスに教える。だがベスはその説明で理解できないようだ。もしかしたらベスならフレッドに教わった方が覚えられるかもと交代してもらう。


「そこでズビッと」

「分かりましたわ」


 なんと、本当に擬音だらけのフレッドの指導で理解できているようだ…。


「できましたわ!」


 少し教えられるだけで、できてしまった。フレッドもベスが簡単にツヴィ王国の魔法を覚えたので驚いた様子だ。


「ベス殿、拙者の予想ですがな、切っ掛けがあればツヴィ王国の魔法覚えていましたぞ?」

「あ、危なかったですわ」


 俺の勘だが。ベスだと、ツヴィ王国の魔法を覚えたらリング王国の魔法覚えられなさそうだ。危機が目の前だったと知ってベスは反省し始めた。


「意地を張らず、エレンが来た時に魔法を覚えるべきでしたわ」

「ベス、エレンの前にあのような魔法使いを選んだのは私です。気付くのが遅れて申し訳なかったわ」

「お母様が悪いわけではありません。私も事前に聞いた評判は良かったんですもの、あんなのだとは思いませんわ」


 ベスとトリス様がそこまで言うとはどんな魔法使いだったのだろうか?


「エド気になるようですわね」

「え? 何も言ってないけど」

「話したいので聞いて貰いますわ」


 俺は気になってはいたが何も言っていない、どうやらベスが話したかったようで話し始めた。


「最初にテレサ抜きでと訓練すると言われた時から変だとは思いましたが、訓練を始めたら武術は野蛮で意味がないだとか、武術は女がすることではないとか言い始めて頭に来ましたわ」

「武術は野蛮で意味ないってツヴィ王国の魔法使いは武術が主体なのに?」

「そう考えると変ですわね? 何を考えていたのか分かりませんわ」

「武術は女がすべきでないも、ベスは獣人の血を引いてるから身体能力高いよね?」

「そうですわ、普通の男であればそう変わりませんわ」


 随分と変な人だったようだ。しかしテレサさんが居なくても、メイドさんがトリス様かテレサさんに伝えるのでは?


「テレサさんを排除していてもメイドさんは側にいたんじゃ?」

「居ましたが魔法使いがいた時と今は、私のメイドは一部入れ替わっておりますの」

「魔法使いの事を伝えなかった人ってこと?」

「伝えなかっただけなら良いですが、賄賂を貰っていましたわ」


 賄賂を贈ると言うことは悪い事をしている自覚があったのだろうが、普通に教えればそんな必要なかったのでは?


「賄賂ってそんな物をなぜ?」

「賄賂のつもりはなかったのかもしれませんが、贈り物で成り上がった人だったらしいですわ」


 そんな人はトリス様が排除しそうだが何故ベスの教師に?


「トリス様でも見抜けなかったんですか?」

「かなり巧妙でした、魔法使いと言うよりは詐欺師ですね」

「詐欺師ですか」

「ええ。もう詐欺行為を協会には伝えてあるので、アルバトロスからは居なくなりました。今はどうしているか知りません」


 魔法使いも人なので色々な人は居るだろうが、そんな人まで居るとは。


「エドとドリーに会えて良かったですわ。あのまま魔法を覚えなければ王妃とは、私には王妃など務まりませんわ」

「ベスはやる気さえ出せば王妃もできるとは思っていました。やる気さえ出ればですが」

「お母様、分かっているではないですか。やる気出ませんわ」

「…ベス、良かったですね、リング王国の魔法を覚えて」

「本当にそう思いますわ」


 ベスとトリス様が会話をしているが実にベスらしい返答をしている。俺も、ベスに王妃が向いているかと言われると微妙だが、トリス様の言う通りできなくはない気もする。


「それでこのツヴィ王国の魔法はどう使うんですの?」

「使いながら戦うだけだよ。後、リング王国では魔法格闘術って言うらしいよ」

「魔法格闘術ですか」


 ベスは魔法格闘術を使いながら動くと、明らかに俺より動きが良い。


「ベス凄いな、俺は最初ダンジョンの壁に突っ込んでいたのに」

「エドは魔法格闘術が苦手なんですの?」


 俺が答える前に、ベスの疑問にフレッドが答えてくれる。


「いや、エド殿は覚えるのがかなり早い方ですな。むしろベス殿が上手すぎますな。拙者の予想ですが、ツヴィ王国の魔法を発動直前だった故に、魔法格闘術を使っても違和感がないのでしょうがな」

「普通はエドのようになるんですの?」

「そうですな。拙者はダンジョンで鍛えて魔法を覚えましたが、覚えたては何回もダンジョンの壁に突っ込んでおりますな」

「私もダンジョンで使えば同じようになるんですの?」

「ベス殿はそうはならないと思いますな、拙者と違い魔法を覚えるのを優先している訳ではありませんので、武術をしっかり覚えたことで体の使い方が上手いのでしょうな」


 ベスはあれだけ鍛錬をしていたので体の使い方が上手いのか、フレッドの説明に納得がいく。


「そうなると一度ダンジョンで試してみたいですわ」

「ベス、流石に屋敷を抜け出せないんじゃ?」

「分かっ…」「僕も行きたいです!」「…リオ?」


 リオが行きたいと言い出して、まさかの発言にベスも驚いている。


「ドリーに聞いて行ってみたくなったんです、ダメですか?」


 俺たちは困ってトリス様を見ると驚愕して固まっている、トリス様のこんな状態初めてみた。トリス様の意識が戻ってくるまで俺がリオに確認する。


「リオ、ダンジョンは危険な場所なんだ、俺たちも魔法が使えるから行っていいと言われてるんだ」

「僕も魔法を使えます」

「魔力があるのは分かってたけど魔法も使えるんだね」

「はい」


 流石王族と言えば良いのか、すでに魔法が使えるようだ。トリス様が復活してリオと話し始めた。


「リオ、あなたも王族なら色々聞いているでしょう?」

「聞いています、僕は第二子だから問題ないのでは?」

「それも分かって言っているのですか。アルバトロスに居る間なら行ってもいいですが、もう少し待ちなさい」

「何故ですか?」

「リオがダンジョンに行くと言ったら、ルーシーがまた倒れますよ」

「お母様が、それはダメです」

「ならルーシーの回復を待ちなさい」


 あれ? 俺たちの仲間に王族が参加するのか? ベスも王族だって聞いたから今更なのか?


「やったね、リオ!」

「うん! ドリー!」


 リオとドリーは楽しそうだが俺は困惑している。するとトリス様が説明してくれるらしい。


「エド、流石に少し説明しましょう」

「えっと、良いんですか?」


 貴族の秘密だと言ってた気がするのだが良いのだろうか?


「詳しいことは話せませんが知られている情報なら問題ないです。それに聞こうと思えばフレッドから聞けますからね、元貴族というのは貴族ではありませんから、誓約に含まれません」

「確かに拙者は話せますが、話すつもりはありませんな」

「リオが王太子の子供だとしてもですか?」

「話の流れから察しておりましたが、本当に王太子の子供とは驚きですな」


 フレッドは分かっていて気づいていないフリをしていたようだ、王太子妃様を治したのだからリオがお母様と言っていれば分かりもするか。


「王子であれば余計に拙者は喋れませぬな、家を出たとは言え嫌って出たわけではありませぬ、父上と兄上に迷惑はかけられませぬ」

「そうですか。なら私が話しても問題ない部分を説明しましょう」

「お願い致す。エド殿は関わりすぎてる故に、全容でなくとも知っておいた方がいいですな」

「そうですね」


 トリス様が俺に説明してくれるようだ。


「リング王国の貴族がダンジョンに入る理由、それは王家を最初に作ったのがダンジョンを踏破した者の子孫だからです」

「踏破した者ではなく、子孫ですか?」

「そうです。子供なのかそれ以降なのかは、分かっていませんが子孫だとは記録が残っています」

「当事者じゃないのなら何故ダンジョンに?」

「ダンジョンに深く潜れば、魔法が使えるようになったり、獣人であれば体の獣化が進んだりします。進化などと言われていますが」

「そんな事が」


 ライノが以前に魔法使いでない貴族の子弟は冒険者によくなると言われたが、魔法使いを目指してダンジョンに通っていたのか。


「魔力の無い貴族の子弟がダンジョンに行くんですか」

「魔力を求めて貴族の子弟がダンジョンに入っていくのも事実ですが、別の目的もあります」

「別の目的ですか?」

「残念ながらそれは話せません、言えるとしたらダンジョンは王国が作られた理由でもあるのです。続きはエドがダンジョンを進んだらまた話します」

「えっと?」


 急に話が終わってしまった。ダンジョンが理由で王国が作られたのなら、他の国とは国家の成り立ちが違うのか?


「ツヴィ王国も同じくダンジョンが理由で作られたんですか?」

「そうですな、歴史的にはリング王国の方が古い筈ですがな」

「双子の王国って言ってたから同時だと思ってた」

「違いますな。ツヴィ王国やリング王国と同じ理由で作られた国は、過去に他にもあったが消えていったと、拙者は習いましたな」


 他にもあったと言うことは、残ったのはリング王国とツヴィ王国だけという事か? 国が作られる程の理由がダンジョンには有るとすれば奥には何があるのだろうか?


「そこまで深い理由では無いんじゃ、考え込むなエド」

「そういえば、ジョーって今の話を聞いて良かったの?」

「ワシの妻は貴族じゃから、ある程度は知っとるぞ」

「「「「え!」」」」


 俺、ドリー、フレッド、アンが驚く。


「ジョー、結婚してたんだ」

「失礼じゃな。エドたちは会った事がないから仕方ないんじゃが、ワシの妻は忙しいから滅多に会えんぞ」


 トリス様がジョーに同意する。


「そうですね。遠征が多いのでアルバトロスには滅多に帰って来ません」

「だから俺は会った事がないんだ」

「そうじゃな。忙しくて滅多に会えんのじゃ」


 トリス様がジョーの情報を追加で教えてくれる。


「ジョゼフも望めば叙爵できますよ、断られていますが」

「爵位なんて要らんわい」


 実にジョーらしい返答だ、ジョーが爵位を貰っても部屋に篭って研究してそうだが。

 トリス様がジョーにリオの装備を頼む。


「ジョゼフ、リオの装備を用意しておいてください」

「ベアトリス様、ワシでいいんか? 王都の奴らが居るじゃろ」

「エマやエレンと同じように倒れています、起きているのもルーシーの看病です。装備を作るなんて無理ですね」

「あー…分かった作るぞ」


 リオも話を聞いていたらしく、ジョーにお願いしている。


「ジョー、装備よろしくお願いします」

「さて何が欲しいんじゃ?」

「ドリーと同じように空を飛びたいです!」

「あー、素材がないから今は杖しか作れないんじゃ」

「ドリーと同じで杖がいいです」

「分かったぞ」


 リオとドリーは俺たちが色々やってる間に色々話をしていたようだ、随分と仲良くなったようで驚く。


「後はそうじゃな防具じゃな。ドリーと同じのは無理じゃが上着くらいは作れそうじゃが」


 そう言うとジョーは俺を見る。


「俺が上着を作るの?」

「ワシが作っても良いんじゃが、魔道具の布はそんなにまだ有るんか?」

「どうだろ? アンとフレッドにも何か作ろうって思ってたから流石に足りないかも」

「そうなると魔道具の布を作るしかないが、あれはエマが作ったものじゃからな」

「ジョーでも作るのは無理なの?」

「無理ではないんじゃが、材料くらいは聞きたいんじゃ」


 確かに知っている人が居るのに聞かないで作るのは無駄が多い。しかし今更だが同じ魔道具の布で同じポンチョを作るとなると、皆同じ格好になりそうだ、そうなると多少差は付けたい。


「ジョー、魔道具の布って染められたりするの?」

「できるぞ。ただ布が最初から染色されている物を選んだほうが、綺麗になるとは思うぞ」

「簡単に作れそうなら何種類か用意しようかな」

「見た目の問題か。そうじゃな、エマに素材を聞いてから決めると良いぞ」

「そうするよ」


 ジョーはリオの体の大きさを測ったりして、欲しい物を聞き取って行った。


「よし。リオ、すぐには作れんが、用意しとくんじゃ」

「ジョー、ありがとうございます」


 リオはジョーとの話が終わったところで、フレッドとアンに自己紹介している。


「レナード・フォン・リングです、リオと呼んでください」

「フレデリックと申す、フレッドと呼んで欲しいですな」

「アンです」


 フレッドは普通だがアンはすごい緊張しているのが分かる。アンは俺と一番身分が近いが、魔法使いでもないし俺以上に緊張するだろう。そう考えると俺以上にアンが可哀想だったかもしれない。

修正 貧困街→貧民街 造語を作ってしまっていました。確認したつもりですが残ってたら申し訳ないです。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「ベス凄いな、俺は最初ダンジョンの壁に突っ込んでいたのに」 主人公はギリギリ突っ込まずにすんでいて通常より筋がいいって褒められてなかったっけ?
[気になる点] 前話でジョーとリオは挨拶済みなのですが、改めて挨拶したという事でしょうか?
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