↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/151

文明的な生活

 ジョーに部屋を追い出されるとは思っていなかったが、エマ師匠が苦笑しながら説明してくれる。


「錬金流派は基本あんな感じです、ジョーは追い出すだけマシな方ですよ」

「追い出すだけマシなんですか?」

「錬金流派は酷いと存在を忘れて集中したりするので」


 ジョーがマシだと言った意味が分かった。無視されるよりはマシだ。


「一日で作ってくれると言うのです。待ちましょう」

「はい」

「とりあえず、ドリーの大規模魔法の練習をしてしまいますか」

「分かりました」

「まずは、収納の魔道具を取りに行きましょう」


 フレッドも収納の魔道具を運ぶのを手伝ってくれるとの事で、皆で収納の魔道具を取りに行く。

 協会の備品を管理している人から感謝されながら収納の魔道具を運び出し、訓練場まで運ぶ。


「それでは、私とエドの魔力を使って大規模魔法をしましょう」

「あれ? エマ師匠の魔力もですか?」

「私は魔力を使ってしまっているので少ないですが、無いよりは良いでしょう」


 俺とエマ師匠の会話を聞いたのか、フレッドが声をかけてくる。


「人の魔力を使って大規模魔法をするのですな?」

「ええ、ツヴィ王国では殆ど行われない魔法でしたね」

「はい、特殊な人でないと体内で圧縮した、大量の魔力を制御できませぬ」

「リング王国の魔法使いは大規模魔法で、建物や道を作るので結構使いますね」

「なるほど、それなら拙者の魔力を使いませぬか?」

「そういえば、フレッドは魔力を体から出せると言っていましたね」

「拙者は魔法にすると制御が難しいのですが、魔力だけなら問題ありませぬ」

「それならば、お願いしましょう」

「承知致した」


 フレッドが手伝ってくれるとの事で、ドリーに大規模魔法を始めて問題ないか聞いてから始める事にする。


「ドリー、準備はいい?」

「うん!」


 魔力を渡す順番は、フレッド、俺、魔力が少ないようならエマ師匠となった。


「ではドリー殿、拙者からいきますな」

「うん!」


 ドリーの返事の後に、フレッドが魔力を出したのが分かる。


「フレッド、ドリーに魔力の制御を渡すように意識してください」

「エマ殿、了解致した」


 エマ師匠の助言にフレッドは同意して、少しすると終わったようだ。


「ドリー殿に魔力を渡せ申した」

「では、次はエド」

「はい」


 俺は魔力を出すと、ドリーが魔力の制御を取ろうとするので渡す。


「できました」

「かなりの量の魔力ですね、ドリーは問題ありませんか?」

「んー、そんなに?」

「そうですか、この量なら私の減った魔力だと意味がないかもしれませんね」

「エマししょー、どうするの?」

「三人は魔法格闘術をしたので、私は皆に回復魔法をかけるのに魔力を残しておきます」

「わかった!」


 エマ師匠は、ドリーに収納の魔道具に魔力を近づけるようにいい、ドリーは言う通りにして集めた魔力を収納の魔道具に吸収させて使い切る。


「おわった!」

「上手でしたよ、ドリー」

「ん!」


 ドリーは得意げだ。

 フレッドは大規模魔法を見たのが初めてなので感動したようだ。


「これだけの収納の魔道具に魔力を回復できるのですな」

「三人の魔力が多かったからですよ」

「いえ、ツヴィ王国では一個、一個手に持って回復させるので大変でしてな…」

「そう言えば魔力を出せないとそうなるのね」

「はい、拙者もやっていましたが非常に辛く大変でしたな」


 収納の魔道具をフレッドが言う通り、一個、一個手に持って回復させるとなると確かに大変そうだ。と言うか、収納の魔道具は他国でもあるんだな。


「収納の魔道具って、他国でも使ってるんですね」

「ダンジョンがない国の方が珍しいですからね。ダンジョンのある国で魔法使いがいるのなら、私が知っている限りは使っています」

「なるほど」


 確かに収納の魔道具が無ければダンジョンで稼ぐのは非常に難しくなりそうだ。だが、魔法使いを排除している国は、どうしているのだろうか?


「魔法使いが居ない国はダンジョンはどうしてるんですか?」

「分かりませんが、ダンジョンは殆ど活用されていないのではないですか?」

「あれ? ダンジョンって放置しておいて問題ないんですか?」

「私は魔法使いなのでダンジョンは詳しくはありませんが、放置したところで問題があると聞いたことはないですね」


 地球の知識からすると、魔獣などが溢れてくる場合があるのかと思ったが違うのか?


「そうなんですか、長期間ダンジョンを放置すると中から魔獣が出てきたりしないんですか?」

「中からですか? 私は聞いたことありませんね」


 以前に、テレサさんからダンジョンから魔獣などが出てくることはないと聞いたが、長期間ダンジョンを放置すれば違うのかと思っていた。

 フレッドが、エマ師匠より詳しいようで話を付け足してくれる。


「拙者は魔獣が出てくるとは聞いたことはありませぬが、強い魔獣がダンジョン内で現れる事があるとは聞いたことがありますな」

「強い魔獣?」

「ダンジョンは場所で出てくる魔獣が決まっているのですが、居ないはずの魔獣がいることがあると聞いたことがありますな」

「そうなんだ、注意しないと」

「深い場所から上がってくるらしいので、深くダンジョンに潜っている冒険者がギルドに注意をすると思いますな」

「なるほど」


 今はダンジョンのそこまで深い場所を探索していないし、どうやらそこまで心配する必要はなさそうだ。それでも魔獣が外に出てくることもないようだし、ダンジョンは人間に便利にできているな。

 話が途切れたところで、エマ師匠は部屋に戻ろうという。


「さて、それでは皆に治療の魔法をかけて、部屋に戻りましょう」

「「「はい」」」


 エマ師匠から魔法をかけてもらい部屋へと戻る。

 せっかくなのでフレッドに俺とドリーの部屋の位置を教え、俺たちの部屋で話をしようと誘う。

 部屋でフレッドにお茶を出してゆっくりしていると。


「そういや、フレッドって荷物とかは?」

「身一つですな」

「服の変えがないのか、体格的に俺のは貸せそうにないな」


 フレッドは鍛えているのもあり体が大きい、俺もテレサさんに鍛えられているため体が大きくはなってきたが、フレッドは大きさの質が違う。


「フレッドくらいの体の大きさなら当てがあります」

「エマ師匠、本当ですか?」

「少し待っていてください、取ってきます」

「お願いします」


 そう言うとエマ師匠は部屋を出て何処かに行ってしまった。


「フレッドに必要な物は、かなりありそうだけど」

「拙者は問題ありませぬ」

「流石にもう少し文明的な生活しよう」

「うぬ」


 まさか村を逃げ出してきた俺とドリー以上の存在が居るとは。

 俺とドリーは、エマ師匠にお勧めされた生活に必要なものを買い揃えていて、消耗品で多めに買ったものなどを渡して行く。


「これで少しはマシになったと思う」

「エド殿、感謝致す」


 これで少しは文明的な生活をできるだろう、そんな事をしているとエマ師匠が帰って来る。


「協会で働いている人の作業着です、フレッドには少し大きいですが着れるでしょう」

「エマ殿、感謝致す」

「いえ。とりあえず着替えるついでに、お風呂に入ってきたらどうかしら」

「おお、風呂があるんですな」


 感動の仕方的に結構入っていなさそうなので、俺はフレッドを連れて大浴場へと行こうと思う。


「時間的に入れるみたいだし、俺と一緒に行こう」

「よろしくお願い致す」


 脱衣所で服を脱いで驚く、フレッドの体に鱗がある。フレッドは獣人だったようだ。


「フレッドは獣人だったのか」

「ああ、ドラゴン系だと教わったが本当か分からぬ」

「分からないって、親は違ったの?」

「うむ、獣人ですらなかったな」

「そうなのか」


 フレッドが少し悲しそうな顔をしているので、事情を聞く事を躊躇い、聞かない事にした。

 風呂に入る前に体を洗うが、フレッドは結構汚れており綺麗になるまで時間がかかった。

 結局、風呂は交代間際まで入る事になり、慌てて服を着て出る事になった。


「危なかった」

「エド、申し訳ない。拙者は思ったより汚れておりましたな」

「フレッド、こう言っては何だがもう少し人間らしい生活をしよう」

「了解致した」


 流石のフレッドも反省しているようだ、慌てて服を着たから問題ないか確認する。


「フレッド、服は問題ないか?」

「少し大きいが、問題ありませんな」

「なら、今度服を買いに行くまでの繋ぎにしよう」

「拙者、これで十分ですがな」

「流石に毎回貰いに行くのはどうかと思うんだ」

「それは、確かにそうですな」


 フレッドも同意したところで、今度服を買いに行く事になった。

 その後はエマ師匠とドリーが風呂に入り、出たところで皆で食事をした。フレッドは節制していたのだろうか、食事を大量に食べていた。


「拙者、これだけでも協会に住む意味がありますな」

「そう思うなら協会に帰って来るんですよ、フレッド」

「エマ殿、了解致しました」


 食事に釣られてフレッドは、協会に帰って来る気になったようだ。忠告をしたエマ師匠は、そんなフレッドを見て安堵している。

 明日また集まろうと言って、その後は解散して寝る事になった。


「エド殿、おはようございます」

「おはよう、フレッド」


 フレッドは朝が早いようで、俺が起きて準備をしていると尋ねてきた。


「フレッドも朝は早いね」

「朝早いのは癖でありますな」

「そっか同じだね、今日はどうしようかな」

「今日ですか、うむ…」


 どうやらフレッドには候補がないようだ、だが俺には行くべきところがあり過ぎて困るのだが。ただ朝からやっている所が限られているので、とりあえずギルド証を作りに行くべきかもしれない。


「それじゃ、フレッドのギルド証を作りに行こうか」

「おお、了解致した」


 フレッドに了解も取れたので、朝食を済ませて向かうとしよう。会話をしているとドリーが起きてきた。


「おふぁよ」

「ドリー殿、おはようございます」

「ドリー、おはよう」


 ドリーはベッドから起き上がって朝の準備を始めた、ドリーの準備が終わった頃にエマ師匠が部屋に来た。

 エマ師匠との挨拶を済ませると朝食を済ませて、先ほど決めたフレッドのギルド証を作る事をエマ師匠に説明すると、エマ師匠は治療があると言う。


「分かりました。私は治療があるのでついて行けませんが、ジョーに装備を取りに行く時は一緒に行けると思います」

「はい、では夕方までには協会に戻ります」


 エマ師匠と別れ、俺たちは昨日と同じように馬車を協会から借り、ギルドへと向かう。

 ギルドでライノを見つけたので声をかける。


「ライノ、今いいですか」

「すまん、少し待ってくれ」

「はい」


 ギルド全体が騒がしい朝は人が多いが、今日は何時もよりもギルド職員が大変そうだ。


「すまない、待たせたな」

「いや、俺は大丈夫だけどライノは?」

「見ての通りギルドは大忙しでな、何故か辺境伯から大量の依頼が出てな」

「そうなんだ」

「エドは何か知ってるか?」

「あー…」


 ライノはエリザベス商会の仲間なので教えても問題はないだろうが、屋敷での話を人の多い場所でライノに話す訳にはいかないので困ってしまう。

 俺が何かを知っているとライノは思ったのだろうか。


「エド、部屋を用意しよう」

「分かった」


 ライノは部屋を用意してくれて、俺たちを招き入れる。


「さてエド、それで何を知ってるんだ?」

「ライノ、流石に秘密にしといて欲しいんだけど」

「辺境伯の話だからな、分かっている」


 事前にライノに確認を取って秘密にしておいてくれるようだ。俺は辺境伯が帰って来ることや、予定外の来客があることを伝えると。


「辺境伯の帰還と、予定外の来客を出迎えるのに、必要なものを集めている訳か」

「多分」

「なるほどな」


 ライノは納得した様子だ、そして俺に用事を聞いてくる。


「事情が聞けて納得した、それでエドの用事は?」

「ギルド証を作って欲しくて。紹介するよフレッドだ」


 俺はライノにフレッドを紹介するし、フレッドがライノに自己紹介する。


「拙者はフレデリックと申す、フレッドと呼んでほしいですな」

「冒険者ギルドのライノだ」

「ライノ殿よろしくお願い致す」

「あー、フレッドはツヴィ王国から来たのか」

「そうでありますな」


 ライノはフレッドがツヴィ王国出身であることを見抜いた。


「なるほどな、それでエドが何で、フレッドのギルド証を作ろうと?」

「質問に質問で悪いんだけど、ライノはツヴィ王国の魔法使いって知ってる?」

「私が現役の時にも居たから知ってるが、もしかしてフレッドが?」

「そうフレッドがツヴィ王国の魔法使いなんだ」

「そう言うことか」


 ライノがとても納得してるようだ。


「てことはエドが拾ってきたのか」

「拾ってきたと言うか、エリザベス商会の炊き出し始まってるんだけど知ってる?」

「知らなかったな、もう始まってるのか」

「うん、そこで出会ったんだフレッドと」

「あー…」


 ライノは何かを察したような顔をしている。


「とりあえず、魔法使いが魔法使いと言っているし、年齢的にも問題はないので、フレッドのギルド証は作れるぞ」

「よろしくお願い致す」

「分かった、書類を準備する」


 ライノはフレッドの書類を作っていく。


「出身地の偽装はいるか?」

「いりませぬ」

「分かった」


 ライノはフレッドの書類を作ると、ギルド証を作って来るので待っていてくれと部屋を出ていく。

ブックマーク、評価、感想がありましたらお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。