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しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


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初めてのダンジョン

 次の日からダンジョンに行こうと思ったがそうも行かず、装備がないので準備をしていると数日経ってしまった。

 装備については、シャンプーとトリートメントを売ったお金や、ベスとの魔法の訓練で出た報酬があったので、良さそうなものを選んで準備しようとした。


 だがエマ師匠の紹介で知り合った錬金流派のジョーが、試作して余っている装備を持って行けと渡されたので、買う必要もほぼ無かった。

 貰った装備について聞くと、魔道具で色々と強化された物だった。


 更にジョーから、杖でなく腕輪の魔法を補助する道具を作ってくれると言う。

 流石に悪いと断ろうとしたが、エマ師匠からも、ベスの分を含めて作って貰うように言われて、俺たちはジョーに甘えることにした。


 準備が整い、ダンジョンに行く前に、ライノに挨拶に冒険者ギルドに行くと、驚かれる。


「ライノ、これからダンジョンに行こうと思っているんですが」

「ベスも行くのか?」

「勿論ですわ」


 ライノが遠い目をしているので、慌てて俺が魔法を覚えたことを伝える。


「エマ師匠から魔法使いと名乗れるくらいには、魔法覚えたって言われたから」

「魔法を覚えたのか。なら浅い場所なら余裕だ」


 俺の説明にライノも安心したようだ。

 俺はライノに何か助言がないか聞いてみる。


「今日は浅い場所だけにしようと考えているんですが、何か注意することありますか」

「魔法が使えて、その装備なら無いんじゃないか?」

「ライノだと分かるんですか?貰い物なんですが」

「何となくの勘だがな、魔道具だろ。しかし貰い物ね」


 どうやらライノは勘だけで判断していたらしい。

 魔法薬を教わってる人に貰ったと説明する。


「魔法薬を教えてもらっているんですが、教わってる相手が魔道具の方が得意なので、試作品らしいです」

「魔道具が得意で、魔法薬も作れる魔法使いって、心当たりがあるな。名前を聞いてもいいか?」

「ジョゼフって言う人です」

「アルバトロスでも一、二を争う、良い魔道具を作る魔法使いだな」


 ジョーは凄い詳しいと思っていたが、思った以上に凄い魔法使いだったようだ。


「そんなに凄かったんですか」

「ああ、それの試作品ね」


 ライノはジョーの魔道具を見た後に、ダンジョンの地図をくれる。


「その装備なら余裕だろうが、迷子にならないように地図だ」

「ありがとう御座います」

「後は、エドは運がいい方か?」

「運ですか?」

「ダンジョンに隠された宝箱なんかを見つけた時に、鍵がかかっていたり、罠があった場合に解除する道具が必要なんだが」

「難しそうですね」

「解除は物によるがな。そもそも運が良くなければ、宝箱は滅多に見つけられないから、解除道具はお守り代わりなんだよ」

「それなら、一応持ってようかな」


 地図は浅い場所のは配っているというので貰い。

 宝箱を解除する道具は買うことにする。


「後はエドなら持ってそうだが、採取道具や袋だな」

「それは持ってます」

「なら要らないな」


 ちなみに村で使っていた採取道具は置いてきたので、ジョーに貰った。

 それも含め、装備のお金を払おうとしたら、珍しいものを手に入れたら持ってきてくれ、と言われて渡されたので浅い場所では無理だろうが、ダンジョンを進めばお土産になるものがあるだろう。


「とりあえずは、そんなもんじゃないか」

「分かりました、では行ってきます」

「ああ、気をつけてな」


 ダンジョンはアルバトロスの外にある為、馬車で移動していく。エマ師匠は帰ると言っていたが、テレサさんは今日は残りたいとのことで、ダンジョンの外で待っていてくれるようだ。


「テレサ、行って参りますわ」

「エリザベス様、お気をつけて」


 ダンジョン周りは、馬車を止めれる場所や、露店があり賑わっている。

 俺たちが乗ってきた馬車のようにしっかりした作りの馬車は少ないが、無くはないので、そこまで目立っていないようだ。


 ダンジョンの入り口でギルド証を確認された後、中に入っていく。

 ダンジョンは、洞窟と言うには広いくらいの空間が続いている。天井には鍾乳石のようなものが光っており、足元は草が所々に生えている。


「ダンジョンってこういう感じなんだ、思ったよりかなり広いね」

「ひろーい」

「アルバトロスのダンジョンは、浅い層はこのような形だとは聞いていましたが、広いですわ」

「ベス、浅い層はって、深くまで潜ると違うの?」

「草原だったり、砂漠だったりと、色々あるらしいとは聞きましたわ」

「そうなんだ、不思議だね」

「ダンジョンは、存在自体が異質であると言われておりますわ」


 ベスはダンジョンに思ったより詳しい。

 俺の調べが足りないだけかもしれないが、貴族としてダンジョンに行くことが推奨されていると、言っていたことが関係してるのかもしれない。

 ベスは詳しくは、話せないと言っていたし、無理に聞こうとは思わないので、ダンジョンを進むことにする。

 陣形について迷うが、俺が先頭で、ドリーを間に入れ、ベスに後ろを警戒して貰おう。


「それじゃ、間にドリーを入れて、俺が前で、ベスが後ろでいいかな」

「今回は様子見ですし、採取に詳しいエドが先頭が良いですわね」

「それじゃ行こうか。ドリーは飛び出さないようにね」

「うん!」


 俺たちは進んでいくが、敵らしい動物や、魔獣は見当たらない。

 採取するものは多少あるのだが、珍しいものでもないため、地図を見て進んでいく。


「思った以上に、動物も魔獣も居ないね」

「入ってすぐですから、狩り尽くされているのかも知れませんわ」

「リスポーンするって、聞いたけど」


 リスポーンするので、獲物が全て消えることはないと言っていた気がしたが、居ないのは何故だろう。

 ベスがリスポーンしたら即狩られているのではと言う。


「先ほどから結構な人数とすれ違うので、リスポーンしたら即狩られているかも知れませんわ」

「ありそうだね」


 先ほどから冒険者とすれ違っており、装備のしっかりしたものは、深い層から帰ってきたのかもしれないが、俺と同年代で装備が揃って無さそうなのは、浅い層で獲物を探し回っているのかも知れない。


「にーちゃ、あれ」


 道を曲がったところで、ドリーが何かを見つけたようだ。

 ドリーが指し示す場所に行くと、少し珍しい薬草が生えていた。


「珍しい薬草だから、採取しておこうか」

「うん!」

「俺とベスが周りを見ておくから、ドリーやるかい?」

「やる!」


 ベスにも周りを警戒するように言って、俺も周囲を警戒する。

 ドリーは薬草を綺麗に取れたようで、満足気だ。


「エドとドリーは、よく草の違いなど分かりますね」

「慣れてるのもあるけど、生えてるのが均一だから見つけやすくはあるよ」

「他にも取れる物はないんですの?」

「実はあるけど、今のところは無視してる」

「あら、何でですの?」

「どこでも取れるんだよね。アルバトロスの中でも探せばあると思うし、ダンジョンに来る道中なら確実に生えてると思う。生命力が強いから、雑草みたいな扱いなんだよ」

「それは確かに、ダンジョンで時間をかける必要はありませんわ」

「そう思って無視してた」


 役に立つのだが何処にでも生えているので、薬師組合で売値も安かったので買取価格なんて酷い物だろう。


「今取ったものは、珍しいんですの?」

「凄い珍しい訳じゃないけど、見つけたら取った方が良い位には珍しいね」

「それでドリーとエドは、採取しようとした訳ですか」

「うん!」


 ドリーがベスに薬草の見分け方や効能を教えているが、ベスはドリーの説明で覚えようとしても難しいようで。


「草と、草の違いは難しいですわ」

「商売になるようなものだから、簡単じゃないよね」

「エド、簡単な方法はないんですの?」

「簡単ってそんな方法…」


 そう言えば、何か忘れている気がする?


「リスポーンでもしない限りは、無理ですわよね」

「あ!」

「え?」


 そう言えば以前にグレゴリーさんから、ダンジョン内では薬草などもリスポーンすると教わって、地図もあると聞いた気がするすっかり忘れていた。


「そう言えば、薬草もリスポーンするからダンジョンに行くようになったら、組合にリスポーン地点を書いた地図があるので、取りに来てと言われたんだった」

「薬草もリスポーンするんですの?」

「そう聞いたよ。ベスは知らないのか」

「私は、聞いたことがありませんわ」

「一部の人しか知らないのかな?」

「そうかも知れませんわ」


 ベスの興味が採取にないので単純に知らなかった可能性もあるが、組合で位置を聞いておくべきだろう。


「今度、組合に行って聞いておくよ」

「お願いしますわ」


 色々準備をしたつもりだったが、ダンジョンにくると色々と、事前にやるべき事が出てくる準備不足だったようだ。

 俺も、ダンジョンに行けると舞い上がっていたのかも知れない。少し反省する。

 その後は、地図を見ながら回っていると動くものを見つける。

 近づいていくとウサギのようで、こちらを警戒している。


「ウサギか」

「本当ですわ」

「ベスって、動物とか魔獣を倒した事はある?」

「無いですわ」


 ベスならもしかしたら有るかもと思っていたが、無かったようだ。

 俺とドリーは、ウサギは何回もやっているので、ベスに任せようと思う。


「ドリー、今回はベスに任せようと思うんだけど」

「うん!」

「それじゃ俺とドリーで逃げないようにするから、ベスは戦ってみて」

「分かりましたわ」

「ちなみに武器はどうする、剣だとやりにくいだろ魔法にする?」

「弓を貸して貰えますか、魔法は外れたら使います」

「分かった」


 俺はベスに弓を渡す。

 俺は剣を構え、魔法も使えるように魔力を動かせるようにしておく。


「ベス、準備出来たらいつでもどうぞ」

「分かりましたわ」


 そう言うと、ベスは弓を放つ、矢はあっさりとウサギに当たる。


「あら、当たってしまいましたわ」

「本当だな」

「うん」


 警戒する中でベスが弓を放ったので、外れるかと思ったが当たってしまった。

 ベスも一発で当たるとは思ってなかったのだろう、驚いている。


「ウサギって、こんなに簡単ですの?」

「普通は警戒されてたら、当たらないと思うんだけどな」

「うん、あたらない」

「エドとドリーが普通は当たらないと言うのに当たりました、不思議ですわ」

「ダンジョンだと行動が違うのかな?」

「分かりませんわ」


 とりあえずウサギを回収して、矢を抜き、持ってきた袋にそのまま詰め込む。


「ところで、ベスは平気?」

「何がですの?」

「殺したのとかさ、気分が悪くなる人もいるらしいから」

「特に何ともありませんわ」


 ベスは全然気にした様子がない。

 流石だなと少し思いながら、ウサギの処理をどうするか迷い、場所も場所なので後でやることにする。


「流石にこんな所で、皮を剥いだり出来ないから後でやろう」

「そうですわね」


 その後もダンジョンを歩き回るが、動物よりすれ違う冒険者の方が多く、もう少し奥まで行こうかと、言いたくなる位に獲物が居ない。

 結果的に、一応俺たち三人分は狩れたが、歩き回っている時間の方が長かった。


 道中に水場があり、そこで冒険者が解体をしていたので、危険かと迷ったが、交流するのも有りかと、一緒に解体していいかと聞く。

 すると、この場所は出入り口近くなので、飲み水にしないから好きにやっていいと言われ、隣で処理をしたりした。


 ダンジョンというか、此処は出入り口という認識で良いのかもしれない、地図を見ながら浅い場所を回っていると、散歩しているような気分になってくる。

 緊張感がなさすぎて逆に良くなさそうだと、今日は帰ろうかと相談する。


「ベス、緊張が続かなくて変な風に慣れたくないので、今日は帰ろうと思うんだけど」

「私も、歩いているだけは辛くなってきましたわ」

「ドリーも」


 ベスも同意してくれたので、今日は帰ることにした。

 正直、此処ならターブ村の周辺の方が危険だった気がする。


 ダンジョンを出るとテレサさんと合流する。


「エリザベス様、どうでした」

「ウサギを一人一匹ずつ、それと薬草を少しですわ」

「初日にしては良い方ではありませんか」

「獲物が見当たらなくて、ひたすら歩いていましたわ」

「騎士の訓練でダンジョンに行くと、もっと酷いですね。大人数で行くので、一人一匹も居ないです」


 確かに、騎士が隊列を組んで行ったら、一時的に狩り尽くされそうだ。

 というかトリス様に、テレサさんはダンジョンに行くのはダメだと、言われていたが騎士もダンジョンに行くんだな。

 同じ事をベスも考えたのか、テレサさんに聞いている。


「騎士もダンジョンに行くんですの?」

「ベアトリス様も言いましたが、命令がないと騎士はダンジョンに行かないので、訓練としては一応ありますが、滅多にダンジョンでの訓練はないですね」

「騎士がダンジョンに行く位なら、ダンジョン外で魔獣を狩って欲しいということですわ」

「その通りです」


 確かに、ダンジョン以外にも魔獣は居て、ダンジョン外の魔獣を狩るというのは分かるが、ダンジョンから魔獣は出てこないのだろうか?


「テレサさん、ダンジョンから魔獣って出てこないんですか?」

「私は、ダンジョンから魔獣が出てくるとは、聞いた事がありませんね」


 どうやら魔獣がダンジョンから出てくることは無いようだ。

 だから騎士は、ダンジョンの外に居る魔獣を狩っているのか。


「そうなんですか。だからダンジョンの外に居る魔獣を狩るんですね」

「その通りです。それに、ダンジョンの中と外では魔獣の行動が違うので、訓練にも良いとは言えません」

「そう言えば、ウサギを狩った時に行動が変だったんですが」

「ダンジョン内の動物もそうですね。基本的に逃げませんし、好戦的です」

「そういう事だったんですか、納得しました」


 ベスが、一撃でウサギを倒せた理由が分かった。


「そう言えば、ウサギどうしましょうか」

「にーちゃが、やく!」

「え?」

「あら、エドは料理もできるんですの?」

「料理って呼んで良いのかな、簡単なものしか作れないよ」

「食べてみたいですわ」

「調味料とか、料理道具あったっけな」


 料理道具は、何故かジョーさんから貰った魔道具の中に鍋が入っており、調味料は薬として持ってきた薬草でどうにかなりそうだったので、簡単なものを作ってベスに出した。


「美味しいですわ、エド」

「エリザベス様、確かに美味しいですね、珍しい味です」

「ん!」


 ベスとテレサさんは料理を褒めてくれる、ドリーは食べているので返事ができないようだ。


「薬草を使った香草焼きだから、珍しいのかもしれませんね」

「それは薬師にしか作れないかもしれませんね」


 テレサさんは騎士の訓練で多少料理をするが、丸焼きなど簡単な物だけだと教えてくれ、そのため違いが分かるので、美味しいと言ってくれた。

 俺たちのダンジョンの初日は、狩ったものを自分で食べることで終了した。

やっとダンジョンまで辿り着きました、まだ入り口だけど。

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[良い点] ハーレムハーレムとがっついて無い。よくある、頭脳は大人だからオコサマは…と言いながら婚約者(恋人)多数の、R18で無い所。 [気になる点] 初のダンジョンですが、ダンジョンの描写が、よく分…
[気になる点] 周りに人がいないからかもしれんけど、 「ベス」で偽装してるのに、テレサが本名言っちゃってるの不味いって思うな
[良い点] 親や村長が屑でしたが、それ以外はいい人が多くてほっこりします。 最初は主人公無双になるのかと思いましたが、妹やお嬢様もかなり優秀なのですね。 ダンジョンや魔道具など、今後の展開にも期待して…
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