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ボクのスキルはプラ〇マクラスター【空気清浄機】です。

作者: JING

とある絵師さんの絵を元に思いついたので書きなぐりました、二千文字程度なので一気にどうぞ。

「魔王様、魔王様。」


「なーに?蚊の鳴くような声じゃ聞こえないわよショウジ。」


「いえ、本当にボクなんかがアリス様の側近という高待遇で良いんでしょうか?優秀な魔族の皆さんを差し置いて単なるヒューマンのボクが。」


「それ何度目よもう、アタシが取り立てたのに文句あるの!?」


「滅相もありません!」


「ショウジは卑屈なところが玉に瑕よ?・・・いえ、奥ゆかしいと言えば美徳になるのかしら♪」



そうボクを見下ろし茶化してくるのは魔族の王にしてクイーンサキュバスという種族の女性である。身の丈3.5メートルはあろうかという巨躯を刺激的なコスチュームに覆い、可愛らしい王冠を艶やかなゴールドブロンドのロングヘアの頂点に載せた我らが魔王様、アリス・ド・デウス・エクス・マキナ13世である。


それを見上げるボクは東京からこの世界に無理やり異世界転移させられた大学生、(そら)ショウジだ。



「それにアナタは()()()()()()()()()()()アタシに十分、いえ一兆分は役立ってくれてるわ!それこそ四天王や黒騎士でもアタシの苦しみを解決できなかったんだからね!」


「は、ハア。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



早い話がボクは勇者召喚に巻き込まれてこの世界に来たクチだ。

大学の講義室にいたボクたちがまとめて魔法陣に飲み込まれ気づいたらファンタジー物にありがちな王様の謁見室で騎士たちに取り囲まれていた感じである。

それからスキルの調査が行われ、リア充グループの中心人物にはまさにチートとでも勇者とでも言うようなスキルが与えられていたが鑑定によって判明したボクのスキルは非戦闘系。

少ない金貨を握らされパーリーな奴らと王様に城から黄色味がかった空の元に追い出されたボクは途方に暮れていた。

とりあえず露天の焼き鳥でも買ってお腹を満たそうか。


これまたファンタジー映画の中の昔のヨーロッパめいた城下町の雑踏は咳き込みながら涙を流している人ばかり。悪い病気でも流行ってるのか?・・・ならなんでボクは影響がないんだろう。


水の枯れ果てた噴水の淵に腰掛けてそんな光景を眺めているとき、彼女に出会った。

運命の女神とやらがいるなら感謝を捧げたい。



その人は明らかに通行人に比べて大きな上背を猫のように曲げ旅人の羽織るようなマントを頭からフードのように被り、口元は包帯で覆い目には水泳選手のようなメガネを付けていた。傍から見ればかなりの不審人物だった。

そして彼女もまた酷く咳き込んでいた。


そしてフラフラとボクの横に腰を下ろしたのである。



「こ、こんにちわ?」


「こんにちわ・・・今日もガスが酷いわねぇ・・・。」


「ガス、ですか?」


「ええ、なんでも人間を根絶やしにするために悪しき者たちの王が蒔いたっていう魔法のガスらしいわよ・・・笑っちゃうわね、エッホエッホ・・・。」


「ええ、じゃあこの黄色い空全部ガスなんですか!?」


「ちょっとゴメンね、エックション!!!・・・ぽぇ・・・。」



横を向いて両手で鼻を押さえながら盛大に鼻をかんでしまった、この世界にもちり紙ってあるんだな・・・。



「ふう、この時期はほんとダメね・・・なにをする気にもならなくって。」








「じゃあボクのスキルなんかお姉さんにピッタリかもしれませんね、はいどうぞ。」









「えっ、コレは・・・!?」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そうして今に至る。


ボクの部下にと配属された目玉の化け物コウモリアイ君の偵察によればあの日転移してきた同胞たちは確かにこの世界の人間たちからすればチート級の凄まじいスキル持ちばかりだったそうだが魔王の軍勢には手も足も出ずみな退散してしまったそうだ。


そんな恐ろしい魔王軍でも忌み嫌うもっと恐ろしいものがあった、それは人間たちが【カラシのガス】と呼ぶ超々広域結界魔法・・・・・・。


なんかじゃなく。



この世界における【ひどい花粉症】であった。。。。



異世界の花粉症はこの大陸全土でどこに行っても見かけるというクリプトメニアという元の世界のスギに似た大木が原因で、その生命力は他の植物の追随を許さず。

建材としては優秀なのだが・・・魔力をもって強靭になっているらしく日本のスギと違い冬以外は年中花粉を飛ばすという厄介者でもあった。



「アリス様、ボクだってその・・・男なので・・・アリス様のお部屋にまでこうしてついて来るのはマズいような・・・。」


「何言ってるのよ!ショウジはこの先一生アタシから離れちゃダメなの!!・・・まあ冬くらいは自由にしててもいいけど。」


「そりゃ花粉飛ばないですからね。」


「わかったらここから出ていったりしないでよね?アナタはあたしが護ってあげるんだから!」



ボクが異世界で獲得したスキル、それは至って普通な異世界会話に鑑定と空間収納。これは召喚されたものなら全員が持っていたものだ。



一つだけ変わっていたのは【プラズマ〇ラスター】。



ようは【花粉だろうと毒ガスだろうと自分の周囲・自分のいる空間を瞬時に綺麗で力の出る空気に変えられる】人間空気清浄機だった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ブッ



シュゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!


【プ〇ズマクラスターが発動しました】



「!?!?!?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アイドルはオナラしないかもしれませんか魔王様はしました。

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