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安崎先生…絵が上手くなりたいです…
《????》
…そこは見渡す限りの白銀だった
稀に視界が通らないほどの吹雪が発生するが今は視界の端から端まではっきりと見渡せる
そんな極寒の地には寒さをものともしないような生物が数多くいる
『グオオオオ!!!』
『キュルルルル!!!』
静かな雪原にふたつの声がこだまする
雪原の雪が舞い散る
そして現れたのはふたつの影
一つはまさに大きな熊、しかしその体長は6メートルをゆうにこえ手の爪は氷を纏い鋭く尖っている
名を《アイスアーマーベア》
極寒に棲まう危険な暴れん坊だ
そしてもう片方は細長い身体を持ち上げ熊を真っ直ぐに睨みつける巨大な蛇、体表には氷を纏い体の周りには魔法陣が出現しているその姿は美しささえ感じる
名を《アイスブリザードスネーク》
氷魔法を使い戦闘をする姿は踊り子のようだ
しかし、この二匹に共通しているのはどちらも傷を負っている点だ
縄張り争いか、気に入らないからか、相手を喰らうためか、理由はわからない
そして、二匹が睨み合いまさに飛び出そうとしたその時
ピキピキピキ!!
それは熊の後方から接近した
それは周りに氷でできた樹を作り出しながら一直線に突っ込んだ
目の前の敵を警戒していた熊は後ろからくる、捕食者に気づかなかった
そしてその捕食者はその大顎を開け
ガブリッ!
次の瞬間には熊の上半身を食いちぎっていた
そして大きく雪が舞い踊り辺りを白く染める
しかし、蛇は目にした。目の前の絶対的捕食者の姿を
そして次の瞬間には蛇は身体の半分が喰われ絶命した
それは肉塊になったものに興味なさそうにしまた歩み始めた
そして、舞い踊っていた雪は静かに雪原に落ちる
その捕食者の姿をはっきりと視認できる
銀色に輝く毛並みに氷のように冷たい青い瞳、脚には関節を守るように氷の鎧が付いており、よく見ると身体のいたるところから氷樹の苗木が生えている
その狼の名は《アイスフォレストキングウルフ》
氷の森と共に生まれ、氷の森と共に動き、氷の森を支配するもの、そして本来奥深くアビスに棲む捕食者が一体
そして王は歩みを続ける
ただ帰還を目指して
《????》
広い海の上
そこには不気味なものが浮かんでいた
それを一言で表すならクラゲ
しかし、そのクラゲは不気味な色に光りながら海の上を浮きながら進み、そして時折何かを探しているようなに触手をのばす
そして、そのクラゲが気に入らないのか一匹の巨大な鳥が突っ込んでいった
その鳥は遥か上空から風魔法までも用いそのクラゲに突進する
青色の美しい羽を折り畳み、高速飛来する弾丸のように真っ直ぐに突っ込む
その鳥の名 《オーシャンバード》
その巨体から繰り出される突進は海に住む魔獣をも自身の餌へと変える
そして、いつも通りお得意の上空からの突進を不気味な野郎に叩き込む
が…
その結果は悲惨なものだった
べキャッ!バキャッ!
『ギュアアアアア!!!???』
全身を触手で絡みとられ羽を、身体を、首をあらゆる骨が折られる
グバア
クラゲの傘の部分が広がり不気味な口を覗かせた
そして…
バキッメキッ!ゴキャッ!
そのまま丸呑みにし咀嚼をした
そして食事を終えるとまたそれは動き始めた
不気味な色で発光しながら、触手を不気味に動かすクラゲ
名を《アビスプレデター》
アビスに棲むトッププレデター、全てを喰らい命を食すもの
そして彼女は探し続ける
彼女にとって大事なものを
《????》
暗い暗い場所
夜?いやここは光も届かぬ海の底
そこで二体の怪物が争って…いや蹂躙されていた
一方は長い身体をくねらせながら相手を攻撃しようとしている竜とも言える存在、深海のように暗い青の鱗に黄金に輝く瞳が相手を睨みつける
名を《アビスサーペントキング》
アビスの暗い海に棲む暗き海の王
しかし、その王は鱗は広い範囲で剥がれ大量の血を流している
その原因は対峙している存在だ
それは多数の長い首を持ちその首は龍の姿をしている、《アビスサーペントキング》よりも暗い色をした鱗を持ち、その牙は相手の鱗を易々と貫いている
そして、その瞳は相手を完全に舐めくさっていた
『ギャアアアア!!!???』
また、王の身体が抉られる
もはや、王が生き延びる道は無くなっていた
そして満身創痍の王に留めを刺すように多頭の龍から光の放流が放たれ…
『ギャッ…』
あっけなく命を絶たれた
『…』
そして、多頭の龍はつまらなさそうにし
『キシャアアアアア!!!』
と咆哮をあげた
…
……
暗い暗い海の底、そこを統べるは海の神
王には腹心、二柱
父なる一柱、深海人、統治をす
一柱は深海人と同じ姿
母なる一柱、外敵、排除をす
一柱は多頭の龍
…
……
深き海の王をあっけなく殺した多頭の龍
その大いなる存在名を《ハイドラ》
深海に棲まう神に仕えし二柱の一柱、母なるハイドラ
大いなるもの仕えし神はただただ楽しそうにしている
そして、ここにはいない存在に向けて呟いた
『…さあ、楽しませて頂戴な、響子ちゃん』
多頭の龍は目を細ませながらそう笑い、また暗い海の底に戻っていく
「練習したら?」
…もっと練習しよ




