43
ナンテコッタイ!
《西園寺武蔵視点》
親父が出ていき静まり返った会議場でアーサーがふと聞いてきた
「ところで君たちは何者なんだい?」
すると母さんがにこりと笑いながら答えた
「わたしたちが何者か?それはそこの魔術師さんが1番よく知っているでしょう?」
そう言って母さんはマーリンをチラ見した
「本当か?マーリン?」
そう問われるとマーリンは少し考えた後に口を開いた
「彼らは…そうだね…歴史の闇に葬られた者たちにとっての救世主でもあり、あるいは敵対者たちにとっての死神達かな…」
「???意味がわからん」
「わかりやすく言うなら、昔いた魔女狩りから逃れた魔女達を保護したのは彼らだし悪政を敷いた愚か者を闇に屠ったのも彼らだ」
そう言った後、マーリンはアーサーの方を向き
「そして、初代王の息子であるモルドレッド卿とランスロット卿をたぶらかしたのも彼らの先祖なんだよ」
「なに?」
そう言うとアーサーから殺気が膨らんだ
「なんで、あんなことをした?」
しかし、そんなアーサーを見ても母さんは態度を変えず
「我々は最初の時から変わらず、あくまで命令で動くのですよ。あの方が満足いく結果を出す、それだけです」
そして、アーサーが剣に手を添えた瞬間
「!!」
「やめた方がいいですよ?」
その添えた手を母さんが抑えつけていた
アーサーの瞳が動揺で揺れた
「…速いですね」
強張った声でポツリと言った
「これくらいないとやってられないのですよ」
抑えつけながらも顔はさっきの微笑みからピクリとも変わっていない
「…そうですか」
そう言ってアーサーは剣から手を離した
それを見て母さんも手をどかす
「では、仲直りの印として…」
そう言って、どかした手をそのまま差し出す
「…」
その手をアーサーは無言で握り返した
「これから、お互いに苦労するのです。もはや我々は一連托生、というわけですよ」
「そうですね…」
そう笑いながら言い、それに対して苦笑しながらアーサーも答えた
そして、手を離し自己紹介を始めた
「この場では私だけ名乗ります。私は西園寺美沙、今後ともよろしくお願いしますね?」
そう名乗りながらニッコリと笑った
「…こちらこそ」
アーサーは少し冷や汗をかきながらそう言った
…あの顔は母さん威圧してんだろうな…
そして、振り返りなりながら母さんは
「それでは武蔵、仕事を頼みますよ」
と言ってきた
…仕事?…ああ
「あれか!」
「あれですよ」
なるほど…
「じゃあ、俺だけ先に戻るわ」
そう言って先に部屋に戻る
わしゃ…敗北者じゃけぇ…




