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「う…ん…」
ケモっ娘が起きた。そしてキョロキョロしだした。
「ネルおねえちゃん…?」
うん?ネルお姉ちゃん?もう一人ケモっ娘がいるというのか…
しかし、綺麗な青い目だねぇ…
ザッ…ザッ…ザッ…
足音かな?これは。どれどれ…
音のする…この空間に繋がっている穴の方に視界を向ける
すると奥から私の鎖で拘束されているケモっ娘と瓜二つと言っていいほど似ている子がやってきた。しかし、目の色は燃えるような赤だった。
そして、拘束された子を見て微笑んだ
「あっ起きてたんだね、ニル」
ニルと呼ばれた子は笑顔で頷いた
そして、やって来た子…おそらく、ネルは私…鎖のほうに向かってこう言った
「本当にこんなんで自我なんて生まれるのかな…」
ニルが返事をするように
「ん、かれこれ500年」
いや…生まれたよ…私っていうのが…
「自我が芽生えるまでこのままなのは辛い」
ニルが言う
えっというか500年っ!?この見た目で500歳以上確定!?
俗に言うロリババアってヤツね!
「むっどっかの誰かが失礼なこと考えた気がする」
あれっ?もしかして自我あるの気づいてるのかな?
いや。そんな様子には見えない…つまり直感的なやつ?
しかし、どうやって自我があるのを知らせるか…
なにか使えるスキルは…これかな?
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《変幻自在》
イメージすることで、あらゆる形状のものへの変身を可能とする。
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わ〜お、まさにぴったし!
んじゃあ、さっそく……なにになろう…スピーカー的なのもので音でも出して伝えればいいかね?そうしよう。
とっいうことで早速イメージッ!
まあ、よくあるスピーカーでいっか。
すると、ニルを拘束している鎖の途中から更に鎖が伸びてその先の部分がよく見る形状のスピーカーとなった。
「「えっ」」
ケモっ娘2人が生えてきたスピーカーを驚いた顔で見つめる
『そんなに見つめるなよ〜照れるだろ〜』
そう話し掛けるとネルが更に困惑した顔で
「えっ喋った!?」と言う。
ニルの方を見ると驚いた顔で固まっていた。
まあ、いきなり鎖から変なのが生えたと思ったら言葉を喋ったんだから固まるのも頷ける。とはいってもこのままな訳にもいかないので自己紹介をするとしよう
『どーも、鎖さんですよ〜』
「「ほ、ほんとに自我が芽生えた…」」
『いえーす』
とりあえず、落ち着くまで待つかな?
――しばらくたち――
『落ち着いたかね』
「はっ、はい…」「うん」
まず、気になっていることを聞く
『とりあえずここはどこだい?』するとネルが答える
「えっと、ここはローウナ大迷宮ですね」
なるほど…迷宮ってなんだ?ここで上級鑑定の出番ですよ!
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《迷宮》
異空間に繋がっている<門>によって形成される場所。この空間同士が繋がるということもあるがそれはごく稀である。
中では、様々な魔物が生成されるのと同時にお宝なども生成される。洞窟型や空間型といったものが定番である。
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ふむ…いちようここは、異空間なのか…あっそうだ
『とりあえず、拘束ははずそっか』
そういってスルスルとニルを拘束している鎖を外していく
「ととっ…」…よしっこれで外れた
「おー久しぶりに手足が自由ー」
「だっ、大丈夫?」
「うん」
うん?この感覚…鎖を異空間に入れれそう?おっ行けそう
ジャラジャラジャラジャラ
すっごい勢いだ〜 チンッ!!
あっスピーカーの部分だけだしとかないと ジャラ
よしっこれでいいかな。満足気に思いながら2人を見る。
2人はこっちをみながら目を見開いていた。
ネルがくちを開いて「えっ今のなに…?」
あー確かにいきなり凄い音がなったうえに私が短くなったしねー
『余分な部分をしまっただけだよー』
「な、なるほど…」
さてと納得したかな?
ひえー緊張…