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人知れぬ怪しい地下の小部屋にて……

 その暗闇の中で、今まさに時代が変わろうとしていた。

 軍事力……経済力……国々のパワーバランスを決めていたそれらの概念が、ほんの十平方メートルにも満たないこの地下の小部屋で、たった今覆されようとしている。


「……博士は始末したか」


 黒ずくめの男がそう問いかけると、向かい合った男は静かに頷いた。


「研究員どももまとめて消えてもらった」

「これで、コイツの製造方法を知るのは我々だけになったということだな」


 二人の間には、小さなテーブルが据えられていた。裸電球が揺らめいて、机上に置かれたボストンバックを不気味に照らしている。


「死人を自在に操るこの兵器さえあれば、もはや我々に逆らうことができる存在はいなくなる」

「ああ……」


 顔の見えない男は、そう言ってボストンバッグに手を伸ばした。

 ジジジ……とジッパーが開かれる音がコンクリートの壁に反響して、ついに驚天動地の兵器がその姿を――


「……え?」「……あれ?」


 しかして、ボストンバッグの中身は空だった。

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