1章 7話 出張。。
1章 7話 出張。。
そして、3日後、、
朝5時に事務所に向かった。
らんはもう車の前で待っていた。
相変わらず段取りがいい。
「じゃあ、行きますか。」
そう言って私に車の鍵を渡した。
私がナビを触ろうとすると、もう登録してあるわ。と言ってターゲットの住所を出した。
そうか、この間の時に2箇所、住所を登録してたな。
相変わらず、できる女だ。
そして私はナビ通り車を発進させた。
車内、、
らんはずっと目をつぶっている。
信号で止まる間らんの顔を見ていた。
これでもう少し愛想があればな、
20分後、ターゲットの家の近くに着いた。
らんはいつのまにか起きていた。
「あそこの路地を曲がった所で車を止めて。空き地があるから。」
ん?
もしかして、下見に来たのか、、
それはそうか、、どこで見張るのか前もって下見ぐらいはする。
もしかして、あの初日の面談が終わった時、らんはいなかった。違う車でその日に行く事になっているターゲットの会社に下見に行っていたのかもしれない。
そう思いながら、空き地に車を止めた。
ターゲットの黒いワゴン、、
よく見える。
5時20分か、、
7時に出るとか言ってたな。。
まだ時間はあるが、、
らんは、ボーとしてるのか、集中してるのか、
ターゲットの玄関をジーと見ていた。
らん、、しかし、、、いい女だ。。
何気に写真でも撮りたいな、、。なんて不謹慎な事を思っていた。
「どこに旅行行くんでしょうねー。。って言うか、そもそも出張が本当だったりして、、」
「出張は本当らしいわ。奥さんが会社の総務に電話をして確認した。要はその出張にさちこちゃん、もしくは違う女と行くかどうか、、」
なるほど、、
会社の出張なら、総務にでも聞けば分かるか、まあ、探偵に頼むぐらいの奥さんだ。総務に聞く事ぐらいはするか。
「ちなみに出張先は広島らしいわ。」
そこまで聞いているのか、、じゃあ新幹線で行くのか。。
広島か、、
私もなんだか眠くなった。冬の朝5時集合は中々起きれない。しかし、この間の失態もある。たっぷり睡眠は取った。
そして、時間は朝7時に近くなる。
玄関から男が出てきた。
来た!
このターゲットが来た!って感覚、、何気にたまんないな。
黒いワゴンに乗り出発する。
私もゆっくり走りだした。
黒いワゴン車は会社ではない方面に向かっている。
「車で出張に行くんですかね。」私はらんに聞いてみた。
「駅だと思うわ。」
なるほど、、
確かに黒いワゴン車は駅に駐車をした。
我々も車を降りる。
ローカル線の電車に乗る。
朝は通勤ラッシュでいっぱいだと思いきや、そこまで多くはない。が座れる程人は少なくない。
名古屋駅方面、、
まあ、間違いなく新幹線かな。
名古屋駅に降り、見失わないようにターゲットを追う。
新幹線ホーム、、
落ち合うならここで、さちこちゃん登場かな。。
しかし、ターゲットは待ち合わせのそぶりも見せず売店で弁当らしきものを買っている。
切符を買ってきたらんが来た。
「まあ、慌てなくてもいいわ。広島に行くのは分かってるし、恐らく広島止まりの のぞみね。」
「誰も待ち合わせはないみたいですね。」
私は少し拍子抜けしていた。
「まあ、仕事で行くのだから夜合流かもね。」
らんも少し拍子抜けしていた。
新幹線に乗る。
らんの予想通り、広島止まりののぞみだ。
ターゲットは指定席に乗る。
我々も指定席の券は買ってないが、ターゲットの近くに座る。後で車掌が来たら、指定席分の料金を追加すればいい。
「まあ、ここまで来たら広島まで動きはないわね。」
と言って、らんは少し目をつぶる。
その横顔を見た私は、本当に美人だなと改めて思った。
運良く、その指定席は誰も来なかった。
ターゲットも特に変わった様子もなく、弁当を食べて寝ている。
そして、広島に到着。。
ターゲットの後を追う。。
そして、駅を降りたターゲットは駐車場に止まってある営業車の助手席に乗る。
地元の同僚か。。
私たちはすぐさまタクシーを捕まえて尾行するよう頼んだ。
見失ったら大変だな。
私はハラハラしながらタクシー運転手を見ていた。
しかし、私が動じているのが分かったのからんは一言、
「まあ、会社でしょ。。広島の。」
それはそうか。。
そして、走る事20分。そのまま会社に入っていった。
ターゲットと同じ会社、、広島の支店か。
会社に入っていった営業車を見届けると、車を路地に止めた。
らんはレンタカーを借りてくると言って、私をその場所に降ろしそのままタクシーに乗っていった。
真冬にもかかわらず、日が当たる場所にくると暖かい。
私は近くの自販機でホットコーヒーを買い、タバコを吸った。朝から緊張してたからな。ホッと一息。。
まあ、間違いなく夜まで動きはないだろう。
出張は間違いなかった。。
しかし、、
夜、わざわざ名古屋からさちこちゃんを呼ぶのか?
普段、地元で逢えるのに、、
そんな事を考えながら、広島駅周辺の地図を携帯で見ていた。
繁華街は?駅からの会社の位置関係は?
しばらくすると、らんが白い車に乗って来た。
意外と早かったな。。
「良かったわ、すぐそこにレンタカー屋さんがあったから。」
私は、自販機で缶コーヒーを買ってらんに渡しながら、
「まあ、そこまで焦らなくても夜まで動きはないですね。」
と助手席に乗った。らんも少し落ち着いて答える。
「どうやらその通りね。」
とにかく会社が終わるまで待機するしかない。
ふう、、、、
待つか、、
何かできる事はないのかな、、
そういえば宿泊するホテルは?
「宿泊するホテルは分かってるんですか?」
「もう取ってあるわ。ターゲットを挟むように隣の部屋と隣の部屋。」
さすが。
しかし、良く分かったな。隣の部屋なんて。
少し考えてみた。私なら、、
ホテルに電話して、会社の同僚だから追加で部屋を取る。そして、できれば隣にしてくれ。色々仕事の件で部屋を行き来するから。
こう言って隣の部屋を押さえるか。
交代で仮眠をし、交代でコンビニに行き、動きのないまま夕方になる。
その間らんに色々会話を持ちかけた。
「らん、、さんって、彼氏とかいるんですか?」
らんは、目をつぶって寝ようとしながら答える。
「いないわよ。。それから、らんでいいわ。。あなたの方が年上でしょ。」
「あなた、、隣町で探偵をするって本当?」
「え?まあ、もう事務所の場所は借りてるから、いつでもできるんだけど、、無謀かな、。」
「まあ、普通は、、でもいいんじゃない?」
らんは興味あるのか、ないのかぶっきらぼうに答えた。
夕方、、
会社の玄関からターゲットが出てきた。
営業車に乗り込む。
こんな時間から営業?
それはないだろう。。
私達はゆっくり後を追う。