超能力者の憂鬱 part1
新章始まります。。
〜ある能力を手した男。たまたま通りかかった探偵事務所に相談に入る事にした。その能力とは、、〜
超能力者の憂鬱 part1
俺はこの淡々と過ぎていく日々を幸せに感じていた。
もう事件は沢山だ。能力もしばらく忘れていた。
ある休日の日、柄にもなく街に出ていた。今日は娘の結婚式ということもあったので、1ヶ月振りに街に出ていた。
そして、先月腕時計を修理に出していたので、その修理状況を伺いに結婚式の前に時計屋に寄る。
時計屋に入ると、気さくなお店のおじさんがすぐに声をかけてくれた。
「お待ちしてましたよ!この間の修理の時計、受け取りにみえたんですね!」
俺は、はいと答える。
「いや、それがね、電池交換をしても中を分解してもどこも悪いところがないのに動かないんですよ。何回やっても。」
俺はそうなんだ。と答えた。
「申し訳ないんだけど、よく分からなくて、なので修理はできなかったので、お代はいいです。すいません。」
そうか、、治らなかったか。パーツを新品に変えても動きませんか?と聞いたが、それだと結構な金額になるらしい。
俺は少し考えようと思い、動かなくなった時計を手にして店を出た。
一人トボトボ歩いていると、一つの看板が目に入る。
見た所コンビニの跡地みたいだが、『KRc探偵事務所』の名前と『変わった案件承ります』の看板が立っていた。
わざわざ変わった案件と看板に書くぐらいだから、俺のあの白い体験も聞いてくれるかもしれない。
俺は、暇つぶしに入ってみる事にした。
中に入ると、見た目30歳ぐらいの幼い顔をしたスーツ姿の男が声をかけて来た。
「いらっしゃいませー。」
そして、奥の机では20代の女性がパソコンに向かっていた。
「あ、初めてなんですけど、相談だけでも料金はかかります?」
俺は当然、探偵事務所なんて初めてなので料金が気になった。高そうだしな。。
すると、そのスーツの男は明るく説明してくれた。
「いえいえ、本来は三十分五千円ですけど、ちょうど今手が空いているので無料でいいですよ。何かお困りですか?」
そう言って、とりあえず奥にお座りください。と言ってパテーションで仕切ってある部屋に通された。
そこには机を挟むように椅子が二脚ずつ、合計四脚置いてあった。
その男は名刺を出してくれた。
『KRc探偵事務所所長 石川 健』
へー所長なんだ。人は見かけによらないな。
そして、その所長はもう一人の女性に声をかける。
「らんも良かったら一緒に聞いてくれないか?」
そのらんと呼ばれた女性はコーヒーを持って部屋に入って来た。
コーヒーは2つ。その女性は俺と自分の前に置いた。
「初めまして。長谷川 蘭と申します。」
その女性は挨拶をしながら名刺を出してくれた。
俺はその女性の顔を見た。
!!
なんと綺麗な女性だ。俺は芸能人を見るかのようにしばし見惚れていた。
「おい、らん。コーヒー、、俺のは?」
所長が弱々しくその女性に聞く。
「あら?いるの?ではご自分でどうぞ。」
キツイ性格な女だ。
所長はまあ、いいやと言って、私に顔を向けた。
「それで、何かお困りですか?」
俺は名前と年齢を伝えた。
名前は笹本博。50歳になる。
「こうゆう所初めてなので、」と遠慮気味に話した。
所長と女性は、俺の正面に座り話しを聞こうとする。
俺はどこから話そうかと思ったが、とりあえず聞きたい事を先に聞いた。
「変わった案件って書いてあったので、変な事を聞きますけど、」
俺は一瞬ためらったが、前の二人は真剣に話しを聞いてくれそうだ。俺は続ける。
「こちらに変な能力、超能力とか使える人が相談に来たりしますか?」
二人は顔色を変えずに俺を向いている、、気がしたが、所長は少しニヤケただろうか。女性は机の下で所長の脚を蹴ったみたいだ。
所長の顔は少しかしこまった気がした。
すると、所長はおもむろに机の上にボールペンを置きこう言った。
「このボールペン、動かす事出来ます?」
俺は、え?と呆気に取られた。
「ちょっと、店長、真面目に聞きなさいよ。」
蘭と言う女性は所長に向かって、言い聞かす。
店長って呼ばれてるのか、、まあどうでもいいけど。
続けて蘭と言う女性は俺に話す。
「ごめんなさいね、もう少し詳しく聞かせてもらっていいですか?ちなみに超能力者はご相談に来た事はないですね。」
そうか、それはそうか。俺のこの能力は何人もいるもんではないか。
俺は、どうしようかな、話しを続けた方がいいのかな、と今更ながら相談しようかためらった。




