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4章 4話 らんpart4

4章 4話 らん Part 4


「どうしましょう。。石井所長。仮説に過ぎないけどらんに話した方が、、」

「石川君、もうパートナーはあなたよ。それを決めるのはあなただわ。」

らんに会いたい!

私は無性にらんに会いたくなった。

「らんのお母さんのお墓は近いのですか?」

「そうね、港区だから近いわね。海が見える墓地よ。」

「らんはいるかな。」

「そうね、、」

と言いながら時計を見る。

「いつもは、お昼前にお墓参りしてお坊さんにお経を読んで頂くはずよ。しかも七回忌だからいつもより長いのではないかしら。」

「すぐに行きましょう。」

私と石井所長は墓地へ向かった。


少し高台にある海が見える墓地。車を降りると春の風が海の匂いを運んでくれた。

らんのお母さんのお墓に石井所長が案内してくれる。

すると、いた!らんだ。ちょうどお墓の前でお母さんに話しかけていた。

石井所長はあなただけ行きなさい、と言って背中を軽く押す。


「お母さん、元気?もう6年になるのね。私?私は元気にやってるわ。なんかやっと自分の居場所が見つかったかも。うん。心配しなくていいわ、、」


「らん、、」

らんはびっくりしながら私を見た。

「店長、、」

「プライベートなのにごめん。らん。らんのお母さんに線香をあげさせてくれないか。」

らんは「ええ、どうぞ」と言って立ち上がる。

線香に火をつけ手を合わせる。

そして、らんにここに来る前に事故現場でも線香をあげて来た事を伝えた。

らんは少し離れた所にいる石井所長に気付いた。

「そう、、全て聞いたのね。」

「ああ、、ごめん。」

「別に謝る事でもないわ。いつかは店長にも話さないといけないと思ってたから。」

私はお母さんとの会話が終わったら、あっちで少し話そうと言って海が見える少し広いスペースを指差した。

らんは、分かったわ。と言った。

私はそのスペースで待つ事にした。

石井所長からは車で待っているとメールが来た。


お母さんと話し終わったらんは私がいるスペースまで来た。

海を見つめるらん。

その横顔を見た私は、先程の仮説を話そうか迷っている。

言った所で正直何の意味もない。らんは怒るかもしれない。私はずっと下を見て考えていた。


「店長、、事故現場で何か分かったわね。」

!!

私はびっくりした!

「らん、、何で、、」

「分かるわよ。何でわざわざここに来たのか、あなたのように少し推理をしてみたわ。」

そう言ってらんは少し微笑む。

「らん、正直言おうか迷っている。言った所で何の証拠もないし、何の意味があるのかも分からない。だけど、その事が頭に浮かんだら無性にらんに会いたくなった。」

「そう、、店長が推理したのならきっと当たっているわ。是非聞きたいわ。」

「分かった。。らん。でもこれはあくまで俺個人の意見だからな。」

らんは海を見ている。


私は仮説を話した。

「あの事故現場で、実際に同じ時刻に走ってみた。太陽の日差しが目に入った訳ではなかった。ではなぜあの道路で100キロを出していたのか?

その手前の信号、、目撃者の話だと赤信号でも交差点に進入しようとした。当然先頭だ。しかしそこでは事故をする事なくしっかり止まっている。なので鬱で運転が出来ない訳ではない。そして青になる前に猛スピードで発進した。

交差点で赤なのに進入しようとした、まだ青になる前なのに急発進した、そしてすぐに時速100キロを出した。これはどうゆう時、どうゆう状況でそうなるんだろうと考えた。相当焦っているのがよく分かる。

そして、その日はらんの大学の入学式があった。その帰り道の事故。。

お母さんは、、」


ここまで話す途中でらんは大粒の涙を流していた。海を見ながら、その姿を見て私も涙が止まらなくなった。


私は嗚咽混じりで最後の結論を話した。


「お母さんは、、らんの、、入学式に来ていたお父さんを、、偶然、、、見かけて、、猛スピードで追いかけていた!」


らんはしゃがみ込み、大声で泣き出した。


「うえーーん、、えーーん、、おかあさん、、、ごめんなさい、、、ごめんなさい、、、」


私は泣いているらんを見て、涙が止まらなかった。

海を見ながら、私も泣いていた。


泣き終わったらんは少し冷静になったか、私にごめんなさい、と言って涙をハンカチで拭いた。

私はらんに何も言わなくていいよ。と言ったが、らんは大丈夫と言って話し出した。


「店長、、多分店長の推理はあたっているわ。離婚をしたけどお母さんはお父さんが大好きだった、、。そして入学式の日に私はお父さんらしき人を見た。だけどまさかいるはずないと思って見間違いかと思った。そして、、さっき、、私がごめんなさい、、と言ったのは、、、」

「いや、、いいんだぞ。らん。無理して言わなくても、、」

「ううん、、大丈夫。。私がごめんなさいと言ったのは、大学に入るのはお母さんは反対だった。そのお母さんの反対を押し切って大学に入学した。もし、、もし、、私が、、、」

らんはまた泣き出しそうになった。


「分かったよ。らん。らんが悪い訳ではないから。もう言わなくていいよ。」

私はそう言って、らんの肩を静かに叩いた。

らんの肩が震えだす。

「大学に行きたい、、。って言わなければ、、、」

らんはまたしゃがみ込み、大声で泣き出した。

私は肩を静かに叩いてやる事しか出来なかった。


この海から運んでくる春の風に、どうからんを慰めてやってくれと思いながら。。

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