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2章 3話 拳銃。。

2章 3話 拳銃。。


何度見ても、、拳銃だ!

綾は困った顔をして私達を見る。

「すいません、やっぱり迷惑ですよね、警察に本当は行かなきゃいけないとは思ったのですが、変な事に関わりあいたくなくて、、。」


「いや、すいません。思いもがけないモノだったので。」

DVDだったら100倍良かったのに、、

とか不謹慎にも思ってしまう自分がいた。


らんは冷静に聞いた。

「これって本物かしら?」

「さあ、私にはさっぱり、、これがモデルガンならそれならいいんです。でも、それさえも分からなくて、こんな事誰にも相談できなくて、、」

まあ、それはそうだ。誰にも相談なんてできないよな。

「あったのはこれだけ?」

らんはいたって冷静だ。

綾はカバンからまた何かを出す。


10cmぐらいのファスナー付きのビニール袋を取り出して、

「多分、弾だと、、」


らんは鑑識がするような白い手袋を机の引き出しの中から取り出して手に装備した。私にも渡す。


「少し拝見。」らんはまず拳銃から手に取った。

リボルバー式の小型拳銃。

「警察官が持っているのに似てるわね。」

そう言いながら匂いも嗅ぐ。

そして、今度は私にも渡した。

らんは弾を袋から出している。


私もモデルガンは買ったことがある。探偵に憧れたんだ。子供心に拳銃にも憧れた。

拳銃図鑑なる特集も読んだ。

アニメの主人公がどんな拳銃を使っているか、調べてワクワクしていた。

大人になってお金持ちになったら、モデルガンを部屋いっぱいに飾りたいとも思っていた程だ。


「これは、ニューナンブだ。」

私が記憶の片隅から名前を引っ張り出した。

らんも綾も聞きなれない言葉に対して少しびっくりしている。


「昔の警察官が使っていた拳銃で、珍しく日本製だ。有名なのはコルト社だけど、色が違う。黒いからな。」


私が拳銃を見ながら独り言のように解説していると視線を感じた。

綾はこの拳銃の正体、まあ名前だけだがそれが分かったからなのか目がキラキラしている。きっとこの拳銃の事を誰にも言えず分かってくれる人がやっと現れて嬉しい、、ってのもあるんだろう。

らんは、本当かよ。って言う感じで目を細めて私を見ている。


「本物でしょうか?」

綾は恐る恐る私に聞く。

「残念ながら、本物でしょうね。」

続けて私は説明する。

「私も専門家ではないので素人意見ですが、先ずは触った時に冷たい。これは鋼鉄製だからです。モデルガンは冷たくない。そして、銃口の中身。本物は弾が発射されるので当然何もない。モデルガンは板が入っている。これは本物と見て間違いないでしょう。」


綾は少し不安そうな顔をしている。

らんは、携帯をいじっている。拳銃をネットで調べているようだ。

「弾はこれだけですか?」

らんはビニール袋から取り出した弾を机に並べた。

錆びた弾が二発。綾は答える。

「ええ、、これだけです。」

「店長、この拳銃は何発入り?」

「これは五発だな。」

「じゃあ、三発は、、もう使用してないのか元々ないのか、、」


綾はどうでもいい事を聞いてきた。

「店長、、、って呼ばれてるんですか?」

今度は私がらんを冷たい目で見た。

らんは、、スルーしてやがる。


色々質問をしたい所だが、ここはらんに任せよう。


「で、この拳銃を私達にどうして欲しいのですか?」

おーー、、いきなり確信をついてきた。さすがらん。

綾は答える。

「正直、何か巻き込まれるのではないかと思ってビクビクしていたのですが、この2ヵ月何もないので処分して頂ければと、、」


処分か。。それはそうだろう。

何か面倒な事があったら、こっちに振ればいい。

こっち、、そう。。ここに。。

普通のOLが持っていても困るだろうしな。

実際泣きそうな顔してたし、

私はこちらで引き取るしかないと思っていた。


らんも何だかんだいって優しい女だ。。多分。

引き取るしかないと思うだろう。

らんは綾に向かってこう答えた。


「お断りします。」


私は心の中で鬼か!と思った。。

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