表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天色のなみだ  作者: 夏目はるの
31/70

第31話

「なっちゃんは今日出かけたりするの?」

「ぶはっ!……千里と買い物に。」


盛大に味噌汁を吹いた私に

鈴香さんが慌ててティッシュを持って来てくれる。


要が必死に笑いを堪えているのが見えた、許さん。


…クリスマス当日の朝。


休日にも関わらず仕事があるらしい拓海さんは既に出勤していて、

拓海さん以外の4人で朝食を食べている。


「大丈夫?」

「大丈夫です、すみません。」


今日要と2人で出かけることは篠山荘の皆には内緒だ。


要と2人で出かけることは割とあるのだが、流石に今日はクリスマス。

…もしバレれば大人2人にからかわれることは間違いないだろう。


「要くんは?予定あるの?」

「俺は神谷と飯食いに行く。」


動揺して味噌汁を吹いてしまった私とは対照的に、要は涼しい顔をして嘘をつく。

…なんかムカつくな。



「…この味噌汁、今日も奈月か?」


机の上の豆腐を拾い終えた私に、

雨野さんが顔を上げてそう問う。


はい、と頷けば雨野さんは少し頬を緩めた。


「…上手い。」


その表情と一言で胸が暖かくなって、

笑みがこぼれる。


「…ありがとうございます!」



雨野さんは基本的に無口だ。

表情はいつも硬くて、優しそうなおじいさん、とはお世辞にも言えない。


けど、いつも周りをしっかりと見ていて、

少しの変化にも気づいて気にかけてくれる本当に優しい人なのだ。


友達と出かけるらしい鈴香さんは、

ご飯を早々に食べ終えて部屋へと引き上げる。


雨野さんの珈琲店も今日はいつもよりお客さんが多くなることが予想されるようで、

お昼からお店の方へ行くそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ