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天色のなみだ  作者: 夏目はるの
23/70

第23話

「それにしても、こんなとこに何の用事があったんだよ。」


その拓海さんの質問に、

由香ちゃんと横山くんの喧嘩から全てを説明する。


私の話を聞き終えた拓海さんは、

呆れたようにため息をついて。


「馬鹿。単細胞。考えなさすぎ。」

「・・・返す言葉もございません。」

「けど、いなくなったっていうのは気になるな。」


腕組みをして考えながら、拓海さんは辺りを見回す。


そうなのだ。

急に見失ってしまった横山くんだが、

この辺りに他の道なんてどこにも・・。


「・・あ。」

「どうかしました?」

「ほれ、あそこ。」


拓海さんが指さした方向を見れば、

そこにあったのはお店とお店に挟まれた小さな階段で。


・・全然気づかなかった。


入り口を覗いてみれば、

どうやらその地下へと続いているようで。


「・・ジャズ・・?」


階段の横に立てかけてあった看板には、

楽器の絵と、【jazz-bar】 そう書いてある。


・・横山くんはここに入っていったのだろうか。

でも、ジャズ?

いつものほほんとしている横山くんとジャズは結び付かないような感じがして。



「あ!もう夜の部始まっちゃいますよ!」


その時。

誰かが階段を駆け上がってくる音がしたと思ったら、

そこに現れたのは茶髪をポニーテールにまとめた綺麗な女の人で。


高いヒールを見事に履きこなしているが、

元々の身長も私なんかより全然高そうだ。


「へ?夜の部?」

「あれ?演奏を聞きに来たんじゃないんですか?」


話が理解できずに固まってしまう私たちに、

その女の人はにっこりと笑って。


「もしかして初めてですか?よかったら聞いていってください!」


さ、どうぞどうぞ。と私たちを階段の方へと手招きする。


戸惑って拓海さんの方を見れば、

ま、入ってみようぜ、と階段へと足を進めた。

私も拓海さんの後に続いて階段を下る。


なんとなく怖くてスーツの袖の部分を掴んでいたら、

拓海さんに鼻で笑われた、むかつく。


ランプで照らされたお洒落な階段を下りながら、

さっきの拓海さんを思い出す。


・・3人を追い払ったときの拓海さんは、とんでもなく怖かった。

どす黒いオーラが体中からあふれていて。

それに加えて頭がいいため口も回る。さすが教師。


「・・拓海さんて、喧嘩とか慣れてるんですか?」

「まあ、な。察しろ。」

「・・ヤンチャしてたんですね。」

「昔な、昔。」


そういって彼はケラケラと笑う。


よし、もし学校でいじめにでもあったら拓海さんを呼ぼう。

密かにそう決めた私だった。

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