表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天色のなみだ  作者: 夏目はるの
18/70

第18話

由香ちゃんの質問に横山くんは一瞬黙って。


「『ごめん、詳しくは言えない。

でも本当にそういうのではないから。』って。」


横山くんが言ったという言葉を、由香ちゃんが繰り返す。


「・・・横くんの事は信じてるけど、

じゃあなんで言えないの?って思っちゃって。」


ムキになって問い詰めてしまったらしい由香ちゃん。

横山くんはごめん、でも言えない、そう繰り返すばかりで。


もういい、と電話を切ってしまい、

そこから全く会話をしていないらしい。


「そうだったんだ・・・。」


震える声で話し終えた由香ちゃんの背中をさする。


「辛かったね。」


千里もそういって頭をなでる。


・・由香ちゃんの変化に気づけなかった自分に嫌気がさす。

千里も同じなのだろう、苦い顔をしていて。


「ごめんね、気づけなくて。」


その言葉に由香ちゃんはぶんぶん、と大きく首を振る。


何も上手な言葉が出てこなくて、

それでも傍にいようと由香ちゃんの背中をさすり続ける。



「・・あ。」


その時、聞こえてきたのはチャイムの音。


「大丈夫?教室戻れる?」


お昼休みの終了を告げるチャイムだ。


赤くなった目をこする由香ちゃんにそう尋ねれば、

彼女は一度下を向いた後、バッと顔を上げて。


「・・うん。大丈夫!」


そして勢いよくベンチから立ち上がって、

はー!と大きく伸びをした。


「ありがとう。2人に話したら元気でたよ。」


そしてそう言っていつものようにえへへ、と笑う。


・・由香ちゃんが無理して笑っているのが分かって。

胸が締め付けられたように痛む。


「・・無理しないでいいんだからね。」


千里の言葉にうん!と大きく頷く由香ちゃん。

そして、少し目を伏せる。


「・・ちゃんと話さなきゃ、っていうのは分かってるんだけどさ、

中々勇気が出なくて。」

「由香・・。」


ポンポン、と千里が由香ちゃんの頭をなでる。


その後、授業に遅れないようにと教室に戻ったが、

私の頭の中は由香ちゃんと横山くんの事でいっぱいだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ