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モテるために

掲載日:2017/06/20

モテるために、女の子にちょっかいをかけた。



モテるために、生徒会長をした。



モテるために、常に人気者でいることを心掛けた。



モテるために、いつもニコニコしていた。



モテるために、沢山の趣味を持った。



モテるために、1日1時間は勉強した。



モテるために、町で一番良い大学を受けた。





今まで、誰にでも、モテれば良かった。






あの子にモテるために、受ける大学を変えた。



あの子にモテるために、同じ大学に受かった。



あの子にモテるために、いつも同じ授業を受けた。



あの子にモテるために、同じサークルに入った。



あの子にモテるために、勉強も部活も一生懸命取り組んだ。



あの子にモテるために、本を読んで知的アピールを始めた。



あの子にモテるために、ずっとグラウンドを走って元気アピールを始めた。



あの子にモテるために、中二病になってみた。



あの子にモテるために、いつも一緒に居るようにした。





あの子は、いつも笑ってくれていた。





あの子が、大好きだった。





あの子のために、ちょっとカッコつけて万引きした。



あの子のために、悪ふざけで後輩をいじめてみた。



あの子のために、目立とうとしてわざと教科書を忘れた。



あの子のために、未成年なのにお酒を飲んでみた。



あの子のために、授業をサボるようになった。



あの子のために、意味もなくイライラしている演技をした。



あの子のために、大学の壁に落書きした。



あの子のために、無駄に騒いだ。




騒いだ。騒いだ。騒いだ。騒いだ。








あの子は違うと言った。



俺に、初めて反抗した。



俺は呆然として動けない。



静かに流れていた雨。



窓の外は夕日。



雲は、ない。




俺は泣いていた。



なんで。



俺は、君のために。



違う、違うよ。



あの子は泣きながら言った。



二人きりだった。





横には、俺が描いた落書きがあった。


何故か俺が倒した花瓶も転がっていた。





ね、わかって。




あの子は言った。



だ、だって。



俺は、ずっと君だけを想って。



あれ以来、俺は、君が。






「──好き。だから、私の、ために……。そんなに、頑張らないで」





泣きそうな、でも結局泣いていたその愛らしい顔で、あの子は俺の手を取る。




『君』が、大事で。



『君』の、ために。




『あの子』を、『君』にしたかった。






「ごべん…………! 俺、俺でぼ……! 何にも、何にも……! 出来なくて……!」




「これからは、万引きも落書きもしちゃ駄目だよ? 『彼氏君』」



「は、はい……!」



「あ、でも『中二病君』はまた見てみたいかも! ねぇ、『彼氏君』」



「あ…………」



「……ん!」



「……! うん」






「助けてくれてありがとう」





「どういたしまして」





「よろしく! 『彼女君』!』

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― 新着の感想 ―
[一言] 僕にはよくわからない内容です。 僕がもう、喪った感情なので。
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