表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

御家乗っ取り?

 弘治2年、留守家一族であり最大の勢力を誇る重臣村岡右兵衛が留守家当主顕宗に叛旗を翻し、高森城への出仕をやめた。

 留守顕宗は村岡氏の居館を攻めるが、村岡右兵衛、左衛門親子は武勇に優れていたため、逆に顕宗が負けてしまい、高森城に逃げ込む羽目に陥ってしまう。

 村岡勢に高森城まで攻め寄せられると、村岡五郎左衛門という近臣が裏切り、城の門を開け右兵衛らを城にいれてしまった。

 その結果、顕宗は重臣である余目氏の居館東光寺城まで退くことになった。



 そもそも今回の村岡右兵衛の反乱は、天文の乱時における恩賞に不満があったことから起こったものである。

 留守氏の先代の当主景宗は伊達氏からの養子で稙宗の弟であった。そのため稙宗政権下においては留守氏は伊達氏の勢力下にあった。しかし、天文の乱では甥の晴宗に与し、稙宗方の国分氏や大崎氏、最上氏と争い、勢力を拡大し、乱が終結したころには伊達氏の支配下から脱し有力な大名となっていた。

 晴宗は自身の叔父で、最初から晴宗方の有力武将として活躍した景宗を家臣扱いすることもできず、伊達氏からの独立を認めざるを得なかった。


 しかし、天文23年に高森殿と呼ばれた景宗が亡くなり、嫡男の顕宗が跡を継いだことで、留守氏に問題が起こった。

 留守顕宗は病弱で戦国の世を生き抜くには問題があると家臣に判断されてしまったのである。


 その結果、不満をもっていた村岡右兵衛が留守氏の当主を継ぐため反乱を起こしたのである。




「常陸よ、どうやら相模(留守顕宗)は、高森城を落とされ、岩切まで落ちたようだな」

「はい、村岡親子はもともと武勇に優れたものでございます。御体も弱く戦もうまいとは言えない相模殿では敵わないでしょう」

「うむ、だろうな。右兵衛には褒美の書状と村岡領安堵状、八幡に攻め入ることの許可をだしてやるとするか」

「はっ。ところで右兵衛めは留守氏の家督を継ぐつもりのようでございますが、これを御認めになられるのですか」

「いや、留守には六郎か小二郎を入れるつもりだ。そろそろわしが仲介して相模に恩を売ってやるつもりよ」

「なるほど、養子として傘下に置くということですな。しかし六郎様はなかなか才に溢れているとか」

「養子に出すのはもったいないと思うのか」

「はっ。分家を起こすのも一つの手かと思いますが」

「ふむ……まあ、それはおいおい考えることとしよう。まずはこの反乱を収めてやらねばな」







 どうやら、留守家でおこった反乱に親父が噛んでいるらしい。

 反乱をおこした村岡右兵衛の反乱を認めているようだ。まあ留守氏も親子喧嘩の時に力をつけて独立したみたいだが、蘆名や最上ほど強大なわけではないし、しかも、当主の留守顕宗ってやつがあまり有能ではないようなので親父に目をつけられたみたいだ。ご愁傷さま。


 俺も戦国時代になれたのか、力が弱いと喰われるのはしょうがないと考えるようになってしまった。


 おそらく親父が調停に乗り出して、少しずつうちの支配下に置いていくつもりなのだろう。

 村岡にしてみれば今まで通り重臣ではあるが跡目はつげず、一度反乱を起こしている以上わだかまりは残る。顕宗は留守家当主の座は守れるが、伊達氏の影響を受けざるを得ないし、自分に歯向かった村岡を罰することもできない(ここで罰してしまうと仲介した親父の顔をつぶすことになるので攻められても文句が言えない)。

 結局、得をするのは留守氏への影響力を強めたうちってことになる。

 親父もなかなかやるねえ。


「六郎様、気が逸れていますぞ」

「すみません。気を付けます」



 おっと、そうだった。今俺はお勉強中だったんだ。

 一応この時代の礼儀作法や教養などを学ばないとな。まずはこの時代の常識を知らないと将来憧れの内政チートや戦術チートができないからなあ。真面目に勉強しよう。


 そんな感じでいたら周りからは六郎様は天才だとか言われてしまっている。

 まあ、悪口じゃないから別にいいか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ