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未知との遭遇

「そう。じゃあ私についてきてくださるかしら?」


そう言われて黙ってついていくと図書館の奥にあるであろう一つの部屋にたどり着いた。

何か見たことのない記号が部屋に記されているが多分この魔界の言語か何かだろう。

そして部屋に入ると独りでに扉は音もなく閉まってしまい二人きりになってしまった。

目の前にいるオルドヴァイ=グシオン=モカさんは(多分モンスター娘だと思う)まさに異形という容姿をしていた。

まず声質はくぐもった地の底から鳴り響くような恐ろしく低い声、そしてモンスター娘というのは普通人型を

しているのだが目の前にいるのは自分とは同じ背丈であるというのを考慮しても触手そのものであった。

これは敬遠されてしまうような見た目をしているかもしれないなというのが第一印象であった。

しかしこうして握手地獄から救ってもらった事と好意的に話しかけてきてくれるのもあってとてもいい人?なん

だと考えていた。


「にゅるっ」


おもむろに差し出されたぬらぬらと光る触手の腕、これを普通の一般人が見たら気持ち悪いと拒否してしまうだろう

がそこはケントである。夢にまでみたモン娘のしかも触手と来たものだ

その間0.1秒ケントは触手と握手していた。その腕はひんやりとしておりよくあるベトベトとかぬるぬるとかそういう

感触ではなくてすべすべしていた。

そしてその部屋は少し熱がこもっていた (あぁ~ひんやりとした感触が気持ちいい)ケントはその握手を一向に離そう

とはしなかったので


「あの、ケントさんそろそろいいですか?」


と言われて現実に戻ってきたケントは


「あぁっゴメン」


そう言って慌てて手を離したのだった。


「ケントさんは変わったお人ですね。同じモン娘の方たちだって私の容姿を気味悪がって近寄ろうとしないものも多いのに

ケントさんは近寄るのを嫌がらないどころか私の握手にすぐに応じてくださいました。そんな方はケントさん以外には

ミシャンドラさんぐらいのものです。ケントさんにはこの姿を見せてしまってもいいでしょう。」


そう言うと目の前の触手の束が後ろに流れていく、そして姿を表したのはおっとりしていそうな雰囲気を醸しだすお姉さん

だった。髪の色は青紫で触手の色と同じだがそれ以外はほとんど人と変わりなかった。唯一足が触手である以外はその人が

人間であると言われれば信じてしまいそうであった。


「どうか私のことはモカとお呼びください。それで今回この図書館に訪れた理由ですが魔界の基本的常識と魔法体系でしたね。

まず前者からですが、ケント様は魔素というものを知っていますか?」


知らないと答えると魔素というのはどうも人間界で言うところの酸素というものに近いらしい大気中に含まれる

豊富な魔素を体に取り込むことによってそれを様々なエネルギーに変換して魔物というものは生きているらしい

ちなみに人間は酸素を取り込んでおり魔素はとんでもない毒物なのだそうだ。

勇者は加護によって唯一魔素を取り込んでも死ぬことはないらしく魔界に攻めてくるものは殆どが勇者であり、もしくは

半魔と呼ばれる者たちなのだそうだ。


「魔界と人間界なんて物ができたのも元の発端は神族というのが由来しています。元々人間と魔族は敵対はしていなかったのです。しかしあるとき神の目に異形のものが目に止まった。そしてその異形のものというのは神族を脅かすほどの力を持っているのではないかという結論(これは容姿が気に喰わなかった為にでっちあげられた可能性が高い)が天界にて出たことにより人と結託した神族により魔界に追放され元々開けていた魔界と人間界は一つの門のみが行き来する手段となってしまいました。

そして我々がその門を開ける事は不可能でありあちらからのみ通行できるようになっています。」


結論から言うと脅かすほどの力はもっていたがそれは人間も同じであった。しかし容姿が気に入らないから追放しましたよ。 そしてそちらからこちらには来れませんが、こちらからそちらに行くのは可能ですよという酷い話だった。

そうした背景から魔界の歴史は侵略される事だった。あちらから攻め入られて築いた文明は破壊され略奪されていくという歴史。その中で生き残るのはいつでも強いものだった。モン娘というのはその中で非常に弱い存在であった。

そうして月日は流れて奴隷のように扱われるモン娘の中にも強いものが現れるようになった。そして組織を作り上げて抵抗を始めた。最初こそ失敗したものの、孤高であり強くあろうとする魔人たちは組織の前に為す術もなく敗北してある国がそのままモン娘に乗っ取られて魔王までその中から輩出するまでに至った。ここがその国であった。


そうこの国の名は「イリベルタス」 


この国以外にも多数の国が存在はしているが大国と呼ばれるのは他に6つあるそうでこの国はその中でも影響力をもっているらしかった。


「後者のほうですが、魔法というのはいわば生きる知識 その知識を身につけるだけで生きていくことができるといわれてる位のものです。 大体の魔導書は禁書扱いとされておりこの司書室に保管されています。

はっきり申し上げると魔法体系については簡単に教えることはできないのです。

そして悠々と話を聞いておられるケントさんですが今あなたは自分がとても危機的な状況にあることをお気づきですか?」

あなたはほいほいと私に付いてきましたが知らない人に付いていってはいけないとは教えられませんでしたか?

今ここはあなたと私しかいない密室空間ですから、誰にも邪魔されることなく貴方を始末できるんですよ。

さぁどうしますか?」


「まずモカさんは知らない人じゃない。それに始末するならこんな回りくどいやり方ではなく連れ込んで俺が閉まる扉に意識を奪われてる時に始末できたはず。それにモカさんの事信じてるから。」


そんなことをはにかんで言うケントの姿を見てモカは顔を赤くしながら


「ケントさんのそんな所はとても素敵ですが、そこが強くもあり貴方の弱みにもなると忠告して

おきます。 まぁそんなのは私がフォローしますが。」


「え?忠告の後の部分がちょっと聞き取れなかったけど何か言った?」


「何でもありません。それでは簡単な魔法から説明しましょう。

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